「商社って、結局何を売ってる会社?」
「商社に興味ある?」
そう聞かれて、海外・スーツ・営業・大企業くらいのイメージはあるけれど、「実際に何をしている会社?」と聞かれると説明できない人も多いのではないでしょうか。
商社が扱うものは、食品だけでも、機械だけでもありません。鉄鋼、化学品、電子部品、エネルギー、繊維、建材など、さまざまな産業に関わっています。
さらに現在の商社は、単に商品を仕入れて販売するだけではなく、物流や情報、市場開拓、金融、事業投資など、さまざまな機能を組み合わせてビジネスを展開しています。日本貿易会
まず3分で、**「商社がどこにいて、何をしているのか」**を整理してみましょう。
まず30秒で!商社とは?
かなりシンプルに言えば、
「必要なモノを持っている企業」と「それを必要としている企業」をつなぐ存在
というところから考えると分かりやすいです。
たとえば、あるメーカーが製品をつくるための材料を必要としているとします。
商社が仕入先を探し、商品を調達し、価格や数量、納期などを調整して、必要としている企業へ届ける。これが商社の原点ともいえる**トレーディング(商取引)**です。
ただ、現在の商社の仕事はそこだけではありません。
物流を整えたり、情報を集めたり、資金面を支えたり、新しい市場を開拓したり、企業や事業へ投資して経営に関わったりするケースもあります。日本貿易会も、商社の機能として商取引に加えてロジスティクス、ファイナンス、市場開拓、情報収集・リスクマネジメント、事業経営・事業投資などを挙げています。日本貿易会
つまり、
商社=仕入れて売るだけ
ではないんです。
まずはこれ!商社の基本的な仕組み
基本のイメージは、
メーカー・生産者
↓
商社
↓
メーカー・小売・事業会社など
です。
でも、ここで大切なのは、「間にいるだけ」ではないということ。
「どこから調達するか」「どう運ぶか」「価格や納期をどう調整するか」「どんな企業に販売するか」といった取引全体に関わることで、商社が価値を生み出しているケースがあります。
実際の商流はもっと複雑で、商社が原料調達から関わったり、国内外の複数企業をつないだり、事業そのものに投資・参画したりすることもあります。日本貿易会
総合商社って何?
一般に総合商社と呼ばれる企業は、特定の商品だけではなく、幅広い産業・商品・地域・事業を扱っています。
たとえば、機械・モビリティ、金属、エネルギー、化学品、食品、生活産業、デジタル、インフラ、不動産、物流など。実際、日本貿易会が紹介する商社の事業分野も非常に広範囲です。日本貿易会
さらに現在は、商品を売買するトレーディングだけではなく、企業への出資や事業経営、バリューチェーンの構築などに関わるケースもあります。日本貿易会
ただし、すべての総合商社が同じ事業をしているわけではありません。
「総合商社=海外勤務」「総合商社=高年収」といった就職イメージではなく、まずその会社がどの事業で何をしているのかを見ることが大切です。
専門商社って何?
一方で、一般に専門商社と呼ばれる企業は、特定の商材や業界、分野などに強みを持つ商社です。
たとえば、鉄鋼、食品、化学品、機械、電子部品、繊維、医療関連、建材など。
ここで注意したいのが、
専門商社=一種類の商品しか扱わない会社
ではないこと。
特定分野を軸にしながら複数の商材を扱ったり、物流・加工・商品企画などまで事業を広げたりしている企業もあります。
そして、専門商社=総合商社より小さい会社という意味でもありません。
総合商社と専門商社、結局何が違う?
ここも、**「総合=広く浅く」「専門=狭く深く」**と決めつける必要はありません。
就活では名前だけで分類するより、実際の事業内容・商材・顧客を見ることの方が重要です。
なお、「総合商社」「専門商社」という言葉は就活やビジネスで広く使われますが、公的な産業分類をそのまま二つに分けた名称ではありません。「商社」という言葉自体にも一つの厳密な定義があるわけではないため、就活では企業の実態を見ることが大切です。統計局
商社とメーカーって何が違う?
ここは混ざりやすいポイントです。
メーカーは、素材・部品・製品・設備など、モノを生み出すことを事業の中心とする企業。
対して商社は、商品や原材料などを調達・販売し、企業と企業の取引をつないだり、その周辺の物流・情報・事業などを動かしたりすることを中心とする企業です。
ただし現実には、メーカー自身が販売機能を持っていますし、商社が製造・加工機能を持ったり、製造会社へ出資したりすることもあります。
だから、
メーカー=つくる、商社=売る
だけで覚えるのも少し単純すぎます。
商社ってどうやって売上・利益をつくるの?
トレーディングでは、商品を仕入れ、顧客へ販売します。その取引の中で生まれる売買差益やコミッションなどが収益につながります。
さらに、商社によっては物流・加工・サービスなどから収益を得たり、出資した事業会社の利益を取り込んだりするケースもあります。
日本貿易会も、商社の収益について売買に伴う利ざや、販売コミッション、事業投資による持分利益など、複数の形があると説明しています。日本貿易会
なので、「安く買って高く売る会社」だけで理解すると、現在の商社の一部しか見えていません。
商社の営業って何するの?
たとえば顧客企業から、
「この材料を安定して仕入れたい」
「新しい仕入先を探したい」
「海外から調達したい」
「こんな製品をつくりたい」
という相談があったとします。
商社営業は、顧客のニーズを理解し、仕入先を探し、価格や数量などの条件を調整し、物流・納期も含めて社内外の関係者と連携することがあります。
企業や商材によっては、商品企画、新規事業、海外取引、加工、技術提案などに関わることもあります。
だから商社営業も、「商品を持って行って売るだけ」ではありません。
もちろん営業スタイルは、企業・商材・顧客によってかなり違います。
商社=営業だけ?海外で働く?
商社にも営業以外に、事業企画・事業開発・物流・貿易関連・財務・経理・法務・人事・情報システムなど、さまざまな仕事があります。
また、商社には海外拠点や輸出入、海外企業との取引を持つ会社もあります。日本貿易会も、商社が国内取引だけでなく、輸出・輸入・外国間の取引などに関わってきたことを紹介しています。日本貿易会
でも、
「商社に入れば海外で働ける」
とは限りません。
国内企業との取引を中心にする会社・部署もあります。海外業務をしたい場合は、企業名ではなく、どの部署・商材・職種で海外との接点があるのかまで確認しましょう。
商社で身につきやすい力は?
仕事によって違いますが、顧客ニーズを理解する力、商材・業界への専門知識、社内外との調整力、提案力、取引全体を見る力などが求められる仕事があります。
ただし、「商社に入れば全部身につく」わけではありません。
何を経験できるかは、会社だけでなく配属・職種・担当商材によって変わります。
商社の大変なところは?
扱う商材や業界について、継続的に知識を身につける必要がある仕事もあります。
また、仕入先と販売先の間に立つ仕事では、価格・納期・品質・在庫・物流など複数の条件を調整することもあります。
海外取引であれば、為替、輸送、各国の制度や国際情勢などがビジネスに影響するケースもあります。
もちろん、これらがすべての商社・職種に当てはまるわけではありません。
「商社だから○○」ではなく、その会社・商材・仕事を見る。
これが大切です。
こんな人は、商社を見てみてもいいかも
企業と企業をつなぐ仕事に興味がある人、法人営業が気になる人、一つの業界や商材について深く知りたい人、社内外の人と連携しながら仕事を進めたい人などは、商社の仕事内容を一度調べてみてもいいかもしれません。
ただ、これも「当てはまれば商社向き」という診断ではありません。
自分が面白いと思える商材・顧客・仕事があるかまで見て判断してみてください。
「商社=○○」だけで決めるのはもったいない
「海外で働けそう」
「高収入そう」
「華やかそう」
「コミュ力を活かせそう」
こうした興味を持つこと自体は悪くありません。
ただ、そのイメージだけで会社を選ぶと、実際の仕事とのギャップが出る可能性があります。
逆に、
「専門商社だから小さそう」
「知らない会社だから微妙そう」
と判断するのも早いです。
まずは、何を扱い、誰と取引し、どんな価値を提供している会社なのかを調べてみましょう。
就活生が勘違いしやすい商社
「商社=商品を右から左へ流すだけ」
→ 物流・情報・市場開拓・金融・事業投資などまで関わる企業があります。
「商社=海外で働く会社」
→ 国内中心の事業・職種もあります。
「総合商社=商社の上位版」
→ 単純な上下関係ではありません。扱う領域や事業構成などが違います。
「専門商社=小さい会社」
→ 「専門」は会社規模ではなく、特定の商材・業界などへの強みを表す文脈で使われます。
「商社とメーカーは同じ」
→ メーカーはモノづくり、商社は商取引やその周辺機能が事業の中心になる傾向があります。ただし、実際の企業には両方の機能を持つケースもあります。
「商社=営業しかない」
→ 事業企画、物流、貿易、財務、法務、人事など、企業によってさまざまな仕事があります。
商社を見るなら、ここを比較しよう
会社説明会や求人票を見るときは、「総合商社か専門商社か」だけで終わらせないのがポイントです。
①何を扱っている?
②誰から仕入れている?
③誰に販売している?
④どんな業界に関わっている?
⑤トレーディング以外にどんな機能・事業がある?
⑥自分が応募する職種は何をする?
⑦勤務地・配属・海外業務・研修はどうなっている?
このあたりまで見えると、同じ「商社」でも会社ごとの違いがかなり分かってきます。
説明会で聞いてみよう!
商社の説明会なら、こんな質問をしてみると仕事内容が見えやすくなります。
「御社が特に強みを持つ商材・業界はどこですか?」
「営業職は、仕入先と販売先それぞれにどのように関わりますか?」
「トレーディング以外には、どのような機能・事業がありますか?」
「新卒1年目はどのような商材・顧客を担当することが多いですか?」
「海外取引や海外勤務は、どの事業・部署で経験する可能性がありますか?」
会社の名前やイメージではなく、**「自分が入社したら何をするのか」**まで確認してみてください。
30秒でおさらい
✓ 商社は「仕入れて売るだけ」の会社ではない
✓ 企業と企業をつなぎ、取引や事業を動かす役割がある
✓ 総合商社と専門商社は単純な上下関係ではない
✓ メーカーと商社では、ビジネスの中心となる役割が違う
✓ 商社を見るなら「何を・誰から・誰に・どう提供しているか」を見る
X-careerのCPから一言
「商社ちょっと気になるかも」と思ったら、次は**“何を扱う商社に興味があるのか”**まで見てみましょう。
「商社」という名前だけで会社を見ると、実はかなり幅があります。
見るときは、
「何を扱ってる?」
「誰から仕入れてる?」
「誰に売ってる?」
「間に入ってどんな価値を出してる?」
「自分はそこで何をする?」
この5つを考えてみると、会社ごとの違いがかなり分かりやすくなります。
知らない専門商社を紹介されたときも、「知らない会社だからナシ」ではなく、
「この会社って、何に強い商社?」
くらいの感覚でCPに聞いてみてください。