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“人が会社をつくることを常に意識する” スカウト返信率45%を叩き出した運用方法とマインドセット

Wantedlyを運用している中で気になるのが、他の会社がどんな運用をしているか。採用に唯一解は無いですが、会社の規模やフェイズ、採用したい職種の難易度によって、どう動くべきかは変わってきます。Wantedlyを使いはじめて間もない、採用に関わる方向けに、各社が採用に対してどんな取り組みをしているのかをご紹介します。

今回取材させていただいたのは、株式会社キュア・アップCDOの鈴木晋さんです。

株式会社キュア・アップさんは、「アプリで治療する未来を創造する」というビジョンを掲げ、これまでの医療が生み出せなかった新たな治療効用の創出を目指し、「治療アプリ®︎」を開発しているMedTech企業です。2014年に医師2名で創業され、現在社員数は50名程。実際に面談してからなど、採用に関する課題はまだまだあるとのことですが、キュア・アップさんのスカウトの返信率は一時期45%を叩き出し、今でも30%代後半(※2018年12月時点)と非常に良い数値を保っています。

各メンバーが全力でコミットする採用体制

御社の運用状況を拝見した時に、最高開発責任者である鈴木さまが直接スカウトを送られているのが非常に印象的だったのですが、採用チームはどのような体制なのか教えてください。

鈴木様:
実は、弊社はいわゆる採用担当専任のメンバーがまだいないんです。だから、各職務ごとに採用担当がいて、それが束ねられた兼任メンバーの採用チームしかありません。例えば私はディレクター・エンジニアの採用担当です。別に日程調整をするオペレーションチームがいますが、各職務のメンバーが能動的に採用活動をしています。

企業によっては、早い段階で採用担当を採用するところもありますが、キュア・アップさんの場合は、どういう経緯でいまの体制になったのでしょうか。

鈴木様:
最初はどの会社も同じかと思いますが、誰が何をやるのかが決まっていない中でのスタートでした。「これは俺の仕事じゃない」となる人はおらず、採用活動も業務の1つとして当たり前にやってきていたものが、今の規模まで成長したという感じです。マインドとして、自分たちの仲間なんだから、自分たちで積極的に仲間を増やすのは当然と皆考えていると思います。なので、エンジニアの採用戦略はエンジニアたちが考えています。

何かエンジニア内で採用に関する知見の共有なども?

鈴木様:
私の部署であれば、エンジニアの定例ミーティングで、「今はこんな人が候補にあがっています」や「どうしたら良い人を連れてこられるか」という話はしています。毎週議題に上がるので、他のメンバーも採用業務を自分ごとだと捉えるようになっていると思います。

採用兼任にありがちな「時間が無い」をどう乗り越えるか

採用を兼務している方の一番の悩みは「時間が取れないこと」 です。そのあたりキュア・アップさんはどう調整していらっしゃるんでしょうか。

鈴木様:
例えばスカウトであれば、こちらからアクションを掛ける必要があるので、業務をルーチン化しています。最終的に欲しい人数と現在の返信状況から、少なくとも何人候補者を見ないと、自分たちが求める人材にたどり着かないのかを逆算して、最低限動くべき行動目標を決めています。そうすれば、どれくらい時間をかければ良いのかもわかります。

スカウトであればどの程度時間をかけていらっしゃるのでしょうか

鈴木様:
1週間に1回1時間、候補者50人をみようと決めています。今までのデータから、見た中で自社にあう方はだいたい10%くらい。少なくとも50人見れば、週に5人くらいをスカウトできるので、エンジニア採用に関しては今はそこを目標に動いています。

送る人を決めるとこから、文章をつくるとこまで全部1時間以内に?

鈴木様:
そうですね。

選ぶところでいうと、どういったところを基準に見ているんでしょうか。

鈴木様:
スカウトプランはプレミアムプランに登録しているので、エンジニアの場合はGitHubやブログがあれば、その内容を見て判断しています。そういったものがない場合はプロフィールから。志向や成長意欲を見ています。成長意欲は、文章からももちろん判断していますが、GitHubに残したコードや、ブログで自分の考えをアウトプットしているかなど、総合的にみて判断するようにしています。

それゆえ選別しすぎてしまう可能性はあるし、大事な人を見落としているかもしれないです。ただ、今のフェーズは、一人優秀な人をとろう、というやり方。アプローチして何か違ったねとはなりにくいですね。

厳選できるのもスカウト返信率45%まであげた実績があるからこそだとは思いますが、是非スカウトの返信率を上げるコツと限られた時間の中で文章も作るコツを教えてください。

鈴木様:
Wantedlyさんも言っていますが、個人にパーソナライズしたスカウト文面を作ることは大前提です。その上で、効率化を測ることが大事かと思います。それぞれの方に違ったいい部分があるわけですが、プロフィールの中からどういうポイントをみればいいのか、というのは決められると思うのです。そこで見た情報を、ある程度フレーム化した文章と組み合わせれば、候補者にパーソナライズした文面を作りつつも、文章の作成時間は削減されると思います。

それでも40%超えはかなり凄いですよ。

鈴木様:
Wantedlyと契約したときに、Wantedlyのスカウトを気合いを入れてやりたいという思いがありました。担当者の方にしっかりと運用すればスカウトが他のメッセージに埋もれてしまうことはないと伺っていました。それならば、結果を出せる仕組みを作っていこうと思い、今の運用体制になりました。

Wantedlyのスカウトが良いと思うのは、パーソナライズに時間をかければ、結果が数値として出ること。だから、そこに時間をかける意味がある。頑張ればメッセージを開いてくれる、文章を読んでくれるというのがモチベーションになっています。

人が会社を作っているという当たり前に感謝する

経営層が採用にコミットすることは、採用を成功させる上でとても大切だと思いますが、そういったマインドセットはどうしたら醸成されるのでしょうか。

鈴木様:
成功体験によるのかなと思います。自分が探してきて、自分が熱意を持って勧誘した人に、今すごく支えられている。二人だったときから見返すと、人が会社を作っているんだという実感を強く感じます。当たり前のことですが、一緒に働く人を選ぶことは、組織の中で1番、2番に大事なことです。そこをまだ丸投げにしてはいけないし、この先もそうではないと思います。

必死に採用した方々が、それぞれの強みを生かして、会社をドライブしたり、支えてくれたりしている。それを考えれば採用にコミットすることは、自然なことだと感じています。

ただ、これから組織が大きくなっていくと、私だけで採用活動をするのも限界があります。ですので、今後は他のメンバーも候補者の方に対して会社の魅力や情報をお伝えできるように、さらに社員を巻き込んで採用活動をしていきたいです。

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