目次
地方の交通を変える現場から、リアルな声をお届けします。
“交通×ITで地域を元気に”バイタルリードの挑戦
地域とともに歩む、課題解決のパートナーとして
株式会社バイタルリード誕生秘話①
研究が実を結ぶ瞬間
経営理念「元気で幸せな社会をつくる」の誕生
私たちの価値観「7つのS」
地方の交通を変える現場から、リアルな声をお届けします。
こんにちは。島根県出雲市に本社を構える株式会社バイタルリードです。
このたび、私たちは情報発信をスタートすることになりました。
これまでの発信は、主に自治体や交通事業者の皆様に向けたものが中心でした。しかし最近、「バイタルリードってどんな会社なの?」「どんな人たちが働いているの?」といった声をいただくことが増えています。
そこで今回、私たちの日々の活動や考え方、そして何より「人」にフォーカスした情報発信を始めることにしました。普段はなかなかお伝えできない等身大の姿をお届けしながら、同じ志を持つ方々や、地域の課題解決に一緒に取り組む仲間とのご縁が広がれば嬉しく思います。
“交通×ITで地域を元気に”バイタルリードの挑戦
私たちバイタルリードは、「元気で幸せな社会をつくる」を経営理念に掲げ、公共交通コンサルティングを中心に活動している会社です。
創業以来、島根県を拠点に全国各地の地域交通課題に取り組んできました。
私たちの特徴:コンサルタント×ITエンジニアの一体型組織
最大の特長は、交通コンサルタントとITエンジニアが同じ組織で働いていること。
多くの会社では「計画策定」と「システム開発」が別々に行われますが、私たちは創業当初からこれらを融合してきました。
現場にいると「こんなデジタルツールがあれば便利なのに」、「この課題はシステムで解決できるのでは?」と感じる瞬間が多々あります。その発想を一気通貫で解決につなげられるのが、バイタルリードの強みです。
計画策定にとどまらない“本気のパートナー”
私たちが大切にしているのは「計画を作って終わり」ではなく、その後の運用・改善まで伴走すること。
地域の方々に利用され、持続できる仕組みを実現するために、長期的な視点で地域に寄り添うパートナーであり続けます。
地域とともに歩む、課題解決のパートナーとして
私たちが自治体との仕事で大切にしているのは、単なる発注者・受注者という関係にとどまらず、同じ方向を向いて地域の未来をつくる姿勢です。
業務を確実に遂行することはもちろん、地域の実情や住民の声に応じて改善点や工夫を検討し、自治体の皆さまと相談しながら合意形成を図ります。
計画策定の前段階から、実施、利用促進や継続的な改善まで。一貫して伴走することで、交通をはじめとする地域の暮らしの課題を具体的に把握し、持続可能な解決策をともに作り上げていきます。
こうした取り組みを通じて、私たちは「地域に寄り添い、課題に真摯に向き合う伴走型のパートナー」であり続けたいと考えています。
株式会社バイタルリード誕生秘話①
ここからは、なぜ私たちが地域交通に取り組むようになったのか。代表・森山昌幸の歩みを通して振り返ります。
代表取締役 森山昌幸
学生時代の転機〜世界への憧れ
森山は島根大学で農学・農業土木を学んでいました。大学2年のとき、インドネシアでの2ヶ月研修に参加したことが転機となります。
「その体験が面白くて、世界を舞台に仕事をしたいと思い、海外事業を展開するゼネコンに就職しました」
都市土木への違和感と転職
しかし配属されたのは東京での都市土木。憧れていた海外事業とはかけ離れた環境でした。
「都会の大規模工事は面白みを感じられず、学生時代にインドネシアで抱いた“地域に根ざす仕事”とは真逆でした」
そんな折、出雲市の建設コンサル会社の経営者と出会い転職を決意。奇しくもその直後、待望の海外事業の話が舞い込みますが「約束を守る」と出雲に戻ります。これが「地域と本気で向き合う姿勢」の原点です。
交通工学への学び直し
農業土木出身だった森山は、交通分野を基礎から学ぶため、30代で広島大学大学院に進学。2年間の研究生活を経て、公共交通への情熱を深めました。
「交通からまちをつくる仕事をしたい」――その想いを胸に、修了後すぐに起業します。
大学院時代
研究が実を結ぶ瞬間
広島大学での学び直しは、思わぬ形で実を結ぶことになります。
社会人ドクターとして週1日研究室に通い、3年目には研究室を職場として活用していた森山。ドクター論文のテーマは「中山間地域における公共交通サービスの計画手法に関する研究」でした。
「この研究を国土交通省に発見していただき、当時の中国運輸局からお声がけをいただきました」
この出会いが、バイタルリードの転機となります。
「一人では到底こなせない規模の仕事を複数いただくことになり、非常に忙しくなりました。そのタイミングで修士時代の同級生から『一緒にやりたい』という申し出があり、『それならばちゃんとした会社にしよう』ということで、バイタルリードへの組織変更が決まったのです」
研究で培った知見が実際の政策に活かされ、それが事業拡大のきっかけとなる——まさに「交通からまちを作る仕事」への第一歩でした。
創業初期〜手探りの日々
一人で始めた頃、最大の壁は資金繰り。キャッシュフローに悩み、銀行に断わられることもありました。
「お金を借りたことなくてですね。銀行に行っても『前年度の売上の1/2までしか貸せません』としか言ってくれない。今だったら担当者の上長と話をさせていただくとか、いろんな方法があるのを知ってるけど、当時は分からなくて断られることもありました。」
最終的には妻の実家の紹介でとある銀行の支店長とつながり、融資を受けられたといいます。
狭いオフィスでスタッフと肩を寄せ合いながらも、この経験が後の「働きやすい環境づくり」へのこだわりにつながりました。
経営理念「元気で幸せな社会をつくる」の誕生
私たちの経営理念「元気で幸せな社会をつくる」は、日々の事業活動の中での学びや経験から生まれました。地方では、新卒社員の早期離職が課題となる時期があり、経営者同士で集まり、組織運営や人材育成について学ぶ機会がありました。その中で森山はこう語ります。
「人を大切にする経営を徹底的に学んだことで、理念や行動指針の考え方が固まりました。言葉だけで終わらせず、日々の仕事や地域との関わりに活かしていくことが大切だと思っています」
この学びが、理念の土台となり、社員や地域との関わり方、日々の行動指針にも深く反映されています。
私たちの価値観「7つのS」
7つのS
バイタルリードでは、理念を具体的な行動に落とし込むために、「7つのS」を定めています。
- ES (Employee Satisfaction) – 社員の幸せ第一主義
- CS (Customer Satisfaction) – お客様の満足度最大化
- PS (Professional Service) – プロとしての仕事の提供
- FS (Frontier Spirit) – 新しい価値の創造
- OS (Outside Support) – 外部支援者との連携
- SS (Sustainable System) – 発展し続ける企業づくり
- VS (Vitallead Spirit) – バイタルリードスタッフとしての心
「理念や7つのSは、社員一人ひとりが実際の行動で感じられるようにしたかったんです。理念だけでは伝えきれないことも多いですからね」
これらの価値観は、日々の判断や行動の指針となり、私たちのサービスや地域との関わり方にもつながっています。