3分でわかる住宅業界|ハウスメーカー・工務店・不動産会社の違いは?
家を扱っている会社って、全部同じ?
ハウスメーカー。工務店。不動産会社。住宅販売会社。リフォーム会社。
就活をしていると、「家」に関わる会社って意外とたくさん出てきます。
でも、
「ハウスメーカーと工務店って何が違う?」
「不動産会社も家を売ってるよね?」
と聞かれると、意外と説明するのが難しい。
まずは3分で、住宅業界の全体像を整理してみましょう。
まず30秒で!住宅業界とは?
住宅業界をざっくり言えば、私たちが暮らす住宅の企画・設計・建築・販売・流通・管理・リフォームなどに関わる企業や仕事の世界です。
ポイントは、「住宅業界」という一つの公的な産業分類があって、すべての住宅会社がそこに入っているわけではないこと。
日本標準産業分類を見ると、住宅の建築工事は「建設業」、建物や土地の売買・仲介などは「不動産業、物品賃貸業」などに分類されます。つまり就活でいう「住宅業界」は、複数の産業・事業にまたがる言葉として考えると分かりやすいです。統計局
「家」ができて、届いた後まで
住宅に関わる仕事をシンプルに並べると、
土地 → 企画 → 設計 → 施工 → 販売・仲介 → 入居 → 管理・メンテナンス・リフォーム
といった流れがあります。
もちろん、すべての住宅がこの順番で動くわけではありません。
注文住宅ならすでに土地を持っているお客様もいますし、土地探しから住宅会社がサポートする場合もあります。分譲住宅なら、企業側が土地や住宅を企画し、建築した住宅を販売するケースもあります。
つまり住宅業界には、「家をつくる」以外にも、「売る」「つなぐ」「守る」仕事があるということです。
ハウスメーカーって何する会社?
一般に「ハウスメーカー」と呼ばれる企業には、住宅の商品企画から提案、設計、施工、販売、アフターサービスまで幅広く関わる会社があります。
注文住宅なら、お客様の家族構成や予算、土地、間取り、設備、ライフスタイルなどを聞きながら、一緒に住宅を考えていくこともあります。
ただし、「ハウスメーカー=注文住宅の会社」ではありません。
分譲住宅、賃貸住宅、集合住宅、リフォーム、不動産、街づくりなどまで手がける会社もあります。
そして「ハウスメーカー」は、すべての会社を明確に線引きする公的な産業分類ではありません。就活では名前だけで判断せず、その会社が実際に何をしているのかを見ることが大切です。
じゃあ、工務店は?
工務店も、住宅の設計や施工などを担う会社があります。
地域に根ざして住宅づくりを行う会社も多いため、
「ハウスメーカー=全国規模」
「工務店=地域の小さな会社」
というイメージを持っている人もいるかもしれません。
でも、この分け方だけでは不十分です。
複数地域で展開する工務店もあれば、独自の商品を持つ会社、設計やデザインに強い会社、施工を得意とする会社、リフォームまで行う会社もあります。
ハウスメーカーと工務店の間に、すべての企業をきれいに分けられる一本の線があるわけではない。
ここは覚えておきましょう。
不動産会社は何が違う?
ここが一番混ざりやすいところ。
不動産会社には、たとえば売買仲介・賃貸仲介・建物や土地の売買・不動産管理など、さまざまな事業があります。
日本標準産業分類でも、「建物売買業・土地売買業」と「不動産代理業・仲介業」は分けて整理されています。仲介は、主として不動産の売買や貸借などの代理・仲介を行う事業です。統計局
だから、
家をつくることを中心にする会社と、
土地や建物の取引・流通・管理などを中心にする会社では、
同じ「家」に関わっていても役割が違います。
ただし、ここにも例外があります。
住宅会社が不動産仲介や開発を行うこともあれば、不動産会社が住宅の開発・販売などを行うこともあります。
会社名ではなく、事業内容を見る。
これが住宅業界研究の大事なポイントです。
一発で整理!3つの違い
注文住宅と建売・分譲住宅って何が違う?
ここも住宅会社を見るうえで重要です。
国土交通省の住宅支援事業では、注文住宅を、自ら住むことを目的とする建築主が工事請負契約に基づいて建築する新築住宅、分譲住宅を、自ら住むことを目的とする購入者が不動産売買契約で購入する新築住宅として区分しています。子育てグリーン住宅支援事業【公式】
学生向けにもっとシンプルにすると、
注文住宅
→ お客様の希望などを踏まえながら建てる住宅
建売・分譲住宅
→ 事業者側が企画・建築した土地・住宅などを購入する形
というイメージです。
ただし、「注文住宅=何でも完全自由」「建売住宅=全部同じ」という意味ではありません。規格や選択肢、設計自由度などは会社・商品によって違います。
住宅会社って、どうやって売上をつくるの?
ここも会社によって全然違います。
注文住宅の建築請負を中心にする会社もあれば、分譲住宅の販売、賃貸住宅、リフォーム、メンテナンス、不動産など複数の事業を行う会社もあります。
つまり、「住宅会社」という名前だけではビジネスモデルまでは分からないということ。
企業研究では「この会社は何を売って、どこで売上をつくっているんだろう?」まで見ると、会社同士の違いが一気に見えやすくなります。
住宅営業って、家を売るだけ?
たとえば注文住宅の営業なら、
お客様と出会う → 希望を聞く → 予算や土地を確認 → プランを検討 → 設計・施工担当と連携 → 提案・契約 → 引き渡し
と、長い期間お客様と関わる会社もあります。
でも、これも会社によって違います。
注文住宅なのか、分譲住宅なのか。リフォームなのか、不動産仲介なのか。お客様との出会い方も、展示場、問い合わせ、紹介、法人営業などさまざまです。
だから求人票に「営業職」と書いてあったら、**「何を売る営業?」「誰に売る?」「どうやってお客様と出会う?」**まで確認してみましょう。
住宅業界=営業だけじゃない
住宅業界には、営業以外にも設計、施工管理、インテリアコーディネーター、商品企画、住宅開発、用地仕入れ、アフターサービス、リフォーム、マーケティング、管理部門などがあります。
専門資格が必要・重視される仕事もありますが、営業や企画、管理系など、文系学生を採用する会社もあります。
「建築を勉強してないから住宅業界は無理」と、最初から外す必要はありません。応募条件は企業・職種ごとに確認しましょう。
設計・施工管理・職人も違う!
ここも混同注意です。
設計は、建物のプランや図面などを考える仕事。建築士は、免許を受けて建築物の設計や工事監理などを行う専門資格者です。国土交通省
一方の施工管理は、工事を計画通り進めるため、品質・工程・安全・原価などを管理・調整する仕事です。国土交通省の資料でも、施工管理に品質・コスト・工程・安全などの管理能力が挙げられています。国土交通省
そして職人は、大工・電気・設備・内装など、実際の施工を専門的に担う人たち。
つまり、
設計=考える
施工管理=工事を管理・調整する
職人=専門技術で施工する
というイメージから入ると分かりやすいです。
住宅業界で身につく可能性がある力
職種によりますが、住宅営業ならヒアリング力や提案力、設計・施工系なら住宅・建築の専門知識、多くの関係者と仕事を進める職種なら調整力やプロジェクトを進める力などが磨かれる可能性があります。
ただし、「住宅業界に入れば必ず身につく」という話ではありません。どの会社で、どんな仕事を、どこまで担当するかまで見ることが大切です。
大変なところも知っておこう
住宅は、予算・土地・間取り・設備・スケジュールなど、たくさんの条件を整理しながら進める仕事があります。
営業、設計、施工担当、協力会社、金融機関、不動産会社など、複数の関係者との調整が必要になるケースもあります。
だからこそ、華やかな完成写真だけではなく、完成するまでにどんな仕事があるのかを見ることが大切。
休日や働き方、営業目標、転勤、残業などは企業・職種・配属によって異なるので、「住宅業界は○○」と一括りにせず、各社の募集要項や説明会で確認しましょう。
こんな人は住宅業界を見てみてもいいかも
家や暮らしに興味がある。人の希望を聞いて提案する仕事が気になる。複数の人と協力して一つのものをつくりたい。形に残る商品に関わってみたい。
そんな興味があるなら、一度見てみる価値はあります。
ただし、「家が好き=住宅業界が向いている」ではありません。
実際に自分が担当する仕事まで見て判断しましょう。
「家が好き」だけで決める前に
「インテリアが好き」
「おしゃれな家に関わりたい」
「住宅営業なら稼げそう」
「大手なら安心そう」
入口はそれでもOK。
でも、企業研究ではもう一歩だけ深く見てみましょう。
何を扱ってる?
誰がお客様?
どこまで自社でやってる?
営業はどうやってお客様と出会う?
自分はそこで何をする?
この5つが分かると、同じ「住宅会社」でも違いがかなり見えてきます。
就活生が勘違いしやすい住宅業界
「ハウスメーカー=不動産会社」ではありません。「工務店=小さいハウスメーカー」とも限りません。
「住宅会社=注文住宅だけ」でも、「住宅営業=完成した家を売るだけ」でもありません。
そして「施工管理=大工」でも、「住宅業界=営業しかない」でもありません。
業界名・会社名・職種名だけで仕事内容を決めつけない。
住宅業界研究では、これがかなり大事です。
説明会では、ここを聞いてみよう
企業の違いを知りたいなら、こんな質問がおすすめです。
- 「御社の住宅事業では、注文住宅・分譲住宅など、どの事業が中心ですか?」
- 「営業職は、お客様との最初の接点から引き渡しまで、どこまで関わりますか?」
- 「営業・設計・施工管理は、どのように連携していますか?」
- 「新卒1年目は、どんな仕事から担当することが多いですか?」
- 「御社の住宅・サービスは、どんなお客様から選ばれることが多いですか?」
会社説明を聞くだけではなく、自分が入社したら何をするのかまで確認してみてください。
30秒でおさらい
✓ 住宅業界はハウスメーカーだけじゃない
✓ ハウスメーカー・工務店・不動産会社は、役割や事業が違う
✓ ハウスメーカーと工務店に、すべての企業を分ける明確な一本線があるわけではない
✓ 同じ住宅会社でも、注文住宅・分譲住宅・リフォームなどで仕事は変わる
✓ 会社を見るときは「何を・誰に・どう提供している?」まで見る
X-careerのCPから一言
「住宅業界、ちょっと気になるかも」と思ったら、次は**“住宅の何に興味があるのか”**まで考えてみてください。
お客様と一緒に注文住宅をつくりたい?完成した住宅を販売したい?設計したい?施工管理として工事を動かしたい?それとも土地や建物を扱う不動産の仕事?
同じ「家に関わりたい」でも、見るべき会社はかなり変わります。
知らない住宅会社を紹介されたときも、
「知らない会社だからナシ」ではなく、
「この会社って、結局何に強い会社?」
ここから企業研究を始めてみてください。