【プロフィール】
徳村 光太 KOTA TOKUMURA
経営戦略室シニアマネージャー
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科修士課程修了。大学院修了後は、株式会社日本総合研究所に入社。介護保険・福祉に関する調査研究・政策提言、交通・農業等の社会課題解決を目指す事業開発に従事。2020年6月、ウェルモに入社した。経営戦略室への所属となり、ウェルモの遊撃隊として経営・事業課題に取り組んでいる。現在、ケアプラン作成支援AI『ミルモぷらん』のプロジェクトマネージャーと、AIを用いた要支援者向けケアプラン作成支援システム開発プロジェクトのリーダーを務める。
政策や事業戦略を作る黒子ではなく、自身の手で事業やプロダクトを育てていきたかった
----これまで何をやっていましたか?
介護業界への興味関心が芽生えたのは、高校3年生のとき。学校の授業で、介護施設での仕事体験がありました。ちょうど介護保険制度が国内で施行されたばかりで、その内容説明を授業で受けたのですが、複雑すぎて全く理解できなかったんですね。一体何を言っているんだと…。
当時、私の祖母は認知症を患っており、私の母親や祖父が介護していたのですが、この複雑な介護保険制度のことを理解できるはずが無い、とすぐに思いました。そして、「自分は、高齢化社会や介護業界を良くする仕組みをつくる人になるんだな」という考えがすっと降りてきて、この業界に興味関心を持つようになったのです。
それからは、高齢化社会や介護に関する制度のことが学べる大学・学部を探し、大学と大学院に進学しました。そして、シンクタンクでの約12年間の経験を経て、2020年からウェルモへ。学生時代から今に至るまで、私はずっと高齢化社会や介護領域の課題解決に挑んできました。
----ウェルモへの入社理由はなんですか?
ウェルモに入社した理由は、「介護×テクノロジー」の事業を通したアプローチで介護領域の根本的な課題解決に取り組んでいきたいと思ったことでした。
前職では、介護領域の課題解決について政策からのアプローチで取り組んでいきました。政策を変える仕事をしたと言う自負はあります。また、テクノロジーを使った新規事業開発にも挑みました。
しかし、あくまでも私の立場は黒子のコンサルタント。政策がどのように現場に影響を与えているのかが見えないこと、新規事業も軌道に乗れば自身の手から離れていくことにもどかしさを感じていました。当時、介護ロボットに関わるプロジェクトを担当したのですが、技術先行で開発が進んでいくため、ロボットが完成しても介護現場の実情に合わず、現場で普及していかないことがありました。
その時に気付いたのです。介護業界を良くするには、現場のニーズを起点として「介護×テクノロジー」の事業を推進していくことが必要だと。
私は、福祉・介護・教育といった数多のベンチャー企業の採用面接を受ける中で、ウェルモが手掛ける事業が一番面白いと感じました。何よりもウェルモに魅力を感じたのは、ケアテックベンチャーの会社とうたっていますが、ものすごく泥臭い仕事をしているんですね。
地域ケア情報みえる化サイト『ミルモネット』であれば、介護事業所一つ一つに対して「ミルモネットへの登録をお願いします」と電話をかけたり、エリアコミュニケーターが1事業所ずつ訪問して関係性を築いて登録を促したり、地道な活動をしています。そこに、「現場のニーズを起点に課題解決を目指す」という本物さを感じたのです。
私がコンサルタント時代に感じていた「政策や事業戦略を作るだけでは世の中は絶対に変えられない」というモヤモヤへの答えがそこにはあったのかもしれません。私はすぐにウェルモへの入社を決めました。
入社5ヶ月目でプロジェクトマネージャーに抜擢され、担当事業を収益の柱とするために、試行錯誤する日々
----現在、ウェルモで何をしていますか?
ウェルモの遊撃隊として経営・事業課題に取り組む経営戦略室に所属となって、もうすぐ1年。現在は、2つのプロジェクトを任されています。1つは、ケアプラン作成支援AI『ミルモぷらん』のプロジェクトマネージャー。もう1つは、2023年のリリースを目指し、福岡市と協定締結を結んで進めている新規事業開発リーダーです。
『ミルモぷらん』のプロジェクトマネージャーは、入社5ヶ月目の時に任命されました。2021年の3月リリースという目標が決まっていたこともあり、プロジェクト全体の業務設計と円滑な進捗管理が私の役目。
前職時代でもマネジメント経験はあったのですが、当時はメンバー全員がコンサルタントという同じ職種だったため、考えや価値観も理解できたのですが、今回のプロジェクトチームは違いました。メンバーは専門職である看護師に、開発エンジニア、デザイナー、広報、PR、マーケティング…と多様性に溢れており、私はそれぞれの志向性や思考回路を把握できず、手間取りました。
また、CEOやCOOなどのボードメンバーと直接コミュニケーションを図り、スピーディーな意思決定が求められる日々。自身の決定や行動がそのままプロダクトや事業に反映されるのは、前職時代では味わえなかった面白さですが、常に緊張感がありました。任命から数ヶ月で、どうにかプロダクトをリリースできたときの嬉しさは、本当に格別でしたね。
『ミルモぷらん』のプロジェクトと同時に進行していたのが、「福岡市と協定締結を結んだAIを用いた要支援者向けケアプラン作成支援システムの開発プロジェクト」コンペの準備。こちらも関係各所への対外交渉や社内メンバーの力を借りながら、進めていきました。見事、ウェルモが採択されたのですが、その結果の連絡が来た日が『ミルモぷらん』のリリース日と同じだったことは、偶然なのですが、とても驚いています。
----これからウェルモで何をやっていきたいですか?
リリースされたばかりの『ミルモぷらん』は、まだまだ子ども。現場での実証実験・改善を繰り返し、成長させていきます。その将来的なビジネスモデルを考え、チームをまとめ進捗を管理するのが、私の役割になります。
今後必要になるのが、社会課題解決と経済性(事業としての収益を出す)を両立させること。株式会社である以上、経済性は絶対に大事です。私は、両立の仕方に正解は無く、常に悩み続けることが正解なんだと思っています。「両方のバランスを取るには、こうするべきだ」と断言するのではなく、常に悩み続け、その度にプロダクトを改善したり、ビジネスモデルを変えたり、試行錯誤することで、プロジェクトマネージャーとしての自身の成長と、プロダクトと事業の発展につながっていくのだと思っています。
ウェルモは近い将来の上場を視野に入れて、事業を展開している会社です。私が入社してからの1年間でも、かなりの成長スピードで事業拡大を果たしています。
近い将来、自身が手掛けたプロダクトと事業が上場に貢献したんだという明らかな手応えを得られるように、自分自身の成長スピードをあげていきながら、これからも社会課題の解決に挑んでいきたいです。