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広告運用と成果計測について

Webマーケティングなど集客施策を行う際には必ず、成果計測がセットになってきます。開始当初は気にならなかったものの、スケールが大きくなるにつれ数字の不整合が起きたり、実態がつかみづらくなることがあります。広告運用者が知っておくべき成果計測の方法と、その仕組みについて簡単に説明したいと思います。

広告媒体の発行するコンバージョンタグによる成果計測

まず初めに考えられるのが、コンバージョントラッキングタグと呼ばれる広告媒体が発行するHTMLタグを利用する方法です。特定の目標アクション(商品の注文や問い合わせなど)を完了したページにこのタグを設置することで、広告をクリックした際に付与されるCookie情報を読み取り成果を計測します。

広告媒体のタグを利用した計測イメージ)


一番簡単な方法で、施策の数が少なければ特に問題も発生しないのですが、施策の数が増えてくると同一ユーザーが複数の広告に接触することが増え、各広告媒体の計測タグで成果を重複して計上してしまうという問題が発生します。

成果重複例)


上記の例ですと、広告A:2件、広告B:3件、広告C:2件と合計7件の成果が計測されますが、実際の成果としては3件となります。代理店側から「コンバージョンが増えました」と報告を受けても広告主としては増えた実感がない、ということがありますが、大体このパターンではないでしょうか。

第三者配信ツールを利用した計測

前段の成果計測の重複ですが、解決する方法の一つに第三者配信ツールを利用する方法が挙げられます。全ての広告が第三者配信サーバーのリダイレクトURLを経由することで、どの広告媒体を経由しても同じサーバーにcookie情報を集約でき、複数の広告媒体の成果を一元管理することが可能となります。

第三者配信ツールによる計測イメージ)


また、どの媒体から成果に繋がったかの重複を排除した数値だけでなく、広告接触ベースで初回接触、中間接触、間接接触(アシスト)といった初回訪問や再訪問、アトリビューションモデルを利用した広告の貢献度などを計測することが可能となります。ただし、導入コストが大きく、ランニングコストも発生します。また、データフィード広告やアフィリエイトなどランディングページのURLが予め決定できない広告については、リダイレクト方式での対応が難しくなります。その際は、パラメータを付与したURLから情報を吸い上げ、データを統合する形で対応することが多いようです。

アクセス解析(Google Analytics)を利用した計測

広告媒体や、第三者配信ツールを利用した計測だけでなく、アクセス解析を利用した計測も可能です。広く使われている Google Analytics の場合、広告経由のURLに特定のパラメータを付与することで、参照元とメディア情報の名称を任意に設定することが可能になります。

カスタムキャンペーン – アナリティクスヘルプ URL:https://support.google.com/analytics/answer/1033863?hl=ja&ref_topic=1032998

これにより、最終接触ベースの成果だけでなく、初回接触やアシスト数、アトリビューションモデルを利用した貢献度の評価などが可能となります。第三者配信ツールを利用した際のアトリビューションモデルでは広告経路ごとの評価が可能なのに対し、Google Analyticsでは自然流入を含む全経路の評価として計測することになります。

例)第三者配信ツールとGoogle Analyticsのスコアの違い(均等割り)


上記の例ですと、第三者配信ツール上の広告Aの評価は0.33、広告Bの評価は0.66となりますが、Google Analytics 上のスコアは広告Aが0.20、広告Bが0.40となります。広告媒体ごとのCPAの算出であれば第三者配信ツールのデータの方が活用しやすいと思いますが、全体像の把握は当然ながら Google Analytics の方が向いています。

※ルックバック期間の定義の差などでも異なりますがここでは考慮していません

それぞれのメリット・デメリット

今まで挙げた計測方法には当然、メリットとデメリットがあります。簡単な比較を下記の表にまとめました。


集客も分析も、開始前にある程度方針を決めておくことでその後の運用がスムーズになります。それぞれの仕様や特徴を理解した上で、導入や運用のリソース、将来的なアウトプット、施策へのフィードバックなどを考慮して手段を選択していく必要があります。軽視してしまいがちな分析計画について、改めて考えるキッカケとなれば幸いです。

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