「SNSの仕事って、実際のところ何をしているんですか?」——面談でいちばん多い質問です。この問いに、きれいごとではなく"作業の中身"で答えます。担当タレントの投稿を1本出すまでに、5日間で何をしているかを時系列でそのまま書きます。
▍月曜・企画会議:参考投稿を8本、その場で分解する
きっかけは「最近このフォーマットが増えている」というAさんの一言でした。すぐに参考投稿を8本集めて、その場で分解します。見るのは、最初の1秒で何を見せているか/尺は何秒か/音は何か/コメント欄が何で盛り上がっているか。
大事なのは"真似"ではなく"翻訳"です。なぜ人が見ているのかを言葉にして、担当タレントの世界観に置き換える。この日の会議は40分ほどで、企画は3案出して1案に絞りました。
▍火〜水・制作:最初の1秒を作り込む
構成表を作って、撮影して、編集します。いちばん時間をかけるのは冒頭です。冒頭のカットを「動きのある画」にするか「結論のテロップ」にするかで意見が割れて、結局2パターン作って見比べました。
選んだのは後者です。理由は、直近で伸びた投稿の多くが冒頭にテロップを置いていたから。好みではなく、手元の記録で決めます。
▍木・投稿:キャプションは3パターン用意する
投稿の直前に、キャプションを3パターン書いて比べます。1行目に何を置くかで保存率が変わるためです。投稿時間も、担当タレントのフォロワーが動いている時間帯を記録から選びます。
出したあとは、しばらくコメント欄を見ています。反応が動き始めると、チームのチャットの通知が止まらなくなります。「この構成、効いてるかも」「プロフィールに飛んでる人がいる」——個人の手柄ではなく、チームの1本として盛り上がる瞬間が、この仕事のいちばんの報酬かもしれません。
▍金・振り返り:見る指標は4つだけ
投稿の翌日、チームで見る指標は決めてあります。再生数・保存率・プロフィール遷移率・視聴維持率の4つです。
このうち、いちばん重く見ているのは保存率です。再生数は、たまたま拡散されただけでも動きます。保存は「後で見返したい」と思われないと増えないので、内容そのものへの評価に近いからです。
視聴維持率は、どこで離脱されたかを秒単位で見ます。冒頭3秒で半分が抜けていたら、その投稿は構成から作り直します。逆に最後まで見られていれば、同じ型をもう一度試す価値がある——という判断です。
この会は週1回、30分だけです。時間をかけたぶん結論が良くなる会ではないので、短く区切って次の企画に時間を使います。
▍未経験の人は、この5日間のどこに入るか
入社してすぐ、この5日間を一人で回すことはありません。最初の1ヶ月は月曜の分解に加わるところからです。参考投稿を1日3〜5本、上の5点で分解して、なぜ見られているかを言葉にする。
この訓練を経てから、企画を出してもらいます。分解を飛ばして企画から始めると、外した時に理由が残らないからです。逆に言えば、分解ができるようになった時点で、企画は出せます。
▍投稿する時間も、勘では決めない
投稿時間は曜日と時間帯で反応が変わります。だから「いつも同じ時間に出す」ことはしません。直近の記録を見て、動いている時間帯に合わせます。
同じ内容でも、出す時間で届く相手が変わる。ここを勘で決めていると、内容の良し悪しの判定まで狂います。
▍この5日間の外側の話
念のため書いておくと、この流れがいつもきれいに回るわけではありません。撮影が押して編集が翌日にずれることも、3案出して全部ボツになることもあります。
ただ、外した理由がその週のうちに言葉になるので、次の月曜の企画会議に持ち越せます。積み上がるのはヒットではなく、判断の材料のほうです。
役割は企画・撮影・編集・分析で分けていますが、線は厳密ではありません。編集の担当が構成に意見を出すこともあれば、その逆もあります。「言われたものだけ作る」進め方だと噛み合いませんが、口を出したぶんだけ結果に関われます。
▍最後に
センスがなくても、この手順は回せます。回しているうちに、投稿の見え方のほうが変わってきます。この5日間を一緒に回してくれる人を探しています。
→ 募集:SNSマーケター募集 https://www.wantedly.com/projects/2316679