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“必要だったのは外からの認識をすり合わせること” リブランディングとスカウトで想いを伝え採用を加速させる

TV局のADとして社会人キャリアをスタートさせた後、複数社を経て株式会社OKANに入社した中村様。外部の協力者として、株式会社OKANに関わるうちに企業の姿勢に共感、社員としてポジションを変え、志を同じくするようになります。

株式会社OKAN様のWantedly実績プロフィール

- Wantedly経由採用実績:45人
- 採用ポジション:セールス、マーケティング、カスタマーサクセス、サービスデザイン、エンジニア、デザイナー、コーポレートなど
- Wantedly利用期間:約5年(※2019年6月時点)
- 運用担当人数:2人
- ご担当者様が感じるWantedlyの特長:その他(ミッション共感度の高い候補者に出会うことができる)

中村様の自己紹介プロフィール

- 入社時期と入社理由:2017年5月入社。「オフィスおかん」ローンチ時よりPRとして外部から株式会社OKANをサポート。株式会社OKANのミッション・ステートメント「働く人のライフスタイルを豊かにする」に共感して入社を決意。
- 入社から現在まで:人事(採用・組織開発)、PR、オウンドメディアなど、社内外のコミュニケーションにかかわる領域を担当。現在はPRを中心に、採用にも従事。
- 座右の銘:笑う門には福来たる

ミッションフィットを謳う理由とその判断方法

中村様:
弊社では「働く人のライフスタイルを豊かにする」というミッション・ステイトメントを掲げ、採用はもちろん弊社の経営思想に至るまで、あらゆる判断基準の主軸にしています。株式会社OKANはミッション・ステイトメントを実現するための会社であり、「オフィスおかん」や、今年7月にローンチした「ハイジ」はその手段です。同様に、採用候補者に対してもミッションフィットしていることを最重要視しています。

カルチャーフィット、ポテンシャルフィット、スキルフィットなど、企業ごとに採用の重きの置き方は大きく異なります。では、株式会社OKANがミッションフィットを上位概念とする理由はどこにあるのでしょう。

中村様:
ミッションフィットを謳う理由はいくつかありますが、簡単に説明すると、4点が挙げられます。①ミッション・ステイトメントが全ての根源だから②ビジネスモデルがチームワークを求めているから③100の問題を30人で解決する体制が必要だから④多様性が認められる組織であるべきだから。詳しくは是非、こちらの記事を参照ください。

【CEO週報】ミッションファースト経営を実践する株式会社おかんが「ミッション・ステートメント」を重視する4つの理由 | おかんの手帳
株式会社おかん代表の沢木です。今週の気になったこと・考えたことを共有する、CEO週報というものを、毎週書いて社内で共有しているのですが、せっかくなので社外へも共有しちゃえ!という【CEO週報】シ...
https://www.wantedly.com/companies/okan/post_articles/102735?fbclid=IwAR0jsoCzTd1O4KdxjSesueb8-urvA0wKHn3KcACXUGHusgLCahNpIkZbWSw

中村様:
その上で、採用候補者の志向性とミッションをどのようにすり合わせていくかというと、一次面談を行う前段階でミッションフィットに関するアンケートを行い、その上でお互いの認識合わせをしています。アンケートでは、社会課題の解決意欲、利他的な性質の有無、また、ひとつの目標に基づいて意思決定ができるか。そして、その人の価値観と転職軸がどこにあるかを見ます。

また、選考基準も公開していますので、読んだ後に、その感想や理解しづらい部分が無いか率直に回答いただいています。

事前アンケートに加え、OKANの採用選考基準を知る機会が与えられるこの独特な採用手法は、企業と候補者の間に齟齬が無いか、価値観をすり合わせるための欠かすことのできないもの。残念ながら、すこし前までこのフローを通過する割合はだいぶ低かったと中村様は言います。

中村様:
弊社のことを「食」、「福利厚生」に重きを置いた会社というイメージでエントリーされる方が多くいらっしゃいました。これまでのメイン事業は確かに、ぷち社食サービス「オフィスおかん」であることは間違いありませんが、このサービスはあくまでも、僕たちの掲げるミッションを実現するひとつの手法にすぎません。

そうした社外の方が誤って認識しているイメージと、実際のOKANとの乖離を解消するために、社名や企業ロゴをはじめ、リブランディングに踏み切ることになります。

採用広報を超えた、全社的で抜本的な「社外からの見え方」へのテコ入れ

「株式会社おかん」から「株式会社OKAN」へ社名を変え、企業の顔となるロゴを一新。仕事内容だけではなく、健康、家庭との両立、自分らしい生活などのあらゆる価値観「ワーク・ライフ・バリュー」を充実させる企業として生まれ変わったのは、2019年はじめ頃。今まで世間の一部で一人歩きしていた会社像を払拭し、正しいあり方を自ら再発信しました。

中村様:
世間との認識にズレが生じている状態は、採用活動を含めいろんな意味でポジティブではありません。今後さらに事業を展開していく上でも、デメリットの方が大きいと思います。世間様、そして採用候補者の方々にそうした新たなメッセージを伝えるため、以前と何が変わったのか、そして、そもそもどこに食い違いがあったのかということをWantedlyのストーリーで人事と、代表の沢木それぞれから発信するなどもしました。

ミッション・ステートメントとのズレを無くすため、おかん→OKANに社名変更しロゴも変更しました|沢木恵太@おかんCEO|note
株式会社おかんは2019年5月22日より、株式会社OKANになりました。ロゴも画像のものに変更です。 これだけだと「なんだ、スタートアップのただの社名変更か」となってしまうので、今回の社名変更・ロゴ変更に込められた、強い想いと意思を伝えさせてください。なお、今回のnoteは想い中心の内容です。スタートアップにおける社名変更の必要性やその方法のような HOW TO ...
https://note.mu/keitas/n/nc4228916d3f0

中村様:
こうした一連の動きを経て、採用候補者との間にあった誤解は随分と解消されたように思います。応募数に大きな変化はありませんが、今までのようなミスマッチな人材に代わって、理想とする候補者からのアプローチが増え、1月時点で面談後の進捗が16%だったものが、3月時点では24%まで上昇しました。伝えるべき情報が的確に届けられるようになったことから、ペルソナとなる採用候補者の母数が増え、採用数も大幅に増えました。

いわゆる会社広報の部分からテコ入れをしたことが、応募者の傾向を大幅に変化させる結果に繋がります。一方、それ以外の採用フローはリブランディング前後で変わっていません。あくまでも、課題は入り口の企業理解の部分にあっただけで、一次面談以降に関してはミッション・フィットを重視した採用フローは確立できていたためです。

採用フローの足固めが済んだら、ダイレクトスカウトで直接アプローチへ

社外との社会的なイメージの整合性がとれたことから、より効率的で確実な採用活動を展開することができたOKAN。今後さらに積極的に人材を確保するため、今年の6月からはダイレクトスカウトをスポットでの利用から年間利用に変更しました。

中村様:
自然流入でも350名/月を超えるエントリーが集まっていますが、採用したいポジションが明確で、この時期までにと決まっている状態では、スカウトのような直接のアプローチも必要です

まだまだ、潜在的な候補者全てに「株式会社OKAN」の正しい姿は届いていない。だからこそ、今までリーチできていなかった人に適切に認知していただく必要があります。弊社のサービスをご存知でも、なぜそのサービスなのか、その想いをちゃんと知っていただく機会はあまりないかと思いますので。

そのために、お送りする文面は大幅に変えました。今までは弊社のサービスと、「興味があったら一緒にはたらきませんか?」といった2〜300文字程度のごくシンプルなものでしたが、今は、どんな想いで事業に取り組んでいるのか、その背景、ダイレクトスカウトを送った理由、今後の会社の展望を1000文字程度でしっかりお伝えしています。読み終えた時に、働く人のライフスタイルをどうやって変革していこうとしているかが以前に比べてだいぶイメージしやすくなったんじゃないでしょうか。

中村様:
実際にお送りしているダイレクトスカウト文面は、時間をかけて検討しました。社内の目線だけでなく、他社が主催するイベントで壁打ち大会をして推敲したこともあります。

エンジニアの方からは熱すぎて「気持ち悪い」といった声もいただきました(笑)。確かにスキルフィットを重視する方からすると、そう感じられるのかもしれません。一方で、弊社の場合は「なにかを実現したい」想いを持っている方に響くことを目的にしています。同じ思考のエンジニアの方であれば、反応が悪いことはありません

事実、OKANが送るダイレクトスカウトの返信率は34.5%(※2019年6月下旬時点)と、同じプランを使う他社の平均反応率を上回り、ダイレクトスカウトを導入して1ヶ月しないうちに、3名の採用が決まっています。

中村様:
しっかりと会社のことを伝えること以外には、「誰に対して、誰から伝えるか」を意識してダイレクトスカウトをお送りしています。まず「誰に対して伝えるか」と言うと、もちろんミッションに共感してくれそうな方です。「自分の想い」や「この先やってみたいこと」を記載している人をスクリーニングして洗い出し、弊社のミッションと重なる部分があればご連絡を差し上げます

その際に、「誰から伝えるか」は役員をはじめ、リードと呼ばれるマネージャー陣にも対応してもらいます。求める人物像の解像度が高いポジションであるほど、チームに適した人材をしっかり採用できますから。採用される側からすると、一定以上の権限をもつ人から自分の価値を評価してもらえることで、採用の本気度も伝わりますよね。

採用がうまくいかない原因を探る時、外からの見え方を意識することで思わぬほころびが見つけることができる一例と言えるのかもしれません。株式会社OKANは、その問題の重要性に気づき、全社を挙げて軌道修正を図ることに成功しました。

意図せぬミスブランディングは、採用する側も、される側ともに幸せな結果には繋がりません。思い描く採用候補者が来ないなど思い当たる節があれば、今一度、自分たちのイメージが適切に世の中に届いているか、社外の声に耳を傾けてみてもいいかもしれません。

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