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今後のInstagramはフィード投稿よりもリール?270万件以上の投稿データで検証!

※会社HPのコラムより全文転載※

国内で3,300万人(2019年3月現在)ものアクティブユーザー数を誇るInstagramは、日常生活や旅行先での一枚を共有する写真投稿SNSとしてスタートしました。その後、機能の拡張やサービス向上により一般ユーザーだけでなく、多くの企業がアカウントの運用を開始し、今やビジネスシーンにおけるマーケティングツールとしても欠かせない存在となりました。

テテマーチはInstagram分析ツールの「SINIS(サイニス)」(※)を運営しています。

そこで登録されたアカウントにて“2022年6月16日以降、急激にインプレッション数が減少する”という現象が確認されました。実際に最近のInstagramについて“以前よりもフィード投稿のインプレッション数が下がる”、一方で“リールの存在感が上がっている”という傾向を感じている人も多いのではないでしょうか。

今回はこれらの現象についてその真偽を確認すべく、テテマーチにて独自調査を行いました。本記事ではその調査結果をお伝えします。

※「SINIS(サイニス)」は、Instagramアカウントのフォロワー数や投稿への反応数などのデータを閲覧、分析できるSaaSツール
https://sinis.jp

目次
  1. フィード投稿のインプレッション数が下がっているのは本当か?
  2. リールの存在感が上がっているのは本当か?
  3. まとめ

フィード投稿のインプレッション数が下がっているのは本当か?

今回の調査は、「SINIS(サイニス)」に登録されたInstagramアカウントのデータを用い、以下のように前提条件を揃え(①)かつ十分な母数を用意し(②)、実施しました。

<調査概要>
①調査条件(対象となるアカウントの抽出)を統一

「SINIS(サイニス)」に登録されているアカウントのうち、下記の条件に当てはまるアカウントのフィード投稿のデータを抽出
“2021年9月〜2022年8月までの各月に、それぞれ1件以上のフィード投稿を投稿しており、かつ、そのデータが「SINIS(サイニス)」で問題なく取得できている”
※上記のような絞り込みを行ったため、各月で集計対象となるアカウントが大きく変わることは無かった。よって集計対象となるアカウントが入れ替わったことによるデータへの影響は小さいと思われる。

②集計対象投稿数は約270万件


結果は?

結論、フィード投稿のインプレッション数は下がっていることがわかりました。

根拠は以下の、「SINIS(サイニス)」に登録しているアカウントの、フィード投稿のインプレッション数の合計・平均の推移のデータです。なお、各データのソースは共通であり、集計期間を変えたものを表示しています。

<根拠データ①>月次推移

※グラフの横軸・縦軸で示しているデータは以下
・横軸:フィード投稿の投稿月
・縦軸(左軸):インプレッション数_合計値
・縦軸(右軸):インプレッション数_平均値
※2,757,626件の投稿データを集計(月ごとにまとめたデータを使用)

月次推移を見ると、2022年3月から【インプレッション数の合計値】【インプレッション数の平均値】のどちらも徐々に減少し始め、特に2022年5月から6月にかけて急激に減少していることがわかります。

<根拠データ②>週次推移

※グラフの横軸・縦軸で示しているデータは以下
・横軸:フィード投稿の投稿週
・縦軸(左軸):インプレッション数_合計値
・縦軸(右軸):インプレッション数_平均値
※2,762,361件の投稿データを集計(日ごとにまとめたデータを週に変換)

週次推移を見ると、3月半ば頃(2022年12週頃)から【インプレッション数の合計値】【インプレッション数の平均値】は、一度大きく下落します。特に【インプレッション数の合計値】は、このタイミングをきっかけに、【インプレッション数の合計値】が150,000,000を下回るようになっています。また、週次でデータを見ても、やはり5月〜6月(2022年19週〜27週頃)で急激にインプレッション数が落ちていることがわかりました。

<根拠データ③>日次推移

※グラフの横軸・縦軸で示しているデータは以下
・横軸:フィード投稿を投稿した日付
・縦軸(左軸):インプレッション数_合計値
・縦軸(右軸):インプレッション数_平均値
※2,751,253件の投稿データを集計(日ごとにまとめたデータを使用)

日次推移を見ると、【インプレッション数の平均値】は、3月4日の投稿を機に徐々に下がっていき、その後は、最も平均値が高い時でも3月4日以前の値を超えなくなっていることがわかります。また【インプレッション数の合計値】も、3月から徐々に150,000,000を下回る傾向が見え始め、5月後半〜6月にかけて100,000,000近くまで下落しています。

なお、日別のグラフに短い周期で表れる小さな波は、曜日が要因です。

月曜日〜金曜日にかけてインプレッション数が減少し、土日にインプレッション数が増加する傾向があるようです。

月・週・日ごとでインプレッション数のデータを見ていきましたが、全てにおいて、徐々に“フィード投稿が減少している”という傾向が見られました。ここまでの調査の結果、フィード投稿のインプレッション数は下がっているのは本当であると言えるでしょう。

リールの存在感が上がっているのは本当か?

最長90秒(2022年9月現在)の動画コンテンツをフォロワー以外のユーザーにも届けることのできるリールは、高い拡散力が魅力です。同じ動画投稿のストーリーズとは異なり、24時間経っても消えずに残り続けることや、フィード投稿としてタイムラインに表示されるなどといった特徴があります。

Instagramにて、このリールの存在感が増していると感じている人も多いかと思いますが、真偽はどうでしょうか。

結論から言うと、だと言えるでしょう。

理由としては以下の2つです。

情報①

『リールに力を入れ、日々アルゴリズムの調整をすることでさらなる飛躍を目指している。』ことをMeta社が自ら明言しました。

リールのインプレッションが伸びやすい市場環境になっていると考えられます。

※参照『https://www.instagram.com/p/Cck9Do_gOPH/

情報②

2022年6月22日には『Meta社はリールのクリエイターに対しての(再生回数などに応じた)インセンティブの還元率を高めることにより、クリエイターの獲得を強化している。』と明言しています。今後もリールの存在感が増していくことは明らかでしょう。

※参照『https://www.facebook.com/creators/expanding-ways-creators-earn-money-on-facebook-and-instagram

また上記に加え、以下のような機能やアルゴリズムの変更・テストが実施されている可能性も考えられます。

1.キーワード検索などを行なうと、検索結果画面で最初にリールが表示される

2.フィード内でのリール投稿の出現率が上がる

これらを筆者の個人アカウント5つで確かめたところ、以下のような結果になりました。(『Instagramのレコメンドアルゴリズムの特性』により、このように表示されている可能性もあるため、あくまでも一例です。)

1.キーワード検索などを行なうと、検索結果画面で最初にリールが表示される

同一キーワードの検索結果の、上位3つが全てリールになっていました。

2.フィード内でのリール投稿の出現率が上がる

おすすめ投稿として出てきた投稿が、全てリールになっていました。

また、おすすめ投稿をスクロールすると出現する「投稿一覧表示」が全てリールになっていました。以前は、自身がフォローしている人のストーリーズがこの形式で表示されていましたが、今はこのリール投稿一覧表示に差し替わっています。

上記のような変更・テスト実施の可能性はあくまでも仮説ですが、Meta社の発言(情報①)と、現時点で報じられているMeta社の動き(情報②)から推察するに、リールの存在感が増していることは本当であると言えそうです。

まとめ

近年、Instagramのアップデートは活発的になっています。2022年3月には、フィードで「お気に入りのユーザー」「フォローしているユーザー」の投稿のみを表示できるようになり、4月には、オリジナルでない投稿(リポスト投稿)はInstagramからの評価が下がることが発表されるなど、よりオリジナリティのあるコンテンツが優遇されるようになっています。

これは裏を返すと、競争力、独自性・オリジナリティのないコンテンツはインプレッションが伸びづらくなるということになります。

一方でリールは今後ますます伸びていくことが予想されます。しかし、ただリールを流せば良いというわけではなく、フィード投稿同様にリールにも競争力、独自性・オリジナリティが求められます。そのため、Instagramのアルゴリズムをしっかりと理解した上での運用戦略は欠かせないでしょう。

リールがビジネスにおいてどのような成果を生むのか、なぜ戦略が必要なのかについて、詳しくは次回の記事で詳しくご紹介いたします。


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