私がITの世界に興味を持ったきっかけは、独学で Linux を触り始めたことでした。
当時は PC パーツを秋葉原で買い集めて自分で組み立て、CD-ROM から Linux をインストールしていました。今のように数クリックで環境が作れる時代ではなく、エラーが出れば調べて直し、また試してみる。その繰り返しでした。
そんな中で今でもよく覚えているのが、初めて Apache を設定したときのことです。自分で作った HTML がサーバ経由でブラウザに表示された瞬間は、感動しました。
また、当時は Linux の操作そのものが新鮮で、リモート端末から SSH でサーバーにログインし、eject コマンドを実行して離れた場所にある CD ドライブのトレイが開いたときにも声を出して感動しました。「遠くにあるコンピュータを自分の手で操作できる」という体験は、とても印象に残っています。
今では大したことないように感じることですが、当時の私にとってはどちらも大きな感動でした。コンピュータの仕組みが少しずつつながっていく感覚が面白く、一気にこの世界に引き込まれました。
その後はインフラエンジニアとして、実機サーバの運用にも携わりました。当時はサーバへの攻撃や障害が発生すると、データセンターへ向かって対応することも珍しくありませんでした。
物理サーバの管理は大変でしたが、その分 OS やネットワーク、ハードウェアなど、インフラの基礎をしっかり学ぶことができました。
そして時代はクラウドへ。
クラウドの普及によって、ハードウェア故障やサーバー設置といった実機ならではの苦労から解放されました。一方で、今度は IAM やネットワーク、セキュリティ設定など、理解しなければならないクラウドサービスが爆発的に増えました。
実機の面倒を見る必要はなくなったものの、「なぜこの設定で動くのか」「どのサービスを使うべきなのか」と悩む時間はむしろ増えた気がします。
さらに最近は、AI によって仕事の進め方も大きく変わっています。
以前は新しいサービスを理解するために、分厚いドキュメントを読み込みながら必要な情報を探していました。今ではまず AI に質問し、概要や設定方法を整理してもらうことで、理解のスタート地点に立つまでの時間が大幅に短縮されました。
もちろん最終的には公式ドキュメントや実機検証が欠かせませんが、「何を調べればいいのか」を素早く把握できるようになったのは大きな変化です。
Linux を触り始めた頃は、PC を組み立ててサーバを立てること自体が挑戦でした。実機サーバの時代を経て、クラウドの時代になり、今は AI がその学習や運用を支援してくれる時代になっています。
技術はどんどん変わりますが、新しい仕組みを理解し、自分の手で動かしてみる楽しさは昔も今も変わりません。これからも変化を楽しみながら、新しい技術にチャレンジし続けていきたいと思っています。