「文明をつくる会社」に、今ジョインする意味。VC視点で解き明かす、成長曲線の現在地【SMBCベンチャーキャピタル株式会社 投資営業第一部長 中野哲治氏】特別対談企画
2024年11月20日に、弊社STRACTが発表した資金調達を機に、弊社株主との対談記事を複数回にわたって展開してまいります。
今回、SMBCベンチャーキャピタル株式会社 投資営業第一部長 中野 哲治氏と、弊社代表・伊藤との対談を行いました。
目次
中野氏のご経歴
「データの構造化」がAI時代のカギになる
「事業拡張性」のあるビジネスが文明をつくる
出資の決め手は「圧倒的なユーザー目線」
STRACTに「2周目」のキャリアが集まる理由
STRACTへのメッセージ
中野氏のご経歴
伊藤:中野さん、本日はよろしくお願いします。早速ですが、ご経歴についてお伺いしてもいいですか?
中野:はい、ありがとうございます。私は2008年に三井住友銀行に入行しまして、そこからSMBCグループで約16年勤務してきました。キャリアの内訳としては、ざっくり言うと*デット・ファイナンスと*エクイティ・ファイナンスが半々ですね。
*デットファイナンス:金融機関から借り入れる資金調達方法*エクイティファイナンス:投資家に新規に株式を発行する形で資金調達方法
最初の8年半は、法人営業、現場での融資業務に携わっていました。その後、銀行内の公募制度を使って手を挙げ、VC部門に異動。そこで8年エクイティ投資に関わってきたという流れです。
伊藤:なるほど、最初は法人融資をされていたんですね。
中野:そうなんです、もうガッツリと。とても泥臭く働いていました。
伊藤:法人融資って、どれくらいの金額規模なんですか?
中野:ありがたいことに、かなり幅広く経験させてもらいましたね。一番小さいものだと、500〜600万円くらいの小口融資から、一番大きいものだと、数百億円規模のLBOローンまで携わりました。いわゆる買収ローンですね。仕込みからクロージングまで、すべて任せてもらいました。
伊藤:ということは、買収スキームの提案もやられてたんですか?
中野:はい、やっていましたね。
伊藤:もう完全に“半沢直樹の世界”じゃないですか(笑)
中野:タイミングや運もありました。でも、そういう意味では、デットの世界では様々なスキームを8年半で経験できたと思います。商業銀行という環境の中で、かなり多くのことを学ばせてもらえました。
伊藤:すごいですね。いや、本当にすごい。スタートアップの人間だと、なかなか銀行さんの大口融資の対象になることって少ないので…。
中野:いやいや、すぐ対象になりますよ(笑)
伊藤:頑張って、そういう融資のお声がけをいただけるように成長したいと思います。その後はスタートアップのエクイティ投資がキャリアの半分ということですよね?
中野:はい、そうです。
伊藤:ちなみに、投資の領域としては、どういったセクターを見てらっしゃるんですか?
中野:これを言うと「なんでSTRACTに投資したの?」って思われるかもしれませんが、私の投資のクライテリアとしては、基本的にBtoBのインダストリーに注目しています。例えば、建設・製造・BtoB型の農業や介護など、少し“レガシー”と呼ばれるような産業領域ですね。そうしたドメインごとに、丸ごとDXを仕掛けるようなビジネスが、私としては一番の注力領域です。
伊藤:そうなんですね。僕の印象としては、toCど真ん中の投資スタイルなのかなと思っていました。でも、広く投資はしつつも、専門はBtoB領域なんですね。
中野:そうですね、その通りです。toCに関しては、正直あまり自分が強いとは思っていないので、結構“直感型”で投資させていただいている部分が大きいです。
伊藤:STRACTに投資してくださっている株主の方々も、結構“直感型”っていう方が多いです。なんとなく“いけそう”という感覚。でも、それって結構的を射ていると思っています。toCって、ある種アーティスティックな要素が強いと思うんですよ。BtoBとBtoCでは、難しさの種類がまったく違うなと感じます。
中野:確かに、使う脳みそがちょっと違うかもしれませんね。
伊藤:うちはBtoBtoCのモデルなので、SaaSのような営業とは少し違いますけど、企業さんとの接点も一定数あります。なので、そちらの側面ではぜひガンガンアドバイスをいただきたいですし、toCの領域については、その“センス”の部分をぜひ教えていただきたいなと思っています。
「データの構造化」がAI時代のカギになる
伊藤:BtoBを専門に見られていると思うのですが、最近の投資トレンドで、注目している領域ってありますか?
中野:そうですね、あくまで個人的な視点になりますが…やっぱり生成AIの活用にはすごく注目しています。私はこれまで、いわゆる“レガシーな産業ドメイン”を多く見てきたので、そこに生成AIを掛け合わせる文脈には強く関心があります。特に、想像がつくかもしれませんが、レガシー産業の上流って、基本的に非構造データの塊なんですよね。で、生成AIの進化によって「非構造データは宝の山なんじゃないか」と。今まさに、そのタイミングが来ていると思っています。
伊藤:素晴らしいですね。
中野:個人的には、特にこういったインダストリーでは「非構造データの囲い込み」が起こると思っていて。今って、SaaSもいろんな方向で語られていますけど、逆にSaaSを“非構造データの集積場所”として捉えてみると面白いなと。データを構造化し、それをSaaSの中でどう扱うか。その時、どんな化学反応が起きるか。SaaSが受け皿としての役割を果たす構図ですね。
伊藤:なるほど。たとえば、具体的にどんな種類のデータになりますか?
中野:わかりやすい例で言うと、製造業や建設業など、“モノをつくる系”は大体そうなんですけど、大元のデータって図面です。つまり非構造データですね。これはほとんどの業界で共通していて。それを一枚一枚手で起こしたり、分解したり…ものすごくアナログに作業している産業って、実際多いんですよ。だからこそ、非構造データを構造化できるようになった瞬間、サプライチェーンやバリューチェーンの流れそのものが大きく変わると感じています。
伊藤:確かに構造化されると、検索もできるし、AIでの生成にも使えますよね。
中野:まさに、その通りです。
伊藤:うちは「商品データ」というものを扱っているんですが、大元は「商品データ」も構造化されています。ですが僕たちは、ECサイトなど、世の中に散らばっている非構造な情報を、僕らが構造化して、検索できるようにしているんです。
いわばGoogleがやっていたようなことを、僕らもECの文脈で再発明している、という感じですね。しかも、うちは物販だけじゃなくて、旅行や不動産、サービス領域まで手掛けている。本来は構造データなんだけど、そうなっていない情報を拾って、構造化し、検索可能にする。そういうことをやっています。
中野:それってすごく難しいですよね。外からは見えにくいけど、すごく重要な部分だと思います。
伊藤:僕らも構造化のフェーズに入る中で、生成AIにはすごく注目していて。最近では、まだ未知の海外ECサイトも含めて、すべてきれいな構造化データに変換していこうとしているんです。
たとえば、普通なら絶対検索に出てこないような海外の未知のブランドも、構造化できれば一発で検索できるし、価格の比較・ソートも簡単になる。極端な話、ヴィトンのバッグがベトナムの見知らぬサイトで一番安い、みたいなことも起こり得るんですよね。そういうのを構造化することで可視化して、誰でも見つけられるようにする。今、まさにそこに挑戦しているところです。
中野:めちゃくちゃ面白いですね。構造データから構造データを再収集するのもそうですし、非構造データから構造データを生成するプロセスも。これって、ここだけ切り取ると「誰でもできるんじゃないか」って見えることもあると思うんですけど、実際には、その領域にドメインエキスパートが掛け合わさって、初めて価値が出る。
何をどう構造化して抽出するか、それをどうSaaSに流し込んで業務フローに乗せるか。この一連の流れを設計できるかどうかが、本当に面白いし、肝だなと思っています。
伊藤:まさに、うちの「PLUG」は、その“ユーザー版”だと思っているんです。
中野:いや、本当にそう思いますよ。
伊藤:ユーザーがネット上で接点を持つあらゆるもの。商品、不動産、保険、病院、レッスンなど、何かを調べるとき、必ず何かしらに触れますよね。それらをすべて構造化して、検索できるようにする。もう一つ、“ユーザーの行動データ”っていうのもあって、たとえば「何をいくらで買ったのか」とか、そういう購買データ。その行動履歴もすべて構造化して、アルゴリズムに落とし込むことで、「このユーザーは次にこれを買うはず」「この価格なら買うだろう」と予測できるようになる。しかも、うちはインターフェースも持っているので、たとえば“価格を下げてオファーする”こともできる。そうすると「それなら買うよね」と。もうそういう時代になってきているのかな、と考えています。
中野:そういうことをさらっと言えて、しかもそれを実現しちゃうのが、伊藤さんのすごさだなと思いますね。
「事業拡張性」のあるビジネスが文明をつくる
伊藤:妄想力って結構大事だと思ってるんです。「あれもできる」「これもできる」っていう拡張性をイメージできることがすごく重要だ、と。スタートアップでも何でも、大きく挑戦していくなら、TAM(=Total Addressable Market:獲得可能な最大市場規模)の大きさって本当に大事じゃないですか。
「このセクターで勝ちます」ではなく、「ここを押さえたら、あっちもいける、こっちもいける」って最初に想像できるかどうか。そこからビジネスを考えるのが、僕らの基本的なスタンスだと考えています。僕らの会社では「文明になるものをつくる」っていうのを掲げていて、それを“インタフェース”を通じて実現しようとしてるんです。
僕らが定義してる“インターフェース”っていうのは、技術とユーザーとの接点そのもの。今、世の中にはたくさんの小さな技術の種が生まれていて、たとえばディープテック企業とかもそうなんですけど、それが人々にちゃんと使いこなせる形にならなければ、本当の意味で文明は変わらないと思っています。
たとえば、スマートフォンが登場してコンピューターが民主化された、インターネットが民主化された。ああいうインパクトを、僕らも起こしたいと思ってるんです。「ここを押さえれば、あのピンもそのピンも全部落とせるよね」っていう、仕組みそのものをひっくり返すようなことをやっていきたいなと思っています。
中野:そういう“リアリティのある思想”って、すごく好きなんですよ。大学での研究でHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)も、そっち寄りの考え方だっておっしゃってましたね。
伊藤:はい。完全にそうですね。HCIって、学術的には「面白さ」とか「インタラクションの新しさ」が評価されることもあるんですけど、僕は正直、かっこよさとか新しさにはあまり興味がないんです。“誰もが技術に触れられて、使いこなせること”。それこそが本当の意味で良いインターフェースだと思っています。
中野:おっしゃるとおりですね。
伊藤:今でも自分でUIデザインをやるんですが、その中ですごく大事にしているのが“既視感があること”です。何か新しいものを作るときって、「誰も見たことがないものを作ろう」ってなりがちじゃないですか。ちょっと奇抜なものを作って「これ、カッコいいでしょ」みたいに。
でもユーザーからすると、正直“いい迷惑”なんじゃないかなと(笑)。「これ、どうやって使うの?」「この操作で何が起きるの?」ってわからなくなる。だから僕は“見たことあるようなもの”をつくるようにしています。たとえばドアも、押せば開く、引けば閉まるって、なんとなく感覚的にわかりますよね。そういうレベルにまで落とし込むのが、重要だけど、本当に難しい。
その上で、ちゃんと“新しいこと”をユーザーに体験させる。そこがインターフェースの一番面白いところだと思ってます。でも、本当に難しいので、逆に言えば、僕らの強みでもあると思うんですよ。この領域は、かなりの優位性になるんじゃないかと思っています。
中野:絶対すごく難しい。けど、おっしゃる通り、伊藤さんならやってくれるんだと思います。
出資の決め手は「圧倒的なユーザー目線」
伊藤:今回、シリーズAで新たにご出資いただいたわけですが、STRACTに投資してくださった理由を、もしよければ教えていただけますか?
中野:そうですね。ざっくり言うと「これは大ホームランになりうる案件だ」と思いました。ユーザーに対して“最上流のタッチポイント”を取れるという点が、ものすごく魅力的でした。ユーザーの購買体験はもちろん、それに紐づく付帯サービスや機能も、今後どんどん追加されていくと思いますし、“体験全体をまるごと取りにいける”ポテンシャルがあると感じました。
そしてもう一つは、やはり“ユーザー目線に立ったソリューション”であるという点です。どれだけ優れたツールやソリューションでも、ユーザー目線でなければビジネスとして永続性は持たないと思っています。短期的には跳ねるかもしれませんが、それでは続かない。
だからこそ、ユーザーの希望にしっかり基づいて、きちんと“パーミッション(許可)”を得たうえで提供していく。それがあるからこそ、先ほどのようなデータの掛け合わせや、体験の最適化も成り立つと思うんです。「僕たちにデータを預けてくれたら、こんなに良い体験ができるよ」という、そういう関係性ですね。
これまでって“クッキー時代”と言われ、どちらかというと広告主側の一方的な発信が主流だったと思うんですけど、その起点がまさに変わろうとしている。そこが本当に素晴らしいなと思ったんです。
伊藤:ありがとうございます。本当に、そこまで理解していただけて非常に嬉しいです。よく「価格比較アプリですよね?」って言われることもあるんですけど、僕たちの本質は、ユーザーの“エージェント”になることです。信頼できるパートナーとして、そばにいる存在になりたい。その一つの入り口として「価格比較機能」もあるだけであって、僕らが目指している価値は、もっと上流にあると考えています。
「広告主から一方的に広告が届く」これまではそれが当たり前でしたが、僕たちは、ユーザー自身が「これ欲しい」「今気になってる」と手を挙げて、それに対して広告主がオファーするという、双方向・インタラクティブな購買体験を実現したい。
しかも、それをできるだけシンプルに、直感的に体験してもらえるようにするのが、僕たちの役割なんです。
中野:本当に、全体を変える可能性を感じます。ものすごく大きな可能性を秘めた取り組みだと思っています。
伊藤:ホームラン、打ちにいきますよ(笑)
中野:そうですね(笑)。今ってまだ発展途上のフェーズだと思っていて。*100万ダウンロードって確かにすごい数字ですけど、まだ「イノベーターを少し抜けた」という印象です。
*2024年11月取材時点の数値。2025年3月時点で170万ダウンロード。
伊藤:僕らとしても、まだ“全然これから”って感覚です。100万って聞くと大きいですが、社会全体から見ればほんの一部でしかない。まず目指すのは1000万。これを達成しなければ、「社会に本当に必要とされているサービス」とは言えないと思っています。もちろん、ダウンロード数がすべてではないですが、やっぱり“早期に1000万”は達成したいです。
中野:どこかのタイミングで、急激に伸びる瞬間が来ると思いますけどね。
伊藤:そうですね、toC(コンシューマー向け)のサービスって、“スパイクする瞬間”が必ずあると、他の方の話を聞いても思っています。それが何が起因しているかまでまだ特定できていないですが、僕らとしては、すでに「こういう紹介をすると、こういう価格帯で、こういう単価で獲得できる」といった“勝ちパターン”みたいなものが見えてきています。それがちゃんとスケールできるかどうか。ここが今の戦いですね。ありがたいことに、ユーザー獲得単価に関しては、いまほとんど悩みはありません。
中野:そこもGo To Market(市場浸透)の仕組みが、すごく上手くできているんだと思います。
伊藤:そうですね。とはいえ、マーケティングの難しさもちゃんと理解してるつもりなので、「そんなに甘くない」っていう感覚も持ってます(笑)でも、App Storeには今*1.1万件くらいのレビューがあって、評価も4.6以上。これって、実はなかなか見かけない数字だよね、って言っていただけることもあります。
*2024年11月取材時点の数値。2025年4月時点で1.7万件のレビュー。
中野:それはすごいですね。やっぱりtoCだからこそ、“1ユーザーとして見たときに、いいと思えるかどうか”が何より大事ですから。
伊藤:僕たちも、そこを一番大事にしてます。会社のバリューの中にも「自分でサービスを使う」という姿勢(Dog Fooding)が根付いてるんです。
“インタフェースの会社”と名乗ってる以上、ユーザーの目線に立つ、というより、「自分自身がユーザーである」っていう意識を持ち続けることが、すごく大事だと思っていて。そうすれば、「自分が欲しいもの」をちゃんと作れるし、結果として良いサービスになるはずです。
逆に「売上を上げたいから」といって、ユーザーにとって価値がないことをやろうとすると、それって“自分がユーザーじゃない”からこそできてしまうことだと思うんです。自分が使わないサービスを作ってると、どうしても「数字が出るならやっちゃえ」となりがちで。でも、それじゃダメですよね。
中野:いや、本当そうですよね。そこがまさに「STRACT」の“軸”ですね。
STRACTに「2周目」のキャリアが集まる理由
伊藤:STRACTのチーム、あるいは経営メンバーについて、どんな印象をお持ちですか?
中野:ざっくりになりますが、まず伊藤さんって“ハイパーすごい人”だと思ってます。これまでのキャリアを見て、たとえばアプリ一つとっても600万ダウンロードされるものをつくるって、相当すごいことです。
一方で、0→1の起業家から「経営者」になれるかどうかというところは、僕自身がすごく気になっていたポイントでもありました。だから今回、事業の話と同じくらい、伊藤さんの過去の話、パーソナルな部分もかなり根掘り葉掘り聞かせていただきました(笑)。これまで伊藤さんがどういう人生を歩んできたのか、それを知りたかったんです。
実際お話を聞いていると、何度もサービスを立ち上げては改善し続けて、そして「一人でやることの限界」を感じられた、と。そのうえで「もっと大きなインパクトを出すには組織をつくり、育てていくしかない」「だから自分は権限を手放して、委譲していく必要がある」とおっしゃっていた。その言葉を聞いて、僕は「この人は本気で“経営者”に変わろうとしている」と強く感じました。もちろん、STRACTが目指す世界観からすると、まだ一合目くらいかもしれません。でも、その片鱗をしっかり感じられたので、伊藤さんであれば、自身の強固な土台をベースに、組織を引っ張っていけると思いました。
伊藤:照れますね(笑)。僕、『半沢直樹』が大好きで、「銀行員は金の流れを見る前に、人を見ろ」ってセリフがあるんですが、まさにそういうことでしょうか。
中野:本当にそう思います。出社にこだわってらっしゃるという話も印象的でしたし、実際にオフィスに伺わせていただいたときの雰囲気も、個人的にはすごく熱を感じました。あくまで感覚ですが、「これはうまくいくな」と思えたんです。
伊藤:本当にありがとうございます。多分、かなり核心を突いていただいていると思います。僕自身、今まさにその“変わっていく瞬間”を実感していて。苦労も本当にたくさんあったんですが、最近は「丸くなったね」って言われることが増えてきました(笑)。
中野:やっぱり、それは“経営者へのステップ”を確実に踏まれている証拠なんでしょうね。
伊藤:そう言っていただけると、自分の向かっている方向も間違ってないのかなと思えますし、実際、周囲のメンバーに助けられている部分が大きいなと感じてます。うちの会社、本当に「いい人」しかいないです。変に我を出してくるとか、組織を乱そうとする人がいなくて、お互いを尊重し合える人たちが集まってる。もしかしたら、「この人(伊藤)を助けたい」と思って入ってくれてるのかもしれないです。でもそれってすごく健全なことだと思っていて。今の規模感の組織って、誰かがちょっと乱すことを言い出すだけで崩れてしまうこともあるじゃないですか。だからこそ、一人ひとりが自立していて、ちゃんとカルチャーを守る意識を持っている。それが、今のSTRACTの強さだと思っています。
中野:それだけカルチャーや採用にこだわりを持っていらっしゃるんですね。共通のモジュールというか、芯みたいなものを感じます。
伊藤:そうですね。僕らは採用の一番最初に必ずミッションを伝えます。
「僕らは、“文明になるものをつくる”という壮大なミッションのもとでPLUGをやっていて、ビジョナリーカンパニーを目指しています」って。
それは別に意識して言ってるわけじゃなくて、本当にそう思っているから自然と出てくるんです。だからこそ、そこに共感してくれる人が集まってきている。
たとえば山田さんなんて、AnyMindの元執行役員ですよ。引く手数多だった中で、初回面談では、はっきり「ビジネスモデルには興味ないです」って言われました(笑)彼女はマーケティング畑でアプリも何本もやってきたので、「もう次はディープテックをやる」って決めて、実際にディープテック系の会社から内定をもらっていたんです。
でも僕は、そこからもしつこく連絡をさせてもらって(笑)。「うちも広い意味でディープテックなんですよ」とお伝えしました。PLUGのアイコンにもある宇宙ロケット、衛星事業を、社会実装していく。つまり“技術を民主化する”という挑戦をしている。僕らは技術そのものを開発するわけではなく、生まれた技術を“誰もが使えるかたち”に落とし込む。それによって初めて、技術が本当に人々に恩恵を与えると信じています。だから、目指す世界はディープテックと変わらないんです。山の登り方が少し違うだけ。
中野:わかります。一度スタートアップや大企業で一周してきたような優秀な方々って、二周目は“何のためにやるか”がすごく大事になってくるんですよね。もう“実績”では動かない。だからこそ、大義が重要になる。
伊藤:まさにそうです。僕らのビジネスモデルは、その“大義”や“夢”を実現できるところまで成長できると思ってます。100億、200億ではなく、数千億、1兆円単位まで。それくらいの市場をちゃんと“今ある市場”の中で目指せないと、夢物語で終わってしまう。
たとえばZOZOTOWNって、時価総額が今1.5兆円ありますよね。僕らが目指しているのは、そのレイヤー。そして市場規模をしっかり捉えたうえで、2000億円調達して“衛星を民主化する”ことです。それくらいのスケールで、本気で挑戦しています。
STRACTへのメッセージ
伊藤:では最後に、STRACTへの応援メッセージをいただけたら嬉しいです。
中野:PLUGは、本当にユーザー目線に立った素晴らしいソリューションだと思っていますし、それを運営しているSTRACTという組織で働けること自体が、めちゃくちゃ楽しくて、幸せなことなんじゃないかと思います。僕は投資家として、リスクマネーを供給する立場なので、メンバーの皆さんには、ぜひ遠慮なく“ホームランを狙ってバットを振ってほしい”と思っています!まずは、目指せ1000万ダウンロードですね!
伊藤:素敵なお言葉、本当にありがとうございます。STRACT一同、全力でがんばります!
STRACTでは現在多くのポジションで採用活動を行なっています。
ご興味のある方は、ぜひカジュアルにお話ししましょう!
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▼代表伊藤のnote
https://note.com/hkrit0/n/nc1175b2a6039
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