こんにちは。RightDesignInc.です。
今回は、当社で学生インターンを経験した2名のメンバーにお話を聞きました。
ひとりは美大でグラフィックデザインを学ぶ男子大学生、もうひとりは文系の一般大学で社会学を学ぶ女子大学生。バックグラウンドの異なる二人が、ブランディングやデザインの現場に飛び込み、何を感じ、どんなことを学んだのか。メンバーの一員として一年以上関わった彼らのリアルな体験記をご紹介できればと思います。
学生インターン紹介
🙋♂️高野さん(写真 左)
多摩美術大学グラフィックデザイン学科。4年次の在学中にインターンとして在籍。現在は博報堂プロダクツ所属。企業のブランディング案件からイベントのキービジュアルまで幅広く担当。コーヒーのデザイン案件で、インドネシア出張にも同行。
🙋♀️星野さん(写真 右)
一橋大学社会学部社会学科。2年次冬〜インターンとして在籍中。化粧品案件や新卒採用ブランディングなど、自身の視点を活かせる多様なプロジェクトに参加。リサーチから資料作成、弊社広報まで幅広く担当。会社として視察に訪れたオランダ・Dutch Design Weekにも同行。
インターンとして関わりだした当初はどのような気持ちでしたか?
高野: 僕の場合は美大在学中で、当時はデザイナーとアートディレクターの違いもわかっていませんでした。そこで、現役のアートディレクターや先輩方と実際にデザインの実務に少しでも入りこめる環境に魅力を感じました。大学では自分の表現を探求することが中心で、大人数でひとつの課題に取り組む経験がなかったので、チームでデザインすることを学びたいと思ったんです。
美大では学べないリアルなデザインプロセスを、まさに当事者として経験できることに興奮していました。リサーチから実装の段階まで、チームの一員として集団で思考を進めていく方法を知ることができて、これまでとは全く違う視点でデザインを捉えられるようになりました。
星野: 私は、大学のゼミの授業で京都府京丹波町の地方創生に携わっていて、その時ちょうど町のタウンプロモーションを担当していたRightDesignInc.と出会いました。文系学部生の私は、アルバイトでCanvaを少し触ったことがある程度の状態でデザインの分野を本格的に学んだことはありませんでした。
初めて社員の皆さんにお会いしたときは、モノづくりの圧倒的なスキルと、人としての温かさに心を打たれ、「長期インターンをさせてください!」とお願いしたのが、すべての始まりです。
初めて触れるものばかりで、本当に新鮮な毎日でした。オフィスも大学生が普段訪れない麻布十番(現在は表参道に移転しています)の町、デザイン本に囲まれた環境、検証された何かが机や窓などに散乱している様子、すべてが新しい世界でしたね。「何もできなくて当たり前なので、なんでもすぐ聞いてほしい!」と言っていただいたので、とにかく質問しまくる日々でした。
麻布十番オフィス(旧オフィス)での一日
印象に残っているプロジェクトや業務があれば教えてください。
星野: 私は化粧品のパッケージ開発、新卒採用のブランディング、中学受験系サービスのUI/UXデザインなど、自分のバックグラウンドを活かせる案件にアサインしてもらうことが多かったです。初めは未経験の自分が言える意見などないと思っていましたが、この歳の女性のトレンドや自分の受験期の体験など立場や視点を変えていくことで、プロジェクトの前進に貢献できるかを常に考えながら仕事をしていました。具体的には、リサーチ業務や資料作成がメインで、後半はクライアントとのミーティングでも発言させていただく機会が豊富にありました。
丸紅株式会社 採用Instagramのクリエイティブディレクション
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星野: クライアントワーク以外では、広報としてnoteの執筆を担当していました。RightDesignInc.が携わってきた案件について記事をまとめる仕事で、プロジェクトメンバーに話を聞き、過去の提案資料を遡りながら、プロジェクトに込められた想いやプロセスがリアルに伝わる文章を心掛けていました。どこまで詳しく説明するか、どういう言葉を使うと出来上がったデザインの魅力を形容できるのか、記事を書くのは思った以上に難しく、何度も苦戦しました。RightDesignInc.には編集のプロの方も所属していて、繰り返し添削していただき、「誰が見るか」に合わせて伝え方を設計する力と、自分で仕事を主導するという経験を得ることができました。
高野: 最も印象的だったのは京丹波町のクリスマスマーケットのお仕事です。タウンプロモーションの一環として、イベントの立案から運営・集客まで、デザインを起点としながら幅広い領域をRightDesignInc.で行っており、僕はキービジュアルのデザイナーを担当しました。告知の素材から当日の装飾まで一貫して担当し、自分で作ったものが目の前で展開され、京丹波の役場の皆さんや当日のお客さんの反応がこんなにダイレクトに見れる体験は、本当に貴重でした。打ち上げで町長さんとも会話して、なぜか思わず泣いてしまいました。
京丹波町 クリスマスマーケット
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高野: あとは、「青森びいき」という青森のファンクラブを立ち上げる案件も印象的でした。学生でありながら社員の皆さんと一緒に青森の現地へ足を運び、県庁の方やコミュニティ運営会社の方達と膝を突き合わせて議論できたことは、今考えても信じられない貴重な経験でしたね。
青森県公式ファンコミュニティ「青森びいき」
お二人はどちらも海外出張にも行きましたね。
高野: はい、インドネシアのコーヒーチェーンの案件で、リサーチのために実際にインドネシアに連れて行ってもらいました。インターンでインドネシアって行けるものなんですね(笑)。50件弱のカフェの視察をするために、事前にスケジュールや順路を立てて、当日は現地の写真をバシャバシャ撮って、Figmaで「空間」「商品」「接客」「グッズ展開」「飲食体験」「SNS」など写真とテキストでまとめていきました。現地のクラブやアパレルショップなどカルチャーにも積極的に触れにいく姿勢も、RightDesignInc.らしいなと思いました。
インドネシア視察の様子
星野: 私はメンバー全員参加のオランダ研修に同行させていただきました。毎年開催されるDutch Design Weekというデザインの祭典に参加し、各国から集まるデザインやアートに触れ、1日30,000歩近く歩きました。オランダの食や街並みなど文化を体感して、とにかく刺激的な5日間でした。オランダではデザイナーやアーティストだけでなく、いわゆる一般市民も一緒に街全体で盛り上がっており、「自分はデザイナーじゃないから...」と一歩引いてしまっていた姿勢を反省する機会にもなりました。
オランダ研修の様子
自分にとって一番大きな変化は何でしたか?
高野:最も大きかったのは、他人のためにデザインすることを経験できたことです。仕事としてデザインを行う場合、決定権はクライアントにあり、その先にはさらに消費者がいます。例えば、デザイナーにとってロゴひとつをデザインするだけの仕事でも、クライアント内部の担当者たちはそのロゴとずっと付き合っていくわけで、拠り所となっていくシンボルになります。また、消費者にとってもそのロゴは、サービスや商品を利用するかどうかを決める大きな要素となります。
そのため、デザインを決めるのにも、1人の視点ではなく、様々な立場の人の意見を取り入れながら、コミュニケーションを重ね、検証を重ねて作り上げていく必要があります。
これも美大ではなかなか学べなかったポイントで、インターン前は自分のいいと思うデザインを通したい、という気持ちが強かったのに対し、インターンを通してより多くの人が喜んでくれるデザインを作りたいというスタンスに変化していきました。
星野:「大学生にはできない経験をさせてもらった」ことが、私にとって最も大きな学びでした。
プロジェクトでは、社員の皆さんと同じ目線で意見を出したり、社内定例では経営的な視点の会話に参加させてもらうこともあって、会社の一員のように関わらせてもらっていた実感があります。
正直、入社したての頃は何もうまくいかず、ほとんど役に立っていなかったと思います。1つひとつ経験を重ねていく中で、どうすれば貢献できるのかが1年経ってようやくわかってきました。
デザインは、絵を描くことではなく、物事を整理し、本質を見極め、伝わる形に落とし込むための思考そのもので、デザイナーでない私にも使える技術にあふれていました。Figmaの簡単なデザイン修正や動画編集にも、自然と手も動かすようになっていました。
余談ですが、RightDesignInc.での経験は、就活の際にもとても役に立ちました。面接でRightDesignInc.での長期インターンの体験記を話すと面接官の方に驚かれたことも多かったです。
チームの環境はいかがでしたか?
高野: 前に立つ経験はたくさんさせていただきつつ、いろんなバックグラウンドの尖った先輩方がいつでも横にいてくれる環境だったのも、安心しながら働けた大きな理由でした。この経験は、広告制作会社で働く今でも生きていて、プロデューサー的な視点を持ってチームの中で自分が何をするべきなのか、主体的に考える姿勢につながっています。
会社の合宿にも参加させてもらい、様々な意見が飛び交う中で、僕は「ピュアに表現の追求を行う時間が欲しい」という付箋を貼りました。後日、一日MTGを一切入れずに、メンバー全員で様々なデザインの技法や美意識を観察し、プロセスを分析し、実験的に純粋な表現の武器を増やしていく試みとして「クラフトデイ」という日が実施されました。インプットのための実験的な取り組みにも寛容で、なんでも「ちょっとやってみよう」が形になるスピード感もRightDesignらしさだと感じています。
クラフトデイの様子
星野: 皆さん本当に素敵な方々で、仕事で上手くいかず悩んでいる時も温かく接していただいたことに心から感謝しています。仕事が上手く行った時は「よかったぞ!」と連絡をくださったり、ご飯に連れて行っていただいたり、時には夜遅くまで人生相談を聞いてくださったりと、これまで「正解のある世界」で勉強を頑張ってきた自分が、「問い続けること」の大切さに触れて、自分の生き方についても考える機会が多くありました。
最後にこれから働かれる方にメッセージをお願いします!
星野: 正直楽な仕事だけではないと思います。難しい仕事・大変な仕事を任せていただき、責任を感じることもあったとは思います。ただ、必ず社員や業務委託の皆さんがサポートしてくれ、「失敗しても良いからチャレンジしよう!やってみよう!」と言ってくださる環境です。同時に、こんな大人になりたいと思える、情に厚く、向上心に溢れ、常に上を見続ける大人と出会える機会にもなると思います。少しでも成長したいと思っている方に、是非チャレンジしてほしいと思います。
高野: デザイナーとして社会を動かしていきたい人が学ぶ場としてこれ以上ない、チャンピオンロードのような場所だと僕は思っています。美大では学べないリアルなデザインプロセスを、実際のクライアントワークを通じて経験できる環境は本当に貴重です。新たな才能が生まれるのを楽しみにしています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
RightDesignInc.は、まだ小さなチームです。
その分、ひとりひとりの裁量が大きく、挑戦がすぐに形になる環境があります。
変化の時代に、自分の手で「考えて、つくる」ことに興味がある方は、ぜひお気軽にご応募ください。
デザイナーやPM希望の方、学生インターンも歓迎しています。まずは応募いただきぜひお話ししましょう。