「他のメンバーが採用に協力してくれない」そんな声を人事の方から聞くことがあります。逆に現場メンバーは何をすることが協力になることが分からないというケースもあるかもしれません。
会社の拡大の初期、6人目のメンバーとして入社した力丸様を中心に、メンバー全員を巻き込むことで、Wantedlyのみで組織を拡大してきた株式会社POPER。いかにしてメンバーからの協力を得て、全社で採用を行う体制を整えたのか話を伺いました。
POPER様のWantedly実績プロフィール
- Wantedly経由採用実績:8人
- 採用ポジション:経理財務責任者、セールス、カスタマーサクセス、インターンなど
- Wantedly利用期間:約2年3ヶ月(※2019年11月時点)
- 運用担当人数:1人
- ご担当者様が感じるWantedlyの特長:Wantedly経由メンバーの入社後のパフォーマンスが高い
力丸様の自己紹介プロフィール
- 入社時期と入社理由:2018年3月、経営管理部立ち上げというミッションへのワクワク感、対峙する教育業界の課題への挑戦
- 入社から現在までのお仕事概要:採用・労務、総務、経理などの土台作り。就業規則や評価制度、福利厚生の構築と運用。
- 座右の銘:椅子のない席で争わない
Wantedlyを使う理由を説明し、メンバー全員を採用活動に巻き込む
2018年、力丸様がご入社した時には既に、Wantedlyは導入されていました。ただ、募集ページはまとまりがなく、運用もうまくできておらず、あまりよい状態ではなかったといいます。力丸様は入社してプロフィールの改善から手をつけていきました。
力丸様:
私が入社してまず行ったのが、経営陣を含めてメンバー全員のプロフィールを作り直してもらうことです。入社当時は、みんなのプロフィールが全然書かれていませんでした。そこで、参考になるプロフィールのURLを集め、今の自分たちのプロフィールと比較させた資料をみんなに配り、書き直してもらいました。自分がどういう人間で、どういうストーリーをもって入社したのか分かるように書いてもらったのです。写真も自分の顔がはっきりとわかる解像度の高い写真に変えてもらいましたね。
私は新卒として就職活動を行った頃からWantedlyを使ってきましたが、応募する際にはその会社のメンバーのプロフィールを必ず見ていました。メンバーが入社したストーリーに一貫性があり、会社のミッションと紐付けられている数が多ければ多いほど、良い会社だなと印象を受けた記憶があり、まずはメンバーのプロフィールの充実を図ったのです。変更した結果が全てではありませんが、月5件以下だった応募数は月30件程度まで着実に増えていきました。
メンバー全員の協力を得ることは、口で言うほどたやすくないものです。力丸様が協力を仰ぐために行ったのは、「みんなで採用する」という意識付けでした。
力丸様:
やはり、メンバーによってはお願いしてもやってくれないこともあります。そのような時は、POPERがなぜWantedlyを使っているのか説明していました。知名度が低く、何をやっているのか分かりづらいスタートアップは想いに共感してもらうしかありません。そのために人事ひとりではなく、みんなで採用する意識が大事だと伝えてきました。
新しいメンバーが入社する時も、全員にWantedlyを使う理由を説明し、入社して最初の仕事としてプロフィール作りをしてもらいます。そのためいつのタイミングで入社したメンバーも、全員採用に協力してくれる体制を作れているんだと思います。
経営陣に率先してプロフィールを作ってもらうことも、メンバーを巻き込むのに効果的です。弊社でもCEOとCTOに最初にプロフィールを作ってもらいました。役員がいい加減なことを書いていれば、いい加減な会社だと思われかねません。そのため役員のプロフィールは特に厳しくチェックしましたね。役員のプロフィールが完成したら、みんなの前で「役員のプロフィールができました」と発表してお手本として見てもらいました。メンバーに「役員がちゃんとやっているんだから自分たちもやらなきゃ」と思ってもらうことで、巻き込みやすくなりました。
募集ページのカバー写真とタイトルは万人受けを狙わない
募集ページを制作する際に「万人受けを狙わないカバー画像とタイトルを作成する」と話す力丸様。万人受けを狙わないことがフィルターの役割を果たしているそう。
力丸様:
募集ページを作る時は、私達がどんな会社なのか一目で感じられるように意識して作っています。タイトルは、キャッチーで目を惹く単語を入れることよりも、一文で興味があるかどうか判断できるように心がけています。例えば、応募が多かった募集タイトルは「教育×働き方×ICT ピンと来たらオフィスに遊びにきませんか?」です。シンプルに3つのキーワードで私たちがどんな会社か伝えられます。
カバー画像も万人受けするものより、私達のキャラクターが伝わる写真を載せるようにしています。みんなに応募してもらうことよりも、カバー画像でフィルターをかけたいと思っているからです。カバー画像で私達の世界観が好きか嫌いかを判断してもらえれば、好きな人にだけ選考に進んでもらえます。
自然とメンバーがシェアしたくなるストーリーしか掲載しない
力丸様はストーリーの運用についても、ひとり人事で工数に限界があるからこそ意識していることがあると続けます。
力丸様:
ストーリーの運用に当たって、月に何回投稿するか目標数値は決めていません。たくさんのストーリーを書くことより、メンバーがSNSにシェアしたくなるような記事を書くことを心掛けています。先日投稿したオフィス移転に関するストーリーを例にすると、ただキレイなオフィスになったと伝えるのではなく、なぜこのようなオフィスを作ったのか、どんな想いを形にしたのかなど、移転の背景やストーリーが伝わるものを作成しました。
また、熱量を伝えられるコンテンツにするために、当事者には必ずインタビューをするようにしています。私が入社してすぐは、CEOの栗原にどんな世界観を作りたいのか徹底的に尋ねました。栗原は創業者かつ、元々教育事業者だったこともあり、創業にかける想いや教育業界に対する様々な課題を強く感じていたため、伝えたいことがたくさんあります。実際に私が入社する前のWantedlyには、栗原が直接書いた膨大な長さの記事がありました。しかし、POPERに興味を持つ前の段階の候補者には“読もう”とする意思がないため、読んでもらえません。その中でも何を一番大事にしているのかよく話し合い、語り口調から端的な言葉に言い換えました。短くわかりやすくなったことで、読んでくれる候補者が増えたと感じています。
入社後も続く幸せを目指して、面談ではさらけ出す
「面談ではネガティブな面までさらけ出すことでギャップがなくなり、メリットも大きい」と話す力丸様。ネガティブ面を伝えることで発生するデメリットよりも、全てをさらけ出すメリットの方が大きいそうです。
力丸様:
最初のカジュアル面談では、個々人の収入以外は全てオープンに話しています。それぞれのメンバーの入社の経緯や仕事のネガティブな面、これまで辞めた人のエピソードと合わせて「こんなことに反省している」と話すこともあります。おかげさまで入社してからギャップを感じる人がいません。会社の雰囲気に合わないと思った方はこの面談で辞退するので、以降の面接で使うはずだった時間も節約できます。
今までの面接のスタンスでは、会社のポジティブな面を伝えることに注力をし過ぎてしまい、入社後にギャップを感じてしまう人がいました。だからPOPERでは、入社してからギャップを感じない選考フローにしようと考えました。面談でじっくり話し込んでいるため、そのあと面接したメンバーにも「力丸が言っていた通りの人が来た」と言ってもらえます。候補者も二次面接の時は会社の全てを分かった状態で来るので、「変な緊張をせずに話したいことが話せた」と言ってもらっています。
二次面接以降の選考フローは候補者ごとに変えています。例えば、POPERが求めているスキルには少し足りないと感じる方でも、POPERのミッションへの理解や共感、バリューを体現できるような方だった場合は、1日インターンや配属予定先のメンバーとも会ってもらい一緒に働くイメージが湧くかを見てもらいます。もちろん、候補者の方にも実際にPOPERで仕事をするイメージをしてもらうことで、ギャップを埋める目的があります。候補者の方も現職とは勝手が違うと思うので、敢えてメンバーとのコミュニケーションの機会を挟むことでお互いにどんな人かを選考を進める前に知ることで入社後のギャップは防げます。
このように柔軟に選考フローを変えているので、そこまでターゲットを絞らなくても採用ができているのだと思います。ただし、このやり方は年間に10人ほどしか採用しない規模だからできることだとも感じています。もっと組織の規模が大きくなったら、別の選考フローを考える必要がありますね。
今でも常に他社のWantedlyのページをチェックしながら、応募したくなる企業とそうでない企業を研究して、よりよい採用方法を模索しています。