Wantedlyを運用している中で気になるのが、他の会社がどんな運用をしているか。採用に唯一解は無いですが、会社の規模やフェイズ、採用したい職種の難易度によって、どう動くべきかは変わってきます。Wantedlyを使いはじめて間もない、採用に関わる方向けに、各社が採用に対してどんな取り組みをしているのかをご紹介します。
今回取材させていただいたのは、株式会社Crunch Style CMOの戸口興さんです。
株式会社Crunch Styleさんは、「毎日にちょっとした感動を」というミッションを掲げ、ITの力で日常生活に添えるささやかな感動を提供している企業です。現在はその第一弾として、「IT×花」で花のある暮らしを提案しています。組織規模はまだ10数名規模ですが、インターンなど含め、10名以上の採用に成功している同社にWantedly運用のコツをお伺いしました。
採用担当兼任でもうまく時間をつくるには
現在12名のメンバーが在籍中とのことですが、採用は皆さんでやってらっしゃるのでしょうか。
戸口様:
メインは代表の武井と自分が担当しています。面談やWantedlyの募集記事作成などはメンバー皆で対応していますが、目標PV、応募数などの進捗数値管理などは代表が行っています。
いまのフェイズでは、やるべきことはなんでもやるという時期かと思いますが、採用の時間はどうやって作っていますか。
戸口様:
そもそも業務の中に採用の仕事も入って100%の仕事量になるよう設計されているので、採用の仕事が余分に追加されている感覚では無いですね。特に採用に力をいれていたときは、代表は40%、自分は30%を採用の仕事に当てれるように業務を調整しました。
採用も兼務されている方の場合、時間を取りにくいこともあるかと思いますが、どうしたらそこが解消できると思いますか。
戸口様:
数値目標を決めることと、採用をやる時間を先に決めることでしょうか。弊社の場合はオーガニックの募集はエントリー数、書類通過率、一次面談通過率を、スカウトの場合は送信数と返信数をKPIにおいて行動しています。時間に関しては、朝・昼・晩と30分づつ採用の時間としてカレンダーをブロックしていて、10分時間空いたらフリースカウトを見て、送る!みたいなこともしていました。フリースカウトは基本毎日チェックしていますね。
スカウトは文面に力を入れるだけではダメ
スカウトといえば、御社のような見方によってはニッチな事業で返信率20%以上をキープされているコツを是非伺いたいのですが、どんなことを意識していますか?
戸口様:
スカウトを送る基準の1つは、候補者の返信意欲が高いかどうかですね。私達のようなスタートアップだとブランド力ではまだまだ勝てません。なので、候補者の返信意欲は重要な指標です。
その返信意欲はどうやって判断されているのでしょうか。
戸口様:
1つ目は、プロフィールの情報更新や最終ログインの日が浅いかどうか。これは、一番重要なポイントです。2つ目は登録して日が浅いかどうか。3つ目は、逆にかなり前からWantedlyに登録している人ですね。
最初2つはわかりますが、3つ目はどういう意図で?
戸口様:
かなり前からWantedlyに登録している人って、情報や新しいプロダクトへの感度が高い人だと思っていて、興味のあるプロダクトであれば、知名度関係なく会ってもらえる可能性があるかなと。
なるほど。ちなみに登録したての人の場合、情報がまだ埋まりきっていない方も多いと思うのですが、スカウトするかしないかはどう判断していますか?
戸口様:
学歴と職歴や、Wantedlyの共通の友人を見て判断しています。代表や自分はスタートアップ界隈に友人が多いので、そこの人と共通の友人が多ければスタートアップ界隈に興味を持っている人なのではないかという仮説です。
スカウトのデータベースから候補者を探す時はどう探していますか?
戸口様:
ターゲットのペルソナをざっくりと持っているので、それに紐付いた単語をいくつか用意して検索するっていう、やり方ですね。あと、市場に目を光らせておいて、クローズしたプロダクトやバイアウトされたプロダクトを運営していた会社をバイネームで検索などもしています。そういった企業に勤めている方はきっと環境の変化で転職意欲が高まるはずなので。
他に意識しているのは、データーベースのチェックの頻度。鉄は熱いうちに打てじゃないですが、弊社のフェイズのスカウトで大事なのは、自社をどうアピールするかよりも、他社よりもいかに早く接触できるか。登録している会社全社競合みたいなもんですからね。
とはいえ、スカウトのメッセージを読むと、一人ひとりにパーソナライズされていて、細かいところまで気を使われている印象も受けました。一通スカウトを送るのにどれくらい時間をかけてますか?
戸口様:
1通当たり5〜10分ですね。Wantedlyさんの管理画面に出てくるポイントは抑えるようにしています。時間をかけるのは、「その人ならでは」の経歴やストーリーのことを書く部分。例えば、「前職の経験を活かして〜」と書かれてるスカウトって多いと思うんですけど、それだけじゃ甘いと思っていて、「学生時代に地方の大学から東京のスタートアップで働いていた」みたいに、その人ならではの経歴に触れる。人となりに焦点を当てるのが大事だと思います。
他に気になったのが、魅力づけの部分です。「花×IT」という事業領域バイアスをどう乗り越えているのかと。
戸口様:
新しいユーザー体験を創れる、ユーザー数が急速に伸びてる、サブスクリプションというビジネスモデル、スタートアップだから裁量権があり意思決定が早く仕事できる、という辺りは伝えてます。
そこに加えて、プロフィールや提案ポジションに応じたプロダクトや企業の良さを伝えます。良かった人はより魅力づけをするために、刺さったポイントと刺さらなかったポイントを次の面談担当に共有して、刺さった部分をさらに細かく話す、という感じです。
採用を兼務でやっている方へ
ありがとうございます。最後に、採用を兼務でやっている方に一言メッセージをお願いたします。
戸口様:
立てた目標にコミットする。決めたことをしっかりやり切る。兼務で大変かもですが、やってる人はやってるしそういうサービスが伸びていくのだと思います。サービスを伸ばせるかどうかって採用にかかってるよね、っていう共通認識をいかに浸透させるかの布教活動って採用担当者の仕事だし、それができればビジネスサイドではない職種のメンバーも採用に巻き込める様になっていくんだと思います。
私達は組織拡大フェーズ真っ最中なので、採用に今まで以上に力を入れてWantedlyさんを使い倒させて頂きつつ、メンバーが増えて組織が大きくなってもいろんなメンバーを採用に巻き込める良い採用カルチャーを持つ組織でいたいなと思います。