バックオフィス全般を担うだけでなく、海外法人の立ち上げやISO27001などの情報セキュリティ規格の認証取得など、多岐にわたる業務を担うコーポレートデザイン部。
部門の特徴や、進化する社内ルールブック、情報セキュリティ規格取得の意義、そして当社がお客様から選ばれる理由について、コーポレートデザイン部マネージャーの山下 浩平と太田 眞由美に対談形式で語ってもらいました。
幅広い業務を担うコーポレートデザイン部![]()
——まずは自己紹介と、コーポレートデザイン部の特徴の説明をお願いします。
山下:ストリートスマート コーポレートデザイン部 マネージャーの山下です。バックオフィス業務を中心にキャリアを積み、2022年にストリートスマートに入社。現在は当部のマネジメントを担当しています。
太田:同部の太田です。創業から間もない2012年に1人目の社員として中途入社し、主にバックオフィス業務や海外法人の会計業務などを担当しています。
私が入社した当時、メンバーはなんと代表取締役の松林と私だけ。本当に何もない状態からのスタートでした。業務の流れすら全く決まっていなかったので、他社の方にアドバイスをもらいながら、制度や仕組みを形にしていく日々でしたね。
メンバーが少なかった時期は口頭ベースや暗黙の了解で進んでいた業務も多かったですが、今では制度やルールがしっかり言語化され、はっきり明示されています。
社風に関しては、「挑戦」や「変化を楽しむ」という姿勢があり、私が入社した創業当時からずっと変わっていないと感じます。
山下:そうですね、変化を楽しむ姿勢が根底にあるからこそ、コーポレートデザイン部も変化に強いチームになってきたと思います。
私が入社した時と比べて、コーポレートデザイン部の守備範囲は圧倒的に広がりました。定例のバックオフィスの業務に加え、シンガポール法人の立ち上げ、ISO27001/ISO27017の取得など、一般的な企業のバックオフィス部門ではなかなか経験しないような難易度の高い業務にも挑戦し、形にしてきました。
私のこれまでの経験では対応できない領域が多かったため、苦難の連続でしたが、メンバーの努力や挑戦を後押しする風土のおかげで、なんとか乗り越えることができましたね。
コーポレートデザイン部のマネジメント![]()
——一般的なバックオフィス部署と比べて、幅広い業務を行う当社のコーポレートデザイン部。そのマネージャー職として、どのような葛藤や課題感がありますか。
山下:経理・財務・法務・労務といったバックオフィスのオーソドックスな業務は、前職までに一通り経験してきました。ですので、今もマネージャーとして、ある程度スムーズに意思決定できていると思います。
一方で、Google Workspaceライセンスの販売や、それに関わるお客様の管理運用業務など、これまで私が経験したことのない領域に対して、どのように判断材料を用意し、動きをリードしていくのかが、今の私の課題になっています。
また、マネジメントについて改めて考えるきっかけになったのが、最近松林と食事をした際の会話。その中で特に印象に残っているのが「リーダーシップとマネジメントは違う」という言葉です。「リーダーシップ」とは、未来の方向性を示し、周囲に発信する力。一方「マネジメント」は、その未来を実現するために、どんな体制をつくり、どのような動き方をするのかを考えること。
この言葉を聞き、「メンバー一人ひとりの個性や強みを理解し、それをどう活かしてチームとして機能させるか」それがマネージャーとして大切なことだと感じました。
これまで、部のメンバーには本当に支えられてきました。ときには私のほうが教えられることもあり、自分一人ではマネジメントはできないと実感しています。
だからこそ、マネージャーとしての自分の役割や価値を、もっと明確にしていかなければと感じています。私が大切にしているのは、メンバーが気持ちよく働ける環境を整えること。そのうえで、ときには少し強くリードすることが必要な場面もある。
そのバランスをどう取るのか。それが今の私にとっての課題だと思っています。
社内のオリジナルルールが記載された「ルールブック」![]()
——ストリートスマートには、「ルールブック」と呼ばれる独自の社内規定集がありますね。これは一体どのような内容で、どのように活用されているのでしょうか。
山下:ストリートスマートの「ルールブック」は、労基法に基づく就業規則とは別のもので、働き方や社内制度など、日々の業務の中で迷いやすいポイントをまとめています。たとえば「パソコンが壊れたときの対応方法」や「経費精算の申請ルート」など、実務に直結する細かいルールを網羅しています。
太田:ルールブックには、さまざまな当社独自の制度も記載されていますよね。たとえば、月3回まで出社せずに好きな時間に働ける「フレキシブルデー」や、看護が必要な場合に柔軟に働ける「看護フレキシブルデー」など、ライフスタイルに寄り添った制度があるのが大きな特徴です。
山下:新しく入社したメンバーには、必ずルールブックに目を通してもらうようにしています。ルールブックが整備されてからは、社内ルールについて従業員から「これどうするんでしたっけ?」といった質問をもらうことがかなり減りましたね。今では「まずはルールブックを確認する」という文化がしっかり根づいてきたと感じています。
太田:私もそう思います。また特によかったと感じるのは、産休・育休制度の運用が改善されたことですね。 私が産休を取った当時は、社内に明示されたフローがなく、自分で調べながら社労士と直接やり取りして、各種行政手続きなど手探りで理解していったという感じでした。
山下:それはなかなか大変でしたね……。
太田:本当に(笑)。でも今は、ルールブックに各種手続きの詳細がしっかり載っており、周囲のサポート体制も整っているので、安心して産休・育休制度を利用できる環境になっています。ここまで手厚く案内してくれる会社は、正直あまりないと思いますね。そのおかげもあって、今では産休・育休の取得率は100%です。
山下:メンバーの増加や時代の変遷に合わせて、ルールブックは柔軟に進化してきました。制度を固定するのではなく、会社の変化やメンバーのニーズに合わせてアップデートを続けているところが、すごくストリートスマートらしいなと感じますね。
情報管理への意識を向上した「ISO27001」の取得![]()
——ストリートスマートでは、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格「ISO27001」を取得しています。取得理由や、取得時・更新時に苦労した点を教えてください。
山下:そもそもISO27001を取得しようと思った理由は、取引先の要件が大きく影響しています。ISO27001は「この企業には、情報セキュリティに関する適切な管理体制が構築されている」と対外的に証明できるものです。社会全体で情報漏洩リスクへの関心が高まる中、ISO27001の取得有無は、取引可否の大きな判断基準になっています。
特に最近では、自治体や大手企業との取引の際、ISO27001の取得の有無が重要視されることがかなり増えてきています。だからこそ、私たちも組織として信用度を高めるため、取得に踏み切りました。
太田:ISO27001を取得したことで、外部からの信頼性が高まったのはもちろんですが、社内でも「情報を守る意識」が明らかに高まりましたよね。
山下:そうですね。ただ、審査を受けるのは私たちコーポレートデザイン部だけでなく、社内の全部門。各部門が、自分たちの情報資産の管理状況やセキュリティ運用について把握している必要があります。そのため「どうやって情報セキュリティの意識や知識を部門ごとに浸透させるか」が大きな課題でした。
太田:各メンバーの情報セキュリティへの意識を向上させるのも大変でしたよね。
山下:そうでしたね。さらに大変だったのが、規格の要求事項をどのように社内運用に落とし込むのかのバランスです。たとえば、要求事項をそのまま社内に落とし込むと、承認フローなどが煩雑になり、結果として業務スピードが落ちてしまう。そのため、ストリートスマートとして求められる基準を満たしたうえで、メンバーの業務負荷を軽減できる方法を事務局内で十分に議論し、ルールの設計を工夫しました。
更新のたびに試行錯誤する点はありますが、担当メンバーの努力もあって、今では毎年しっかり更新できる体制が整ってきています。組織としての対応力も、確実に上がっていると感じますね。
お客様に選ばれるのは「信頼を積み重ねたから」![]()
——コーポレートデザイン部が運用するGoogle Workspaceアカウントは、自ら新規営業を行っていないにもかかわらず、年々お客様が増えています。その理由はなぜだと思いますか。
太田:お客様との関わりの中で常に期待値を超えるように意識し、信頼が高まった結果、お客様からご紹介含めて、選んでいただける会社へと成長していったのだと思います。
以前は、Googleライセンスの販売管理において「お客様に寄り添う」という観点から、ある程度のイレギュラー対応を認めていたんです。ただ、その結果としてミスが出てしまうこともありました。今は一つひとつの業務にフローを定め、インシデントごとにルールを決めるようになりました。そうすることで、結果的にミスが減り、顧客満足度も上がったように思いますね。
案件の数自体も多いですし、取り扱うプランの種類も多岐にわたります。どのプランをどのお客様に適用するのかも、かなり複雑です。でも今は、マニュアルも整備されており、お客様管理も全て管理シートで対応できるようになっています。ツールだけに頼らず、更新しやすい構成を組み込むことで、シンプルで高精度な運用ができていると感じます。
山下:ミスが減ったことは、クライアントからの信頼にもつながっていると思います。ご紹介やパートナー経由で案件が増えているのは、信頼の積み重ねがあるからこそだと思います。
前職で、私自身もGoogleライセンスを代理店から購入していたのですが、請求書が届かないなどちょっとしたトラブルがあるだけで、信頼は簡単に崩れてしまうんです。
でも、ストリートスマートでは、毎月きちんとお客様に更新連絡を行っており、請求書や発行物も確実に届けることを意識しています。こうした小さな信頼の積み重ねが、年間契約の更新時にも、お客様から「またお願いしよう」と思っていただける要因になっているのだと思います。
太田:デジタルが進化すればするほど、DX(デジタルトランスフォーメーション)が企業の課題感になっています。Googleのようなクラウドサービスの需要はますます高まり、これからもっと発展していく分野だと思います。だからこそ、信頼されるパートナーとして選ばれる存在であり続けて、より多くの企業のDXを後押ししていきたいですね!
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[執筆・校正]株式会社ストーリーテラーズ 平澤 歩
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