生成AIをはじめ、最先端の技術を活用したプロダクト開発を進めるwevnal(ウェブナル)。BXプラットフォーム「BOTCHAN」の導入企業数は順調に伸び続け、ファイナンス面でも累計16億円の資金調達に成功しています。
現在上場を見据えた準備を進める中、重要な取り組みの1つに挙げられるのが、IPO審査に耐えうる企業のコーポレートガバナンス及び内部管理体制の構築です。BOTCHANはD2CやEC領域での利用シーンも多いため、薬機法や景表法への対応も欠かせません。
その役割を今wevnalで担うのが、アドミニストレーション&リスクマネジメントチームの石村直樹さんです。2023年の入社以降、契約書のリーガルチェックやBOTCHAN内で表示されるシナリオのリーガルチェックをはじめとする法務業務を行ってきました。
今回のインタビューでは、wevnalへの入社動機や現在の仕事内容、業務を通じて得られるやりがいなどを聞きました。急成長中のITベンチャー企業で取り組む「法務」の魅力を深堀します。
業務範囲が広く、多様な仕事にチャレンジできる魅力
──まずは石村さんのご経歴について教えてください。
2007年に新卒入社した企業で法務のキャリアが始まり、2017には東証スタンダード子会社へ転職。上場水準の法務を経験することができました。その後、3社目の転職先では契約書のリーガルチェックや知的財産の管理や広告審査に関する業務を幅広く担当。2023年9月にwevnalへ入社、という流れになります。
──多様な経験を積んできた石村さんが、wevnalに興味をもった理由は何ですか?
wevnalが提供するBOTCHANは、認知から購入・申込、そして解約に至るまでのブランド体験向上の役割を担うプロダクトです。ユーザーとのコミュニケーションにチャットボットを活用していることを知り、私の法務経験が役立つのではと興味をもちました。
例えばユーザーが化粧品の購入を検討する際、ECサイトのチャットフォームで商品の説明を求めたとします。そこで仮に美容効果に対する過度な説明があった場合、薬機法や景表法に違反するなどしてブランドを棄損させてしまう恐れがあります。そこで前職で培った広告審査の知識や経験が生きると考えました。
あとは、法務として幅広い業務に携われることへの期待も大きかったです。wevnalは上場を見据えたフェーズにあるため、今後もさらに多くの仕事に挑戦できるチャンスがある。キャリアを磨く上でもプラスになると考えました。
──幅広いお仕事ができることの魅力は何でしょうか?
法務の仕事は傾向として、会社の規模が大きくなるにつれて業務範囲が狭くなる傾向があると思っているんですね。私も前職では最終的に広告審査だけを担当していました。専門性を極めることも1つの道だと思いますが、私としては幅広い法務経験を積むことが、個人的にキャリアとしての魅力的に感じているんです。
現在も、アドミニストレーション&リスクマネジメントチームの法務担当として、日々さまざまな業務と向き合う機会があるので、非常にやりがいを感じています。
社内のリーガルリテラシー向上で、事業成長に貢献
──現在はどのようなお仕事をしていますか?
定常的に取り組む業務は大きく3つあります。「契約書のリーガルチェック」「シナリオのリーガルチェック」「社内のコンプライアンス研修」です。
「契約書のリーガルチェック」は法務として一丁目一番地の仕事で、BOTCHANを導入する際の利用契約から解約まで一通りの書面があり、代理店やクライアントから修正要望があった際にはそれらの確認をします。
もちろん、社内のリソースが足りない場合には業務委託契約書などを作成する必要があり、業務上発生する契約書を網羅的にチェックするのが私の仕事です。
「シナリオのリーガルチェック」では、ユーザーがチャットボットを通して質問をした際、回答内容が法律に抵触していないかを事前に細かくチェックします。wevnalでは生成AIを活用したチャットボットもありますので、AIによる誤った回答を防ぐためのチェック体制作りも重要な仕事です。世の中的にもまだ事例が少ないため、法務としての技量が問われます。
「社内のコンプライアンス研修」では、法務が主導する形で毎月の研修を実施しています。メンバーの一人ひとりが法律を正しく理解することで、ルールを細かく設定して行動を管理しなくても、自律的で機動的な組織運営が可能になると考えています。
──広範な取り組みですが、特に注力しているものはありますか?
BOTCHANの導入企業数は日々増え続けていますので、契約まわりの効率化は優先度を高くして取り組んでいます。契約がスムーズに運ぶようなフロー設計もそうですし、自社に有利な内容になりすぎて締結に遅れが出ていないかなども確認すべき点です。
──現在進行形というわけですね。一方で、成果がすでに表れているものがあればぜひ教えてください。
社内のリーガルリテラシーはかなり向上したと思います。以前はシナリオ設計の場面などで私が細かくチェックしていましたが、今では修正箇所が目に見えて少なくなりました。事業部のメンバーが日々真剣に学んでいるからこその成果だと思います。
──法務が主導する、コンプライアンス研修の効果も出ていそうですね。
私が入社した当初は、前任のメンバーが内製で研修を作っていたこともあり、前任のメンバーにおいて業務上の過大な負担がありました。
そこで、インサイダー取引や著作権に関する取り扱いなど、汎用性の高い知識は外部の研修ツールを活用することにしたんです。これにより広告に関するリーガル上の問題など当社独自の解説が必要なコンテンツ作成に注力しつつ、毎月コンプライアンス研修を実施できるようになりました。頻度高く受講できる機会があることで、より社内の規範意識を高める意味でも効果が表れていると思います。
「法務に丸投げ」で終わらない、一体感が得られる仕事
──wevnalの法務として働く上で、どこに一番やりがいを感じますか?
入社後に強く実感したのは、ビジネスサイドのメンバーと一緒に事業を作り上げている感覚があるということです。「これは契約書の話だから」と法務に丸投げして終わりということがありません。チャットボットのシナリオ設計でも、シナリオを作成する担当者からこまめに相談があるため、仕事をする上でも一体感があります。
コンプライアンス研修の際もただ受講して終わりではなく、都度フィードバックがあるので次回に向けたブラッシュアップができるんです。ビジネスの一連の流れ、細部にまで貢献できているので、日々の働くモチベーションに繋がっています。
──これから入社するメンバーにとっても良い環境ですね。
そう思います。法務の役割は「事業の伴走者」として社内外の関係者との対話を通じて、健全かつ持続的な価値を共創するところにあると私は考えています。そこが分断されてしまっている組織だと非常に困ってしまう。その点でwevnalは、一緒に走っている感覚が得られるので仕事もやりやすいと思っています。
──現在の事業フェーズを考えた時、どのような人材だとフィットすると考えますか?
ベンチャー企業なので、柔軟性は必要ですね。守りの法務だけでなく、事業を前進させるための考え方もできなければ務まらないと思います。論理的、かつ柔軟な思考で目の前の事象に対する最適な提案を出せるような方だと、ミスマッチなく働けるのではないでしょうか。解決が困難な状況であってもNOと言わず、打開策を提案する。そういった役割が求められます。
また、他部署と連携する機会が非常に多いのも特徴です。私自身も積極的にコミュニケーションをするように心掛けていますし、質問に対してもスピード感をもって対応することを心掛けています。
BOTCHANというプロダクトの特性上、法務の仕事が遅れることで事業の加速にブレーキをかけてしまう恐れもあるので、そういった点を理解して幅広く業務を担える人だとやりがいを得られるはずです。
IPOに向けて、より盤石な法務体制を構築したい
──今後の取り組みとして、どのような目標を掲げていますか?
法務としていかにビジネスを回していけるかが重要だと考えているので、契約書管理の効率化はもとより、シナリオのリーガルチェック体制やコンプライアンス研修にも引き続き注力したいと考えています。
将来的にはIPO審査にも関連すると思うのですが、上場審査を通過するために対策を取るのではなく、すでに基準を満たしている状態だからこそ承認が得られる。そのような体制を構築することが当面の目標で、実現できれば法務としても盤石で骨太な会社になれると思っています。
法務の仕事と聞くと、どうしてもディフェンシブな部分を想像されることが多いと思いますが、wevnalにおいては事業推進に向けて「攻めと守りの双方のバランス」が大切です。
生成AIの導入などを含め、チャレンジ精神とスピード感をもって事業展開をするのがwevnalなので、今後もビジネスサイドとの連携を深めながら会社の成長に貢献していきたいと思います。
wevnalでは現在、事業の拡大に伴って、あらゆるポジションの方を募集しています。 会社にご興味を持っていただいた方は、まずはお気軽にご連絡ください!
取材協力:CASTER BIZ Recruiting