「正直、これまでのインターンとは全く違いました」
——そう話してくれたのは、金沢工業大学のコーオプ教育プログラムの一環で、約2ヶ月間ストリートスマートのインターンに参加してくださった池田さんです。
受け入れ側である代表の松林にとっても、組織のこれからを見据えて「若い感性をチームに取り入れていきたい」という思いをもって臨んだ、初めての本格インターン受け入れでした。
参加前に Google Cloud(TM) の資格を取得し、準備万端で臨んだつもりだった池田さん。しかし、実際の業務で向き合うことになったのは、座学だけでは習得できない「判断の重み」と「成果をつくるための仕事の進め方」でした。
実践的なインターンを通して変わった「働くことへの意識」とは。代表の松林と、対談形式で語ってもらいました。
参加のきっかけと他インターンとの違い
松林(代表): まずは2ヶ月間、お疲れさま。実際やってみてどうやった?
池田: ありがとうございます。正直に言うと……これまで参加してきたインターンとは全然違いましたね(笑)。今までは“体験”とか“講座”が中心だったんですけど、ここでは最初から“現場”に入る感じで。働くことのリアリティがいい意味で違いました。
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——インターン参加条件として提示されていたのは、Google Cloud の認定資格「Professional ChromeOS Administrator」の取得。池田さんは、実務未経験ながらこれをクリアしたうえで、ストリートスマートのインターンに参加しました。
ただ、実際に「仕事」として現場に入ってみると、何度か壁にぶつかったと言います。
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松林:現場に入ってみて、最初に感じたことは?
池田:一番は“ちゃんと通用するのかな”という不安でした。企業の中で自分がどこまで役に立てるのか……。会社のために何ができるんだろうと考えるほど、緊張も大きくて。
松林:なるほど。具体的には、どんなところでつまずいた?
池田:意外と“技術そのもの”よりも、基礎的な「業務の進め方」の部分ですね。 Slackでのやり取りや、Google スプレッドシート(TM)での管理の仕方、報告のタイミングなど…。あと、資格を持っていても“実務は別物だな”と感じました。
例えば、管理コンソールのどこに設定があるかは分かっていても、お客様の要件を踏まえて「じゃあどのポリシーを適用するか」を選ぶのは、単に“知識として知っている”だけではできないんだなと。
「聞くべきか、調べるべきか」の葛藤
──さらに池田さんを悩ませたのは、「質問するかどうか」の判断とのこと。
池田:分からないことが出てきたときに、「これは今すぐ聞いたほうがいいのか、それともまず自分で調べるべきなのか」その判断がすごく難しくて。自分で調べれば解決できることなのか、会社全体のルールに関わることだから必ず聞いたほうがいいのか…。ひとまず自分で考えて、調べて、それでも分からなければ聞く、という流れを何度も繰り返していました。
松林:そこは社会人でも悩むところやね(笑)。 でも、“一度自分で考えた上で聞いているかどうか”って、質問を受ける側には結構すぐ伝わるんよ。
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学生とプロの決定的な違い
──「完成してから共有」ではなく「作りながら共有」
大学での研究や課題と、ビジネスの現場。
その決定的な違いについて、池田さんは「共同作業の進み方」を挙げます。
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松林:大学での活動と、会社での仕事で「ここは全然違うな」と思ったところはあった?
池田:共同編集のスピードと透明性ですね。 大学だと、レポートや課題はある程度自分で形にしてから『できました』と提出することが多いんです。でも、ストリートスマートの現場では、ドキュメントひとつ作るにしても、作りかけの状態からチーム全員がアクセスできる状態で、リアルタイムにコメントや修正が入っていく。 “自分一人で抱え込まずに、みんなで作っていく”スタイルは新鮮で、最初はかなり戸惑いました。
松林:たしかに。リアルタイムのやりとりでいうと、チャット文化とかも、大学とはだいぶ違ったんちゃう?
池田:そうですね。学生同士のLINEのようなやり取りとは違って、ビジネスチャットはスピードがありつつも、きちんと伝わるように書く必要があって。議事録の取り方ひとつとっても、先輩方の“まとめ方”や“言葉の選び方”が本当に上手で。 「同じ内容を聞いているはずなのに、ここまで分かりやすく整理できるのか」と、毎回勉強になっていました。
「作業」が「仕事」に変わった日
──「なぜやるのか?」が見えた瞬間
クラウドエンジニアグループに配属された池田さんに任されたのは、自治体向けのGWS環境構築の補助や、社内プロジェクトの自動化ツールの作成など、実務そのものでした。
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松林:最初は不安もあったと思うけど、どのあたりから「仕事っておもしろいな」とか、「ちょっと変わってきたな」と感じるようになった?
池田:実際の案件の中で手を動かしてみて、 「この作業は、このお客様の、こういう運用のため」と目的が明確になってからですね。以前は、何か課題に取り組んでいても“何のためにやっているのか”が分からないことがあって、 モチベーションが続かない時もありました。
でも、責任のある仕事として任せてもらうからこそ、「やり切ったら自分の力になる」と実感できるようになって。そこからは、“楽しい”と思える時間が一気に増えたと思います。
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全社員との対話で得た「当事者意識」
松林:今回のインターンでは、周りのメンバーともかなり話していたよね。メンターとの毎日1on1もやってたし。
池田:はい。先輩社員さんとの1on1は、毎日の業務の整理ができて本当に心強かったです。分からなかったことや、うまくいかなかったことをその日のうちに相談できたので、不安を溜め込まずに済みました。
それに加えて、全社員の方と1on1させてもらう機会もあって。皆さんがどんな業務をしているのか、Project-Ai(社内プロジェクト)を通じてどのように生成AIを活用しているのかなどをインタビューして回りました。
松林:全員と話してみて、どう感じた?
池田:ひとつの分野をとことん突き詰めている“専門家タイプ”の方もいれば、いろんなタスクを並行してこなす“マルチなタイプ”の方もいて、『働き方ってこんなに幅があるんだな』と視野が広がりました。何より、皆さん忙しい中でも時間を割いてくださり、“自分もチームの一員だ”と実感することができました。
松林:最初はかなり緊張していたけど(笑)、後半は表情も変わってきてたよね。
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——言われたことをそのままこなすだけの「作業」から、
目的を理解し、自分なりの考えを持って価値を返していく「仕事」へ。
松林や社員との対話を通じて、池田さんの中で「学生」から「一人のビジネスパーソン」としての意識の変化が生まれていきました。
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一人のプロとして、走り出す
──インターンを終える頃には、池田さんの中で「働くことへの意識」が大きく変わっているようでした。
松林: 2ヶ月経って、自分の中で「ここが一番変わったな」と思うところはどこ?
池田:“先を予測して動けるようになったこと”です。
最初は目の前のタスクで手いっぱいだったんですが、慣れてくるにつれて「このあと、こういう作業が必要になりそうだな」とイメージできるようになって。
そこで「次はこうした方がいいですか?」と自分から提案できるようになったあたりから、すごく働きやすくなりました。
松林:それは素晴らしい変化やね。 池田くん、最初は自分のことを“心配性”って言ってたけど、それって裏を返せば“準備をしっかりできるタイプ”なんよね。
「心配だからこそ、ちゃんと調べておこう」「念のため確認しておこう」って動けるのは、社会人として大きな強みやと思う。
池田:ありがとうございます。参加条件だった資格試験のときも、とにかくいろいろ調べて勉強したんですが、そのとき身についた“調べ方”や“まとめ方”が、実務でもかなり役立ちました。
松林:試験に受かること自体も大事やけど、そこまでにどう勉強したか、どう工夫したかという“プロセス”は、仕事にもそのまま活きるからね。
これからは、どういうふうに成長していきたい?
池田:今は、任せてもらった作業をきちんとやり切ることで信頼してもらえている実感があります。これからは、一つの分野だけでなく、並行していろいろな領域をつなげていけるような人になりたいです。
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背景にあるカルチャー
──「挑戦を支える」というスタンス
今回が初めての本格インターン受け入れとなりましたが、松林には若手人材に対して、以前から変わらず持っている考えがあります。
それは、「完成された人材」を求めているわけではないということ。
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松林: 僕は、過去よりも“これからどうなっていきたいか”に興味があるタイプなんです(笑)。だからこそ、若い人たちには未来を見てほしいなと思っていて。
仕事って、ほとんどがチームでやるものですよね。 自分の得意な“特性”はどんどん伸ばして、苦手なところは周りに補ってもらえばいい。 変に小さくまとまらずに、自分の強みを活かしてほしいなと、常に思っています。
池田:本当にその通りの環境でした。部署も専門分野も違う先輩方が、それぞれの視点で声をかけてくださって。そういったコミュニケーションの取り方や、考えを言語化する力は、本当に見習いたいと思いました。
松林: 転ぶこと自体は、全然悪いことじゃないからね。
これからもチャレンジし続けていってほしいなと思います。
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池田さんが過ごした2ヶ月は、「仕事のリアリティ」と「一緒に働く人の温度」に触れながら、自分の“視座”が少しずつ変わっていく時間だったといいます。
完璧である必要はありません。 できないことがあっても、素直に向き合えばいい。
一緒に働くメンバーが支えてくれるーー。そんな環境が、ストリートスマートにはあります。
少しでも「挑戦してみたい」と思ってくださった方は、ぜひお気軽にお話ししましょう。
※ Google Cloud、Google スプレッドシートは Google LLC の商標です。