デベロッパー・仲介・管理って何が違う?
「不動産業界って、家を売る仕事?」
就活を始めて、
「不動産業界に興味ある?」
と聞かれても、
「家とかマンションを売る仕事ですよね?」
くらいのイメージしかない人も多いかもしれません。
でも、実際の不動産業界はもっと広いです。
街そのものをつくる会社もあれば、家を売りたい人と買いたい人をつなぐ会社、マンションやビルを長く使えるように管理する会社もあります。
同じ「不動産業界」でも、会社によって仕事内容はかなり違う。
まずは、その全体像を3分で整理してみましょう。
まず30秒で!不動産業界とは?
不動産業界をものすごく簡単に言えば、
「土地や建物に関わる仕事をする業界」
です。
ただし、土地や建物を扱っていれば全部同じ仕事、というわけではありません。
たとえば、
つくる・売る・貸す・つなぐ・管理する。
不動産に対して「何をする会社なのか」によって、ビジネスモデルも仕事内容も変わります。
実際、不動産協会の会員企業にも、住宅地・都市の開発、住宅やマンションの分譲、ビルの経営・管理、仲介、不動産証券化など幅広い事業があります。不動産協会
だから企業研究では、
「不動産会社かどうか」ではなく、「不動産の何をやっている会社なのか?」
を見ることが大切です。
① デベロッパー=「つくる」
「デベロッパー」という言葉、就活で初めて聞いた人もいると思います。
イメージとしては、
「土地や街の可能性を考えて、開発プロジェクトを動かす側」
です。
土地を取得し、
「ここに何をつくる?」
「どんな街にする?」
と企画して、マンション・オフィス・商業施設などの開発を進めていきます。
大規模な都市再開発もデベロッパーが関わる代表的な領域です。不動産協会も、都市開発やまちづくりを不動産会社の重要な事業として紹介しています。不動産協会
ここで注意したいのが、
デベロッパー=ゼネコンではない
ということ。
ざっくり言えば、デベロッパーは**「何をつくるかを企画してプロジェクトを推進する側」、ゼネコンは「建設工事を担う側」**です。
もちろん実際のプロジェクトでは、多くの会社・専門家が一緒に動きます。
② 仲介=「つなぐ」
仲介は、その名前の通り、
不動産を「売りたい・貸したい側」と「買いたい・借りたい側」をつなぐ仕事。
大きく分けると、イメージしやすいのは売買仲介と賃貸仲介です。
売買仲介
「マンションを売りたい」
という人と、
「マンションを買いたい」
という人をつなぐ。
戸建てや土地、法人向け不動産などを扱うケースもあります。
賃貸仲介
「この部屋を貸したい」
という側と、
「ここに住みたい」
という人をつなぐ。
みなさんが部屋探しで不動産屋さんへ行く場面は、こちらの方がイメージしやすいかもしれません。
宅地・建物の売買や貸借の「媒介(仲介)」などを事業として行うには、宅地建物取引業法上の免許が必要です。また、仲介手数料などの報酬には国が定めるルールがあります。国土交通省北陸地方整備局
③ 管理=「守る・運営する」
建物は、完成したり入居者が決まったりしたら終わりではありません。
そこから長く使い続けるための仕事があります。
たとえば賃貸住宅の管理なら、建物・設備の点検や清掃、必要な修繕、家賃等の管理、オーナーへの報告、入居者からの相談・苦情への対応などがあります。国土交通省
つまり、
「建物や暮らしを継続的に支える仕事」
と考えると分かりやすいです。
ただし、「管理」も全部同じではありません。
賃貸管理・建物管理・マンション管理などで、誰を相手に何を管理するのかが変わります。
「管理=事務作業」と思っていると、意外とギャップがあるかもしれません。
同じ「不動産営業」でも、仕事内容は全然違う。
ここは就活でかなり大事です。
求人票に、
「営業職」
と書いてあっても、それだけでは仕事内容はほとんど分かりません。
個人のお客様なのか、法人なのか。
新規営業なのか、問い合わせ対応が中心なのか。
売買なのか、賃貸なのか。
一度の取引を進める仕事なのか、オーナーと長く関係を築いていく仕事なのか。
全部違います。
だから、
「自分は不動産営業に向いている?」
だけで考えるのではなく、
「どんな不動産営業なら、自分は面白いと思える?」
まで見てみてください。
不動産業界では、どんな力が身につきやすい?
もちろん会社や職種によりますが、不動産の仕事ではこんな力を伸ばせる可能性があります。
提案力
お客様の希望を聞き、条件に合った選択肢を考える。
顧客理解・関係構築力
住宅など、人生の大きな意思決定に関わる仕事では、相手を深く理解することが重要になります。
交渉・調整力
売主・買主、貸主・借主、オーナー、社内外の専門家など、複数の関係者と調整する場面があります。
数字への意識
営業目標や取引金額、物件の収益性など、数字と向き合う仕事もあります。
不動産・法律などの専門知識
取引には契約や権利関係なども関わるため、仕事を通じて専門知識を身につける機会があります。
もちろん、大変なところもある。
不動産業界を「華やかそう」「稼げそう」だけで見るのもおすすめしません。
営業職なら成果目標が設定される会社もありますし、大きな金額を扱うからこその責任もあります。
お客様やオーナー、取引先との調整が必要な仕事もありますし、契約や不動産について覚えることもあります。
また、個人のお客様を相手にする仕事では、土日・祝日に商談が入りやすいケースもあります。
一方で、休日・給与・評価制度・営業方法・働き方は会社や職種によってかなり違います。
「不動産業界だから〇〇」と決めつけず、企業ごとに確認するのが大切です。
「宅建がないと、不動産会社には入れない?」
これもよくある勘違いです。
「不動産会社に入社する人全員が、入社時点で宅建を持っていなければならない」という仕組みではありません。
宅地建物取引業者には、事務所ごとに業務従事者5人に1人以上の割合で、専任の宅地建物取引士を置くルールがあります。国土交通省
そのため、宅建を持っていることを評価したり、入社後の取得を推奨・支援したりする企業はありますが、新卒採用時の必須条件かどうかは企業・職種ごとに確認しましょう。
こんな人は、不動産業界を見てみてもいいかも。
たとえば、
「人の大きな意思決定に関わってみたい」
「金額の大きな商材を扱ってみたい」
「成果が数字で分かる仕事に興味がある」
「人と長く関係をつくる仕事がしたい」
「街・建物・暮らしそのものに興味がある」
こう感じる人なら、不動産業界の中に面白い仕事が見つかるかもしれません。
大事なのは、
「不動産に向いている性格か」ではなく、「どの仕事なら自分が面白いと思えるか」。
ここです。
逆に、イメージだけで決めるのはちょっと待って!
「家を見るのが好き!」
もちろん、興味を持つきっかけとしては全然OK。
でも、実際の仕事は「家を見ること」だけではありません。
「有名な会社だから」
「なんとなく稼げそう」
「街づくりってカッコいい」
という理由も同じです。
その興味を入口にして、
「実際に自分が担当する仕事は何?」
まで確認してみましょう。
就活生が勘違いしやすい不動産業界
「不動産=家を売る」
→ 開発・仲介・賃貸・管理など、いろいろあります。
「不動産会社は全部似ている」
→ 何を扱うか、誰がお客様か、どう収益を上げるかで大きく違います。
「宅建がないと入社できない」
→ 全員に一律で必要という制度ではありません。企業・職種ごとの応募条件を確認しましょう。国土交通省
「不動産=個人営業」
→ 法人を相手にする仕事もあります。
「不動産=土日休めない」
→ これも会社・事業・職種によります。年間休日や休日制度まで求人票で確認しましょう。
不動産会社を見るなら、ここを比較しよう!
企業説明会や求人票を見るときは、会社名だけではなく、
① 何の不動産事業をやっている?
② 誰がお客様?
③ BtoB? BtoC?
④ 新卒は具体的に何を担当する?
⑤ 営業なら、どうやってお客様と出会う?
⑥ 何を基準に評価される?
⑦ 勤務地・休日・働き方は?
この7つを比較してみてください。
同じ「不動産営業」という求人でも、この7つを並べるだけで全然違う仕事に見えてくるはずです。
説明会で聞いてみよう!
せっかく説明会に行くなら、仕事内容が分かる質問をしてみましょう。
「新卒1年目は、どんなお客様・物件を担当することが多いですか?」
「お客様との最初の接点は、問い合わせ・紹介・新規開拓など、どの方法が多いですか?」
「若手で成果を出している方に共通する行動はありますか?」
「営業職の場合、どんな数字や行動が評価されますか?」
「繁忙期と通常期で、働き方はどのように変わりますか?」
このあたりを聞けると、**求人票だけでは見えない“実際の仕事”**がかなり分かります。
⑤ 30秒でおさらい!
✓ 不動産業界は「家を売る仕事」だけじゃない。
✓ デベロッパー=つくる、仲介=つなぐ、管理=守る・運営する。
✓ 同じ「不動産営業」でも、お客様・商材・営業方法は違う。
✓ 「不動産業界が合う?」より「どの不動産の仕事が合いそう?」で考える。
✓ 会社を見るときは、業界名だけでなく「その会社が何で売上をつくっているのか」まで確認する。
X-careerのCPから一言
ここまで読んで、
「不動産、ちょっと面白そうかも」
と思ったら、次は「不動産業界に行くかどうか」を決める必要はありません。
まず、
「どの仕事なら興味がある?」
を考えてみてください。
「仲介よりデベロッパーが気になる」
「個人営業より法人営業を見てみたい」
「意外と管理が面白そう」
それだけでも十分です。
気になる会社が出てきたら、
「この会社って、不動産の中では何をやってる会社?」
くらいの感覚でCPに聞いてください。
一緒に整理していきましょう。