taskey株式会社は「21世紀、世界でもっとも読まれる物語を生み出す。」をVISIONに掲げる、デジタル特化でノベルやマンガなどのIP創出を手がけ、自社メディアであるpeepを運営開発するメディア・エンターテインメントカンパニーです。
多様な作品を世に送り出し、急成長を続ける弊社。その成長の裏側には、作品を生み出す「編集」と、それを読者に届け市場を動かす「セールス」の強力な連携があります。今回は、制作を統括するスタジオ事業部を率いる許斐さんと、出版営業・マーケティング領域を担う相澤さんの両執行役員による対談を実施。一般的なイメージとは一線を画すtaskeyセールスの役割や編集とのリアルな連携、仕事のやりがいについて語っていただきました。
許斐 亜斗 / 執行役員 スタジオ事業部統括 兼 HR本部長
船井総合研究所にてコンサルティング業務に従事した後、2019年にtaskey株式会社へジョイン。当初は原作開発チームにて小説等の制作を担当。現在は制作部門であるスタジオ事業部(編集部)全体の統括と、人事領域を管掌するHR本部の責任者を兼任。
相澤一樹 / 執行役員 出版営業・マーケティング担当
広告代理店にて漫画関連クライアントのプロモーション等を担当後、2019年にtaskey株式会社へジョイン。当初は『peep』のプロダクトマネージャーやプロモーションを担当し、その後、漫画事業及び営業部署の立ち上げを経て現職。現在は執行役員として、作品の販売戦略、電子書籍プラットフォームへの営業、マーケティング領域全体を統括。
「売る」だけじゃない。データと分析で市場を切り拓くtaskeyセールスの役割
ーーまず、taskeyにおけるセールスチームの役割やミッションについて教えてください。
相澤:セールスチームの一番の役割は、社内で制作された漫画作品を、電子書籍プラットフォーム(以下、書店)を通じて読者に届けることです。特徴的なのは、単に作品を「売る」だけでなく、「どうすれば作品価値が最大化し、読者に最も良い形で届けられるか」を考え抜き、実行する点です。
セールスチームの営業というのはいわゆるテレアポや飛び込み営業といった一般的な営業ではありません。作品の中身や世界観を深く理解し、編集者と対話しながらその魅力を言語化し、それを書店さんに伝えることです。
そして、数多くある作品の中でいかに書店さんに注目していただき、私たちの作品を最適な形でプロモーションしてもらうか、そのための交渉や調整を行います。
ーー書店さんとの交渉や調整とは、具体的にどのようなことでしょうか?
相澤:例えば、「独占先行配信」という取り組みがあります。特定の書店で作品を先行配信する代わりに、書店内でプロモーションしていただく座組みです。書店さんは魅力的な作品でユーザーを惹きつけられ、私たちは作品のヒットに繋げやすくなります。
どの作品を、どの書店と、どんな条件で組むのがベストか。これを判断するには、各書店のユーザー層や売れ筋傾向、プロモーション戦略などを深く理解する必要があります。作品特性と書店戦略が合致し、お互いにとってWin-Winとなる関係性を築くため、日頃から書店さんとの密な情報交換や関係構築が求められます。
ーー市場の分析も重要になりそうですね。
相澤:はい。電子書籍の販売データを詳細に分析し、戦略に活かすことは私たちの重要な役割です。また、広告展開も重視しており、制作段階から「広告でヒットする構成」を編集チームと連携して考えることも、私たちの強みと言えます。データに基づいた戦略と、ヒットを意識した作品作り。この両輪を意識しています。
許斐:セールスが得る市場トレンドや生の情報は、編集チームの企画や方向修正に不可欠なインプットです。彼らの分析力は、市場に合った作品作りに不可欠ですね。
ヒットを生み出す最強タッグ。編集×セールスのリアルな連携体制
ーーセールスからの情報が、編集の作品作りに活かされているのですね。編集とセールスは具体的にどのように連携しているのでしょうか?
許斐:非常に密に連携しています。市場トレンドの共有は日常的に行われていますし、特に重要な連携の場が「先行書店会議」です。これは、リリースする作品をどの書店でどう先行配信するのがベストかを決定する会議で、セールスメンバーと担当編集者、編集長などが参加します。
相澤:編集チームは作品の魅力や届けたい読者像を、私たちセールスチームは販売戦略や書店ごとの特性を踏まえた意見を持ち寄ります。それぞれの視点から議論を重ね、その作品にとって最も効果的な販売戦略を共同で意思決定します。
ーーセールスと編集が一緒に販売戦略を決めるのは珍しいのですか?
相澤:そうですね。他の出版社さんでは、編集部か営業のどちらかだけで決めることが多いと聞きます。私たちは、作るプロである編集と、届けるプロであるセールスが、知見を持ち寄り一緒に決めることに価値があると考えています。
許斐:一緒に決めるからこそ、結果に対する当事者意識も高まります。うまくいけば共に喜び、そうでなくても「なぜそうなったか」「次はどう改善すべきか」を建設的に話し合えます。この振り返りプロセスも合同で行うことが多いですね。
ーー日常的な情報共有も活発なのですね。
許斐:はい、情報の透明性が非常に高い会社です。セールスチームが毎日、全作品の売上データをまとめて全社共有してくれるので、編集者もすぐに市場の動きや自社作品の状況を把握できます。データがオープンなことで、部署を問わず様々な分析や議論が生まれやすいです。
相澤:月一度は「販促報告会」という合同ミーティングで、売上サマリーや市場トレンド、作品トピックスを共有し、次の施策に繋げます。
許斐:週次の制作進捗会議や、月次の新規作品企画会議にもセールスメンバーが参加し、市場の声を反映させています。日常的なコミュニケーションから重要な意思決定まで、あらゆる場面で編集とセールスが連携し、目線を合わせて動いています。物理的な距離も近く、部署の垣根はほとんど感じません。みんなで「どうすればもっと読まれるか」「どうすればヒットを生み出せるか」を常に考えているチームですね。
作品愛が原動力。taskeyセールスならではの面白さとやりがい
ーー編集チームとの密な連携が特徴とのことですが、セールスメンバー自身の業務内容について、もう少し詳しく教えていただけますか?
相澤:はい。主な業務は、担当書店の動向や市場全体のトレンド分析、データに基づいた販売戦略の立案と実行、書店への提案交渉、キャンペーン企画・効果測定など多岐にわたります。
優れた営業担当が自社サービスだけでなく競合にも詳しいように、私たちも自社作品への深い理解はもちろん、市場でヒットしている競合作品への理解が欠かせません。ですから、どの作品がなぜ売れているのかを理解するため、ヒットしている競合作品を実際に読み込み、ストーリー、キャラクター、絵柄など様々な角度からヒット要因を分析します。まさに、セールスでありながらマーケティングの視点も求められる、面白い仕事ですね。
ーー分析から戦略立案、実行まで一貫して関わるのですね。
相澤:そうです。分析から得た仮説をもとに、「この作品なら、この書店でこういうキャンペーンが効果的だ」といった具体的な施策を企画し、書店さんと交渉して実行します。キャンペーン実施後もデータを詳細に分析し、効果を測定。「このやり方が最も効果的だった」というベストプラクティスを見つけ出し、チームで共有して次の施策に活かします。この分析から実行、改善までのPDCAサイクルを回していくことが、作品をヒットに導く鍵であり、この仕事の面白さでもあります。もちろん、練り上げた戦略が実を結び、作品がヒットした時の喜びは格別ですよ。
許斐:セールスチームは、編集が生み出した作品をいわば「育てていく」役割を担ってくれています。どのタイミングで、どんな施策を打てば作品のポテンシャルを最大化できるか。それをデータと市場感覚に基づいて考え抜き、実行してくれる、頼もしい存在です。
ーー多岐にわたる業務があるのですね。具体的に、セールスメンバーは1日をどのように過ごしているのでしょうか?
相澤:日によって変動はありますが、一例として流れをご紹介しますね。弊社はフレックスタイム制(コアタイム11:00~18:00)を導入しており、多くのメンバーは10時半から11時頃に出社します。
- 10:30~11:00:出社。まず前日の全作品の売上データを確認し、変動要因(急に伸びた作品、伸び悩んだ作品など)を分析します。
- 午前中:分析結果を踏まえた資料作成(会議用、提案用など)や、担当書店さんからのメール・Slackへの対応を行います。
- 13:00~14:00:昼休憩
- 午後:この時間帯に社内外のミーティングが入ることが多いです。
- 社内:編集チームとの「先行書店会議」(月1~3回程度)や週次の定例進捗会議、営業戦略会議など。
- 社外:担当書店さんとの定例ミーティングや、施策に関する打ち合わせなど。
- ミーティング以外の時間:引き続き書店さんとのコミュニケーション(メール・Slack中心)、キャンペーン戦略の立案・資料作成、トレンド分析などを行います。
- 18:00~19:00以降:退社。日によっては書店さんとの会食が入ったり、翌日の準備をしたりすることもあります。
このように、分析、戦略立案、社内外とのコミュニケーション、資料作成といった業務をバランス良くこなしていくイメージですね。
ーー仕事のやりがいについてはいかがでしょうか?
相澤:やはり一番は、チームでヒット作品を生み出せた時の達成感です。作家さんや編集者が魂を込めて作った作品を、セールスが戦略を練って届け、読者に支持される。このプロセスに全員が関わっているからこそ、成功の喜びも大きいです。
もう一つは、作家さんへの貢献を実感できることです。私たちが手がけた作品がヒットし、新人作家さんがランキング1位を獲得したり、専業漫画家として生活できるようになったりする瞬間に立ち会えるのは、この仕事ならではの大きなやりがいです。作家さんの才能を後押しし、成功への道を一緒に歩めるのは素晴らしいことだと感じます。
許斐:作家さん、編集者、セールス。みんなで一つの目標に向かって進み、成果を出す。この一体感がtaskeyの魅力であり、大きなやりがいだと思います。
ーー求められるスキルやマインドについてはいかがでしょう?
相澤:スキルでは分析力と仮説構築力が重要です。データを読み解き、市場を捉え、戦略を立てる力が求められます。ただそれ以上に、まず「エンタメが好き」という熱意が大切です。作品を深く読み込み、面白さを自分の言葉で語れること。そして、チームで成果を出すことを楽しめる協調性。多くの人と関わるため、相手の立場を理解し円滑なコミュニケーションを取ることも重要です。あとはオープンな姿勢ですね。自分の意見を持ちつつ、周りのフィードバックも素直に受け入れ、より良い方法を模索する。そんなマインドの方が活躍できると思います。
チームでNo.1へ。私たちが目指す未来と求める仲間
ーーセールスチームの体制や雰囲気についても教えてください。
相澤:現在、セールス専任は3名、入稿などをサポートするアシスタントが5名の計8名チームです。映像化などを担当するライツ事業部も同じ部署内にあります。雰囲気は非常にフラットで、部署の垣根はありません。年次や役職に関係なく意見を言い合え、困った時は自然に助け合う文化があります。
許斐:社内には部活動もありますし、仕事終わりにボードゲームをしたり、部署を超えて仲が良いメンバーが多いですね。
ーーでは最後に、taskeyセールスチームが目指す今後のビジョンと、どんな方に仲間になってほしいか、メッセージをお願いします。
相澤:セールスチームの目標は「すべての作品の認知と売上を伸ばすために、情報とナレッジの“港”になる」ことです。つまり、書店の売れ筋や市場のトレンド、そして社内の作品に関する知見といった様々な情報が私たちのもとに自然と集まり、それを整理して、また新たな価値として各所に届けていくハブのような存在でありたい、ということです。社内のスタジオチームには売れる作品のためのデータ分析結果や書店情報を、書店さんへは作品の魅力や読者データをお伝えし、社内外問わず質の高い情報を連携するチームを目指しています。
中長期的には、マンガ発のヒット作品をさらに映像化、特にアニメ化へと繋げ、グローバル展開を加速させたいです。
許斐:これらの目標は一人では達成できません。だからこそtaskeyは「チームで戦う」ことを大切にしています。セールスチームも編集チームなどと一丸となり、作品価値を最大化し、大きな目標に向かいます。
相澤:ですから、私たちが一緒に働きたいのは、まずエンタメが好きで、その魅力を広めることに情熱を持てる方。そして、データや市場分析に面白みを感じ、ロジカルに戦略を考えられる方。さらに、個人の成果だけでなくチーム全体の成功を喜び、周りと協力できる方ですね。
許斐:taskeyは成長途中の会社で、裁量も大きくチャレンジ機会も豊富です。既存のやり方にとらわれず、主体的に考え行動できる方には刺激的な環境だと思います。
エンタメが好きで、チームで大きなことを成し遂げたい、そして自分も成長したい。そんな熱い想いを持った方と、ぜひ一緒に働きたいです。taskeyの編集とセールスの融合されたユニークなビジネスモデルに少しでも興味を持っていただけたら、ぜひお話を聞きに来てください。