「就活って、何から始めたらいいんだろう」
「人材業界って興味あるけど、実際は何をしてるの?」
そんなふうに、ぼんやりと不安や興味を抱えたまま、立ち止まっている人はいませんか?
こんにちは、Stella Point代表の米川です。
僕たちは、キャリアに悩む新卒の学生と、採用に悩む企業のあいだに立ち、日々“選択”の瞬間に向き合っています。
働くことは、ただの生活手段ではありません。
自分らしさや可能性をどう社会とつなげるか―それがキャリアであり、就活の本質だと思っています。
米川凱 / ㈱Stella Point 代表取締役社長
1997年生まれ。東京都葛飾区出身。株式会社Stella Point 代表取締役社長を務めている。新卒で不動産系ベンチャーへ入社。営業として結果を残すも、自身が受けた“企業選びの違和感”から人材業界への挑戦を決意し、2021年にStella Pointを創業。創業当初から「半径5メートル以内の人を幸せにする」を理念に掲げ、学生一人ひとりの「ココロが弾む」意思決定に寄り添うキャリア支援を展開。キャリアデザイナーとして、そして経営者として、信念は「太陽のように、自ら光を放ち周囲を照らす存在であること」
はじめに:就活に迷いがあるなら、まず“仕組み”を知ろう
学生の皆さんにとって、“不動産業界”と聞いて最初に思い浮かぶものはなんでしょうか?
「営業が厳しそう」「ノルマが怖い」「スーツ着てガツガツ歩いてるイメージ」――そんな声をよく聞きます。
確かに、そういった側面があるのも事実です。けれど、それだけで終わらせるにはもったいない。
なぜなら不動産業界は、人の暮らし、街の景観、企業の成長、そして資産形成まで、“生活”と“経済”の両方に深く関わっているからです。
つまり、目に見える「かたち」だけでなく、目に見えない「価値」までデザインする仕事。それが不動産の面白さです。
この記事では、そんな不動産業界を以下の様々なの切り口から徹底的に解説していきます。
「ちょっと面白そうかも」と思ってもらえたら、それがもう“可能性”の芽です。
先入観をリセットして、この記事を読み進めてみてください。
不動産業界のビジネスモデルを解剖してみよう
――“空間”と“資産”を扱う6つのビジネスモデル
不動産業界は非常に裾野が広く、企業によって関わる領域が異なります。
ここでは主に6つのビジネスモデルを紹介します。これらを知ることで「不動産業界」と一言でくくられがちな領域の中でも、自分に合ったキャリアの選択肢を見つけることができるようになります。
1. 仲介業(売買・賃貸)
不動産業界の中でも最もイメージされやすいのがこの仲介領域です。
賃貸仲介では「物件を借りたい人」と「貸したいオーナー」、売買仲介では「家を売りたい人」と「買いたい人」の間に立って、契約を成立させる役割を担います。手数料はその成功報酬として得る形です。
重要なのは“物件情報を紹介する”だけの仕事ではないということ。
お客様がどういう生活を求めているのか、どんな将来設計があるのかに深く耳を傾け、それに合った選択肢を一緒に探していく姿勢が不可欠です。
2. 開発業(マンション・商業施設など)
土地を仕入れ、マーケットを分析し、建築・デザイン・販促までを一貫して手がけるのが開発系の仕事です。
ゼロからプロジェクトを企画し、何もなかった空間に「人の流れ」「地域の価値」「暮らしの場」を創出するスケール感の大きなビジネスです。
完成した施設が地域に根付き「このエリアのランドマークになった」「人の流れが生まれた」と実感できたときの達成感は格別です。
3. 賃貸管理・PM(プロパティマネジメント)
建物を建てて終わり、ではなく「どう維持し、どう運用するか」が問われるのがこの分野です。
オーナーに代わって建物を管理・運営し、入居者対応、修繕提案、稼働率の維持向上など、物件価値の最大化を目指します。
仕事の性質としては“地道”で“裏方”の印象もありますが、入居者から「いつも助かっています」と言われたり、収益改善につながった瞬間に、非常に高い手応えがあります。
4. 不動産テック・コンサルティング
近年急速に注目されているのが「不動産×テクノロジー」の領域。
VRによる物件内覧、AIによる価格査定、電子契約、業務自動化など、不動産業界を変革する“仕組みそのもの”をつくる仕事です。
また、法人向けにエリア開発や資産の有効活用をアドバイスする不動産コンサルティングもこの領域に含まれます。データを元にした提案や、国際的な不動産取引に関わる案件もあり、論理性と俯瞰力が求められるフィールドです。
5. 不動産投資・アセットマネジメント
不動産を“モノ”としてではなく、“お金を生む資産”として捉える視点が不動産投資です。
個人投資家に向けた収益物件の提案から、大手企業やファンドが行う大規模開発・REIT(不動産投資信託)まで、非常に幅広い領域を含みます。
投資先の選定、リスクとリターンの見極め、物件の収益性分析など、金融・経済・不動産すべての知見を組み合わせて価値を最大化していく知的なビジネスでもあります。
「不動産=営業」ではなく「不動産=資産運用」だと考える人にとっては、ここがキャリアの本命になるはずです。
6. CRE戦略・法人向けコンサルティング
企業が持つ土地・建物をどのように活用するかを一緒に考え、経営課題の解決につなげていくのがCRE(Corporate Real Estate)戦略です。
たとえば「遊休地をどう活用するか」「自社ビルの収益性をどう高めるか」といった課題に対し、提案や事業企画を行います。
不動産の専門知識に加えて、経営視点・会計知識・法律理解など、総合力が求められる分野であり「経営に近い仕事がしたい」という方に適したフィールドです。
不動産業界で働くメリットとやりがい
「きつそう」の先にある、価値と誇り
不動産業界は、決して楽な仕事ばかりではありません。数字に追われる厳しさや、成果主義の文化もあります。でも、それでもなお多くの若手が「やってよかった」と思える理由があります。
“かたち”と“手応え”が目に見える
不動産の仕事には、結果が視覚的・物理的に残る特性があります。
提案した物件に実際に誰かが暮らし、自分が携わった建築物が街の景色として何十年も残り続ける――これは他の業界にはない醍醐味です。
たとえば仲介営業であれば、紹介した部屋に住んだお客様から「この部屋にして本当に良かった」と感謝されることも珍しくありません。
建築や開発の仕事では、自分が関わった建物が完成した瞬間の感動はもちろん、その後何年も人々の生活や行動の一部として機能していく喜びがあります。
人の「人生の転機」に関わるやりがい
「家を借りる」「家を買う」「事務所を移転する」「土地を売却する」―こうした不動産の動きは、すべて人や企業にとっての“節目”です。その大きな決断の瞬間に立ち会い、納得いく選択を支えるというのは、単なるモノ売りではありません。
人生の軌道修正やステージチェンジに深く関われることは、誇りを持って働ける最大の理由のひとつです。
就活生にとっての「キャリアの選択」を支援する人材業界と似ていて、心の奥に残る“ありがとう”をもらえる仕事だと感じています。
若いうちから裁量を持ち、ビジネスの地力が鍛えられる
不動産業界は、比較的若手にも大きな役割とチャンスが与えられやすい業界です。
売上・利益といった数字が明確に出るため、結果を出せば社歴に関係なく評価され、昇格や昇給のスピードも早い傾向があります。
また、お客様の要望をくみ取り、物件・予算・市場背景を踏まえて“最適解”を導き出す思考力は、まさに経営者視点にも通じるスキル!
この業界で数年経験を積めば「数字を読む力」「提案力」「交渉力」「意思決定の力」がすべて身につく実感が得られると思います。
自分次第で“年収も夢も”広がる環境がある
そして、忘れてはいけないのが「成果=収入に反映される」実力主義の環境です。
特に売買仲介や法人営業の分野では、歩合制やインセンティブ制度が導入されている企業も多く、実力を出せば20代で年収1000万円を超えるケースも珍しくありません。
「成果を出して正当に評価されたい」「頑張った分だけリターンがほしい」という方にとって、不動産は非常にチャンスのある業界です。
逆に言えば、ただ与えられるのを待っているだけでは難しい世界でもあります。
だからこそ、“自分の力で未来を切り拓く”タイプの人にこそ向いています。
そのまま使える!不動産業界の志望動機例10選
それでは、最後に実践編です。
ここではそのまま面接やESで使える志望動機例を、10パターン用意しました。
① 住宅購入の経験から不動産に興味を持った
高校生のとき、家族でマイホームを購入することになりました。はじめは両親も緊張していましたが、担当の方が一つひとつ丁寧に説明し、不安なことも質問しやすい雰囲気をつくってくれたおかげで、購入後は家族全員が「この家にしてよかった」と心から思えました。
その経験を通じて、不動産の営業は“モノを売る人”ではなく“安心を届ける人”なのだと実感しました。
家という大きな買い物に、安心感を与えられる人間的な信頼があるからこそ、選ばれるのだと気づきました。
将来的には、お客様の背景やライフスタイルに本気で向き合える営業として「あなただからお願いしたい」と言ってもらえる存在になりたいです。
② 街づくりに関わりたい
小学生の頃から、駅前再開発や大型商業施設の完成予想図を見るのが大好きでした。
何もなかった土地に建物が立ち、人の流れが生まれ、街の雰囲気がガラッと変わっていく様子に、ワクワクしたのを覚えています。
不動産業界なら、“空間そのもの”を通じて、人の集まる場所・住みたいエリアを自分の手で作れる可能性があると感じ、志望するに至りました。
将来的には、地域の魅力を高めるような再開発や施設企画にも携わり「地図に残る仕事」「街に活気をもたらす仕事」ができる人材を目指したいです。
③ 数字で評価される環境で成長したい
学生時代、長期インターンで営業を経験しました。
テレアポから訪問、提案、クロージングまで一通り経験させていただいた中で、最もやりがいを感じたのは「自分の数字が目に見えて伸びたとき」でした。
もちろん成果が出ない時期もありましたが、そのたびに自分のトークや資料の改善点を見つけ、試行錯誤しながら結果を出せたことで、大きな自信になりました。
不動産業界は、契約数や売上といった成果が明確に数字で可視化されるため「自分の成長がどこまで届いているか」を実感できる環境だと考えています。若いうちから挑戦し、正当に評価されたいという想いが強く、営業職としての実力を徹底的に磨いていきたいです。
④ 人と深く関わる仕事がしたい
アルバイトでお客様対応をしていたとき、リピーターの方から「◯◯さんがいるから来ちゃうんだよね」と言われたことがあります。
それは売上でも指標でもないけれど、“自分だからこそ任される価値”があると感じられた瞬間でした。
不動産は、人生で数回あるかないかの大きな買い物。
だからこそ、丁寧な対話と信頼が何よりも大切だと感じています。
誰かの決断に立ち会い「この人に任せて良かった」と思ってもらえるような信頼関係を築ける仕事がしたくて、不動産営業というフィールドに惹かれました。
今後は、お客様の背景や不安にも寄り添える力を磨き、数字だけでなく“人の心に残る仕事”を目指したいです。
⑤ テクノロジーで業界を変えたい
大学の講義では「古くからある業界こそ、テクノロジーの導入によって大きな変革が生まれる」と感じ、不動産業界に興味を持つようになりました。
実際にVR内見やオンライン契約、電子重説などの仕組みを知り「住まいの探し方も、提供の仕方も、どんどん進化している」と実感しています。
不動産は“リアル”な現場だからこそ、テクノロジーとの融合が難しい部分もありますが、その難しさを乗り越えた先には、お客様の体験価値を大きく高めるチャンスがあると感じています。
今後は、ITスキルを活かして「顧客満足度」と「業務効率化」を両立できる提案ができる営業を目指します。
⑥ 管理・運用に興味がある
私は、目立つ仕事よりも「人や仕組みを支える」ような裏方の役割にやりがいを感じるタイプです。
大学のグループワークでも、資料作成や進行管理などの“見えにくい部分”を任されることが多く、自分のサポートで全体がスムーズに動く瞬間に喜びを感じていました。
不動産業界の中でも、建物の価値や住みやすさを長く守る「賃貸管理」「運用」の仕事は、自分に合っていると感じています。
また、こうした地道な積み重ねが収益や入居率に直結するという点に惹かれました。
目の前の対応が数字につながり、オーナー様や入居者の満足にもなる――そういった循環の中で、自分の工夫や努力がしっかり評価されることにやりがいを感じます。
将来的には“安定と信頼を届けられる運用のプロ”として、収益アップに貢献したいです。
⑦ 不動産×金融に関心がある
大学では経済学部で金融を学び、ライフプランと資産形成について深く学ぶ機会がありました。
特に「住まい」は人生で最も大きな買い物のひとつであり、住宅ローンや資産活用にも直結するテーマです。
その中で「住まいを売る」ことと「お金の安心を届ける」ことは切っても切り離せないと気づき、不動産業界に興味を持ちました。
例えば「どんなローンを組むか」「この物件は将来的に資産価値が下がらないか」など、お客様が将来にわたって納得できる選択を一緒に考えたいと強く思うようになりました。
将来的にはFPや宅建資格も取得し「不動産+金融」の両面から、お客様の暮らしにとって最適な選択肢を提案できる営業を目指します。
⑧ 海外不動産やインバウンド投資に興味がある
私は昔から英語が好きで、大学では国際関係学を学んできました。
その中で「不動産って、日本だけの話じゃないんだ」と気づいたのが、この業界に興味を持ったきっかけです。
例えば、外国人観光客向けの民泊や、海外の方が日本の物件を投資目的で購入する動きなど、実は“世界とつながる不動産”がたくさんあることを知りました。
英語や国際感覚が活かせる業界って、想像よりも身近なところにあったと感じました。
私は、まずは国内の営業経験を積みながら、お客様との信頼関係を築く力をしっかり養いたいです。
その上で、語学力や国際視点を活かして「海外との取引にも強い営業」になりたいです。
⑨ 相続や土地活用をサポートしたい
祖父が亡くなったとき、土地の相続をめぐって家族がどう動けばいいか分からず、混乱した経験があります。
「誰に相談すればいいのか分からない」「専門用語が多くて難しい」――そんな中で、不安な気持ちだけが先行していったのを覚えています。
あのとき「信頼できる人に最初から相談できていれば、もっと安心できたのに」と感じました。
不動産業界には、そういった“人生の分岐点に寄り添う力”があると感じ、この仕事に関心を持つようになりました。
特に相続や土地活用などは、不安を抱える人が多い分、知識と人間力の両方が必要だと思っています。
⑩ 稼ぎたい!
正直に言うと、私は「稼ぎたい」という想いが強いです。
家族は裕福ではなく、大学進学も奨学金を借りて進みました。バイトを掛け持ちしながら通った日々の中で「お金がないことで選択肢が狭まる」現実を実感してきました。
だからこそ、自分の力でしっかり稼げる大人になりたい。
ただ、楽して稼ぎたいわけではありません。頑張った分だけ正当に評価されて、収入という形で返ってくる環境で、努力と成長を重ねていきたいと考えています。
不動産業界は、成果が数字で見えやすく、若手にもチャンスがある業界だと知りました。営業職として挑戦すれば、自分の頑張り次第で収入もキャリアも切り拓ける。そんな環境がここにはあると感じています。
だから私は、稼げる仕事ではなく、“努力で稼げる仕事”を選びたいと思い。不動産営業という舞台で活躍したいです。
まとめ:あなたは“どの不動産”に惹かれますか?
「不動産=営業職の現場仕事」といったイメージが覆ったのではないでしょうか?
実は、不動産業界は「街」「暮らし」「資産」「仕組み」をつくる、極めて多様性のある業界です。
どの分野にも共通するのは「目に見える価値」と「目に見えない価値」の両方を生み出す力が求められるということ。
- 「地に足のついた仕事がしたい」
- 「自分の力で未来を切り拓きたい」
- 「頑張った分だけ評価されたい」
そう思っているなら、不動産業界という選択肢をぜひ真剣に見つめてみてください。