体育会系学生の就活戦略 -部活動を通じて得られる精神的タフネスや自己管理能力が、どのように活かされるかを考察!!
当社Stella Pointは、人材紹介・研修・採用コンサルティング・採用イベントなどの新卒採用支援事業を展開しています。『半径5m以内の人を幸せにする』を理念に、一人ひとりが「ココロ弾む」選択肢を広げる社会を目指しています。新卒学生向けのエージェントサービス「X-career」をはじめ、学生主体の研修プログラムである「X-base」を提供し、企業や団体の経営戦略・人材戦略の実現に貢献しています。
体育会に所属する学生たちは、一般の学生に比べて就職活動で注目を浴びることが多いと言われています。これは、体育会で培われた忍耐力やリーダーシップなどが企業から高く評価されるためです。本記事では、体育会学生の就活の魅力や課題について探り、田中さんの実際の経験談を交えながら、体育会学生の就活事情について考察します。
新卒就活は、学生にとって人生の大きな転換点です。スポーツに情熱を注ぎ、多くの時間を割いてきた彼らは、就活市場でも注目されています。本記事では、弊社Stella Poinit体育会出身メンバーの当時の様子も振り返りながら体育会が就活で持つ魅力や課題、そして実際に体育会出身の学生がどのように就活を乗り越えたのかを詳しくご紹介します。
体育会学生の就活においての魅力
忍耐力とチームワーク
体育会での活動を通じて得られる最も大きなスキルの一つが忍耐力です。日々の厳しい練習や試合に耐え抜く経験は、社会人生活でも活かされる場面が多いです。また、団体競技においてはチームメンバーとの協力が不可欠であり、自然とチームワークのスキルが身につきます。
スポーツでは困難を乗り越える忍耐力が必要です。練習での失敗や試合での敗北を経験しながら、それを糧に成長してきた体育会系学生には、粘り強さがあります。これは、社会に出た後の困難にも立ち向かえる力として注目されています。
リーダーシップの育成
競技を通じて得た協調性や目標達成への努力は、多くの企業で高く評価されます。また、部活動でキャプテンを務めた経験がある場合、組織をまとめる力や他者を動かす力が養われていると見なされることが多いです。
精神的なタフネス
体育会出身者は、挫折を経験しても立ち上がる力があると見られることが多いです。例えば、大事な試合での敗北や長期にわたる怪我からの復帰などは、精神的な強さを培う機会となります。
自己管理能力
練習や試合、学業を両立するためには高い自己管理能力が求められます。この点も、体育会系学生の強みとして企業が注目するポイントです。
これら多くの特徴があります。体育会系の学生に対しては、“根性がある”や“努力を惜しまない”というイメージが強く、企業にとっても採用後のミスマッチが少ないという安心感があります。
体育会学生の就活におけるネガティブ面
部活動との両立の難しさ
体育会系学生の課題の一つは、就活と部活動の両立の難しさです。例えば、朝早くから練習があり、その後授業や就活イベントがあると、一日のスケジュールが非常にタイトになります。練習や試合の日程が詰まっているため、就職活動に十分な時間を割けないことがあります。特に、遠征や合宿が多い競技では、説明会や面接への参加が難しくなることも少なくありません。
就活準備の遅れ
部活動に集中している間に、他の学生がエントリーシートの準備やインターンシップ参加を進めている場合があります。その結果、情報収集や自己分析が不足し、就活のスタートが遅れることがあります。部活動中心の生活を送る体育会学生は、一般の学生と比べて業界研究や企業研究に割く時間が少ないことがあります。その結果、適切な情報を得られず、自分に合わない企業に進むリスクが高まります。
スポーツへの依存
また、一部の学生は自分の競技経験に依存しすぎてしまい、自己PRの幅が狭くなることがあります。競技以外でのアピールポイントが不足すると、面接で苦戦することもあります。
柔軟性の欠如
体育会での経験が特定の企業にとって魅力的である一方、それが偏った価値観や柔軟性の欠如として見られることもあります。例えば、体育会的な価値観に基づく考え方が、自由度の高い職場文化には馴染まないケースも考えられます。
メンタルの負担
就活と部活の両方を完璧にこなそうとするあまり、心身のバランスを崩してしまう学生もいます。また、部活動自体が評価されない場合も可能性ですがございます。すべての企業が体育会学生の経験を高く評価するわけではありません。一部の業界や職種では、部活動よりも学業やインターンでの実績が重視されることがあります。
StellaPoinitメンバーの就活体験記
田中悠我 / 体育会野球部
2000年生まれ。東京都出身。幼少期から野球に打ち込む毎日を送る。小学6年生の時にリトルリーグのアメリカの大会でチームの優勝に貢献。幾度の怪我に悩まされつつも大学まで野球を続け、大学時代は選手&学生コーチとして活躍。その傍らでStella Pointのインターンに参画し、テレアポ月間NO.1を獲得。現在は、年間何十人もの学生を内定まで導く敏腕キャリアデザイナーとして活躍中。
厳しい環境での経験を就活での強みに変える方法
野球を始めたきっかけを教えてください。
小学校1年生の時に児童館でドッチボールをしていて、その先輩たちと仲良くなり、一緒に野球を始めたんです。最初は遊び感覚でしたが、徐々に真剣に取り組むようになりました。
15年間も続けられたんですね。その中で苦しい時期や辞めたいと思ったことはありませんでしたか?
ありました。特に中学や高校では練習が厳しくて、自分の限界を感じることもありました。でも、負けることが嫌で辞めるという選択肢はなかったです。
なるほど、その精神が就活にも生きたと感じますか?
そうですね。野球部での厳しい環境で培った忍耐力や努力が、就活でも役に立ちました。大学で自主練習が重要視されるようになった時も、自己管理の重要性を感じました。
就活中のエピソードで特に苦労したことはありますか?
野球部での生活が中心だった分、就活に関する知識がほぼゼロだったことです。IT企業や基本給、福利厚生などの基本的なことも知らない状態からスタートしました。最初の説明会では9割が理解できず、戸惑うことが多かったです。最初補とても苦労しました。どうやって知識を積んでいったかというと人事の方と積極的に面談を重ねて、少しずつ理解を深めていきました。最初は楽しそうに説明をする会社に興味を持ち、人事の雰囲気を重視しましたね。
最初は何も知らずに受けた会社もありましたが、徐々に条件や仕事内容をしっかり確認し直し、最終的に2つ内定をもらいました。
野球部出身ということですが、野球部だからこそのエピソードについて教えてください。
1つ目は高校時代の話です。当時、1年間のうちオフが8日間しかないという非常に厳しい環境でした。その中で「残り300日、200日」といった形で、オフの日を励みに頑張るという独特の文化がありました。この経験を通じて「努力を続ける力」を身につけました。
このエピソードを就職活動で話した際、特に根性や忍耐力が評価されました。ただし、これを単に精神論として伝えるのではなく「努力を継続することで成果を出す能力」として具体的に説明しました。どの企業にも好印象だったと思います。
なるほど。それが企業に刺さったポイントだったんですね。
そうですね。2つ目は大学時代で自主性が求められた環境についてです。それまでの「やらされる練習」から、自分で考えて取り組む自主練習が必要になりました。寮生活を通じて、仲間が自主的に練習している姿を見て、努力の仕方を改めて学びました。この経験も、社会人になったときの基礎として役立ったと感じています。
また、少し余談ですが、野球のスポーツ自体の特徴も挙げられるかと思います。
団体競技でありながら、試合中に個人の能力が問われる瞬間が多い点があります。例えば、ピッチャー対バッターのように、1対1の局面が頻繁に訪れます。このため、「チームワークの重要性」と「個人技の重要性」の両方を学べるスポーツということも伝えていました。就職活動では、この2つの側面を具体例とともに伝えることで説得力が増しました。他の人が「こんな話もして良いんだ」と気付くきっかけにしていただければと思います。
体育会系の部活での経験が就活で活きた部分が多かったということですね。
そうですね。努力する姿勢や困難を乗り越える力が、どの企業でも評価されると思います。社会人でも同じように努力が必要ですし、野球部での経験がその基盤を築いてくれたと思っています。何事も継続して努力することが大切だと感じました。
丸尾皇我 / 体育会ラクロス部
2001年生まれ、群馬県出身。 幼少期から空手に打ち込む毎日を送る。 大学進学と同時に上京。大学では体育会ラクロス部にて活動。 大学時代には創部初の関東リーグトップ4入りを果たす。 その傍ら、大学2年生からStella Pointの長期インターンに参画。 現在はキャリアデザイナーとして日々、学生の就活サポートに取り組む。
体育会としての精神とチームワークが就活に与えた学び
部活動は何をされていたんですか?
ラクロス部に所属していました。男子ラクロスは馴染みが少ないかもしれませんが、ヘルメットをつけてクロスという棒を使い、激しい接触プレーが特徴のスポーツです。
部活動に入ろうと思ったきっかけについて教えてください。
元々はサークルに入ろうと思っていたんですが、コロナ禍で新歓活動がなく、たまたまSNSで見た部活動の案内に参加したことがきっかけです。その時に「就活に強い」と聞いて入部しました。
部活動と就活の両立はどうでしたか?
正直、両立は簡単ではありませんでした。ただ、ラクロス部の活動が朝だったので、午前中に練習、午後に授業やインターンとスケジュールを調整することでなんとか乗り切りました。
その中で、就活がどう変わったと感じましたか?
ラクロス部での経験とインターンでの経験を通じて、自分の強みを整理できたことが大きかったです。面接では、部活動やインターンでの具体的なエピソードを話すことが多く、それが自然とアピールポイントになりました。
就活で活きた、部活動のエピソードなどあれば教えていただければなと思います。
大学3年生のときに副主将を務めていました。その年、チームは史上初めて「関東ファイナルフ4」と呼ばれる関東圏の大学におけるベスト4の成績を残しましたし。この結果は目標にしていたものであり自分の中でも非常に印象的で、自分自身の就職活動でも大きなアピールポイントとなりました。
特に意識した点は、面接での伝え方です。「結果」だけでなく、その過程を重視して話しました。「なぜ頑張ったのか」「どのような課題に向き合い、解決策を考えたのか」「どんな努力をしたのか」という点を詳しく伝えることが大切だと感じていました。副主将として、チーム全体のために貢献すること、また個人としての成長に努めること、この両方を意識して活動しました。
結果的に、この経験を就職活動で具体的に伝えることで、企業からの評価につながったと思います。
最後に、体育会系としての就活で学んだことや大切にしていることがあれば教えてください。
体育会系としての経験は、何事にも諦めずに挑む精神や、チームでの協力が重要だと学びました。就活においてもそれは大切な要素で、結果だけでなく、そこに至るまでのプロセスや努力が評価されるべきだと思っています。
大滝真穂 / 体育会ラクロス部トレーナー
2001年生まれ。東京都出身。小学1年生〜中学卒業までバスケに打ち込む日々を過ごす。高校では女子ラクロス部でプレイヤーとして活動し、大学からは男子ラクロス部のトレーナーへ転向し、創部初の関東リーグトップ4入りを果たす。その傍ら、大学2年生からStella Pointの長期インターンに参画。現在はキャリアデザイナーアシスタントとして日々、学生の就活サポートに取り組む。
部活動と就活の両立で培った計画力と効率的な時間管理の工夫
大学時代はどのような活動をされていましたか?
大学では男子ラクロス部に所属していて、トレーナーという役職を担当していました。トレーナーの役割は、いわゆるマネージャーとは異なり、選手の身体管理やケア、練習計画のサポートなど、選手たちがパフォーマンスを最大限に発揮できるようサポートすることが主な仕事です。
男子ラクロス部に入部されたきっかけは何だったのでしょうか?
高校時代に女子ラクロス部に所属していて、ラクロスというスポーツの魅力を感じていました。その経験から、大学でもラクロスに関わりたいと思い続けていました。男子ラクロス部は特に有名で、全国レベルの試合にも出場する強豪チームでした。そのような高いレベルの環境で学びたいという思いが入部のきっかけでした。
トレーナーという役職にはどのようなやりがいや挑戦がありましたか?
トレーナーとしての役割は、選手たちの身体管理や練習サポートといった専門性が求められる仕事でした。特に印象的だったのは、1年生の育成を担当した経験です。大学スポーツでは、1年生が厳しい練習や新しい環境に適応するのが課題となります。選手一人ひとりの特性を理解し、それに合わせたサポートを行うことで、選手が効率よく成長できる環境を整えることを目指しました。
また、試合前後のサポートも重要な仕事でした。大きな試合前には選手の緊張を和らげ、試合後にはリカバリーをサポートするなど、メンタル面やフィジカル面のケアを両立させることにやりがいを感じました。
選手たちの士気が非常に高く、チームの一体感を強く感じました。この経験は、迅速な判断力や冷静な対応力を養う大きな機会にもなりました。
部活動の経験は就職活動にどのように活かされましたか?
面接では「どのようにチームを支えましたか?」といった質問をよく受けました。私は、1年生の育成やチーム全体を支えるために行った具体的な工夫をエピソードとして伝えるようにしました。例えば、選手たちが目標を達成するために必要な練習計画の見直しや、個別の課題に対応するサポートの事例を挙げました。
また、トレーナーとして選手一人ひとりと信頼関係を築いた経験は、社会人としてのチームワークや協調性をアピールするポイントになりました。
部活動と就職活動の両立は大変だったのではないですか?
そうですね。男子ラクロス部は全国レベルの強豪チームで、練習スケジュールが非常にハードでした。そのため、就活に本腰を入れるタイミングが遅くなったのは事実です。ただ、インターンシップでの経験があったため「これで大丈夫だろう」という気持ちもありました。
焦りを感じたのは、友人たちが就活を本格的に始めた頃です。そこから、限られた時間を効率よく使うために計画的に取り組むようにしました。部活動で培った計画力が役立ち、最終的には納得のいく結果を得られました。
最後に、体育会学生へのアドバイスをお願いします。
部活動だけでなく、インターンシップやアルバイトなど、他の経験にも積極的に挑戦することをお勧めします。部活動で得たスキルは貴重ですが、それだけでなく社会人としての基礎知識やビジネススキルを身につけることで、自信を持って就活に臨むことができます。
また、自分の部活動の経験をどのように社会で活かせるかを深く考えることが重要です。具体的なエピソードを通じて努力や忍耐、コミュニケーション能力を伝えることで、採用担当者に自分の価値をアピールできると思います。
部活動で培ったスキルと成長&両立の難しさ
体育会学生の大きな特徴は、部活動を通じて得た忍耐力、チームワーク、責任感といった社会でも活かせるスキルです。
一方で、体育会学生が直面する大きな課題の一つが、部活動と就活の両立です。練習や試合で忙しい日々を過ごす中で、就活の準備が後回しになりがちです。今回話していただいた3名もハードなスケジュールの中で、周囲より遅れて就活を始めることになり、焦りを感じる場面があったようです。
しかし、彼らは部活動で培った計画力を活かし、限られた時間の中で効率的に準備を進めました。具体的には、スケジュールを細かく立てて面接対策や企業研究を行い、部活動と就活のバランスを取りながら成功を収めました。
就活での強みを最大限に活かす方法
体育会学生が就活で成功するためには、自分の強みを理解し、それを企業に適切にアピールすることが重要です。また、部活動以外の経験を積極的に取り入れることも重要です。
体育会学生へのアドバイス
体育会学生の皆さんには、以下のポイントを意識して就活に臨んでいただきたいと思います。
部活動の経験を棚卸しする
自分がどのような役割を果たし、何を達成したのかを整理し、それを具体的なエピソードとして言語化しましょう。
部活動以外の経験を積む
インターンシップやアルバイトなどを通じて、多角的な視点を養いましょう。これにより、部活動で培ったスキルをより魅力的に伝えられます。
計画的に就活を進める
忙しい部活動の合間を縫って就活を進めるには、計画力が不可欠です。短期間でも集中して取り組める環境を作りましょう。
まとめ
体育会学生は、部活動を通じて培った忍耐力やチームワーク、精神的なタフネスといった強みを持っています。しかし、その強みを就活で効果的に伝えるためには、準備や戦略が必要です。自分の経験を振り返り、具体的なエピソードを通じてアピールすることが成功の鍵となります。
体育会での経験は、スポーツの枠を超えた普遍的なスキルを提供してくれるものです。これを活かしながら、より良いキャリアを築いていってほしいと思います。本ストーリーが体育会学生や企業の参考になれば幸いです。