プロジェクトに携わった人数が多いとき、忙しくて時間がとれないとき、プロジェクトの振り返りが疎かになってしまうことはありませんか?振り返りを疎かにしてしまうと、プロジェクトの再現性が下がるだけでなく、会社として、個人としての長期的な成長を考えたとき、大きな機会損失となってしまいます。
必ず守るべきルール
VENECTで振り返りの会を行うとき、以下のルールを設けています。基本的なことかもしれませんが、ルールを再確認することから振り返りを始めます。
- デブリーフィングの時間内はメールなどは禁止とし、振り返りに集中する
- 役職に関わらず、フラットな状態で積極的に発言、意見の交換をする
- 時間内に全てのチームメンバーが発言できるよう、相手の話す時間も考慮する
- 各個人の問題に対する原因の追求ではなく、プロジェクトの仕組みや起こった事象についての良かった点/問題点を挙げる
- 事前に自分の意見をまとめておく
VENECTで行っているKPT法
VENECTではKPT法を取り入れながら、追加の項目として、最初にプロジェクトの目的の確認(Objective)と、最後に明日から取り入れ、行動にうつすこと(Action)を追加しています。
具体的な進め方は以下。
Objective:プロジェクトの目的を振り返る
VENECTでは、KPT法にプロジェクトの目的をすり合わせる項目を追加しています。プロジェクトを進めていくにつれ、本来の目的が何であったか見失ってしまうことはありませんか? 案件を遂行する上で”プロジェクトの目的” はチームメンバーが共通で認識しておくべき最重要事項です。しかし目の前のタスクに集中してしまうがあまり、目的を見失ってしまうことは、誰にでも起こりうることなのです。またプロジェクトを進めていくと、役職や立場により、目的に対する解釈の違いが出てしまうこともあります。チームメンバーで目的を正しく理解出来ていたか、また、どのような解釈のズレが生じてしまったのかを認識するために、振り返りの第1ステップとして、Objective(プロジェクトの目的を振り返る)項目を追加しました。
KEEP:プロジェクトを通し、今後活かせることは?
(5分各自でまとめ、10分でディスカッション)
KEEPでは、実施してよかったことや、今後も継続して実施していきたいことをディスカッションをします。先にKEEPをディスカッションすることにより、ポジティブな雰囲気で次のProblemの項目に進むことができ、その後のディスカッションでも、皆が発言しやすいというメリットもあります。
PROBLEM:問題点の原因について話し合う
一方でProblemでは、失敗したこと、これから改善していきたいことを書き出し、ディスカッションします。ディスカッションの部分で、問題点のグルーピングをし、プロジェクトの問題点・原因をひと言で表します。こうすることで、プロジェクトの問題点が明確となり、プロジェクトメンバー以外の人達への共有もスムーズになります。例えば、前回でた問題点を分析し、一言に表したものは以下です。「QCを向上させるためにも、Goalのイメージとプロセスの共通認識が足りなかった(永遠の課題)」
TRY:プロジェクト内でもっと挑戦できたな、したいなと思えること
そして、TRYではプロジェクトを通して発見した「今後の活動で試したいこと」をディスカッションします。Tryの部分では以下の2つの軸を重視しながら、ディスカッションを行う。KEEPで上がったものを強化し、Problemを改善します。
ACTION:メンバーの前で宣言する
最初(Objective)〜最後(Try)までを見て、明日から行えるアクションプランを作成します。個人レベルのアクションプランを考え、宣言書を作成して終了です。
KPT法を取り入れるメリット
- 参加メンバーから出た意見をその場で、グルーピングし分析まで行える
- シンプルなステップで、何を確認し、何を話し合えばいいのか分かりやすい
- 時間が定められており、効率よく進められる
- 問題が可視化されており、振り返りの内容を共有された他のメンバーも理解しやすい
- ボード上で作業することで集中することで、人vs人ではなく仲間vs問題の構図となる
より効率良くPDCAのサイクルを機能させるためにも、振り返り法の1つである「KPT法」を採用してみてください!