はじめに
こんにちは。株式会社シンシアでエンジニアをしている渡邉楓太です。今年の1月に実務未経験で入社して、8ヶ月が経ちました。
入社したばかりの頃、私はなるべくAIに頼らずにやろうと思っていました。今は、AIに渡す情報をどう整えるかに時間を使うようになりました。
この8ヶ月でAIに対する見方がかなり変わったので、その話を書こうと思います。
シンシアに入るまで
エンジニアになる前は、42Tokyoというエンジニア養成機関で学習していました。講義も教科書もなく、課題の解き方は自分で調べ、学生同士でコードをレビューし合って進めていく、という少し変わった環境です。誰も答えを教えてくれないので、ずっと「分からないことを、どうやって分かる状態まで持っていくか」をやっていた気がします。身についたのは知識そのものよりも、その進め方のほうだったと思います。
会社を選ぶときに見ていたのは、変化を恐れない会社かどうか、という点でした。技術も事業も数年で前提が変わっていくなかで、今のやり方を守ることを優先する会社だと、たぶん自分は続かないだろうと思っていました。振られた仕事をこなすだけの働き方にはしたくない、という気持ちもありました。
シンシアを選んだのは、そのあたりが一番はっきりしていたからです。大切にしている価値観として「Be an owner(当事者たれ)」が掲げられていて、自分から動くことが前提になっているのは分かりやすかったです。
最初は、なるべく自分の力で
さきほど書いたとおり、入社した当初はなるべくAIに頼らずに進めようと考えていました。
理由は単純で、実務未経験だったからです。AIに答えを出してもらったほうが早いのは分かっていましたが、それだと自分が分かるようにならない気がしていました。まずは自分で書けるようになって、効率の話はその後でいい。そう思っていました。
今振り返っても、この考え自体が間違っていたとは思っていません。ただ、思っていたよりずっと早く、方針を変えることになりました。
AIへの見方が変わった
きっかけは、劇的な出来事ではありません。仕事を進めるなかで生産性を素直に考えたときに、「ここを自分の手で書いている理由って何だろう」と思う場面が増えてきた、というだけです。
実装は、AIに任せればある程度の品質のものが効率よく出てきます。だとすると、自分が時間を使うべきなのは実装そのものではなく、その前後ではないか。そう考えるようになりました。
そこからしばらくやってみて、もう一段考えが変わりました。うまくいくかどうかは、頼み方よりも、こちらが渡せる情報がどれだけ整理されているかで決まる、ということです。
いま自分がやっていること
設計 → 実装 → レビューという流れのうち、私が直接見ているのは主に2つです。設計に対して指摘を入れることと、レビュー結果の事実確認と動作チェックをすることです。
こう書くと「実装しないエンジニア」みたいに聞こえるかもしれませんが、感覚としてはむしろ逆で、判断する回数はかなり増えました。
そして最近は、それ以上に時間を使っている部分があります。AIが精度よく動く状態をどう作るか、というところです。
同じことを頼んでも、返ってくるものの質はかなり変わります。何が前提になっていて、どういうルールで書かれていて、どこは触ってはいけないのか。そういう情報がプロジェクト側にどこまで明確に書かれているかで、出力の精度が大きく変わると感じています。
なので今は、AIに参照させる手順やルールをプロジェクトごとに整備するようにしています。渡す情報が整理されていれば、指示は短くて済みますし、手戻りも減ります。逆にそこが曖昧なままだと、何度指示を書き直しても精度は上がりません。
そしてこの整備は、自分ひとりのためのものでもありません。シンシアの価値観のひとつに「Be sustainable(継続的であれ)」という言葉があって、属人化させず仕組み化する、という意味なのですが、AIに渡す前提を明文化しておくことは、チームの誰が触っても迷わない状態を作ることでもあります。この2つは、ほぼ同じ作業だと感じています。
なので今の感覚としては、AIをうまく使うというより、AIが迷わない状態を先に作る、というほうが近いです。
それでも、最後は自分で確かめる
ひとつだけ、意識していることがあります。
AIを使うこと自体は問題ではないと思っています。問題なのは、AIに使われることです。
正直に言うと、レビューまで含めてある程度AIだけで回すことはできますし、実際そう組んでもいます。ただ、その結果を100%信用しているかというと、そこまでではありません。出てきたものを読まずに通すとか、何も考えずに投げるとか、その状態になると、たぶん一気に何も分からなくなります。
なので、整備したうえで、最後は自分の目で見る。AIの出力に対して「本当にそうか?」と一回引っかかる余地は、意識して残すようにしています。今のところ、ここが人間側に残っている一番大きな仕事だと思っています。
最後に
正直、この考え方も半年後には変わっている気がします。今後もAI側が進化すれば、いま人間がやっている判断の一部も置き換わっていくと思います。
なので大きな結論を出すつもりはなくて、まずは目の前のことから地道にやっていこうと思っています。
もしこの記事を読んでくださっている方の中に、
- 言われた通りに作るより、やり方から考えたい人
- 一度うまくいったやり方を、もっと良くできないか考えたくなる人
がいれば、シンシアはかなり相性がいいと思います。少しでも気になった方は、ぜひカジュアル面談でお話しさせてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。