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【社内活動】アウトドアリテラシーを向上し、業務に活かす!「アウトドアカフェ」開催

こんにちは。採用担当の小野です。弊社では社員のアウトドアリテラシーを向上させるため、「アウトドアカフェ」という勉強会を開催しています。先日、1シーズンを通した総括Q&Aを行いましたので、その模様をご紹介します。アウトドアの大先輩からの金言に、社員一同得るものだらけ!貴重なアドバイスの数々をぜひ参考にしてください。


「アウトドアカフェ」とは?

スペースキーでは、アウトドアレジャーに関わる産業・業界に対して、様々なサービスを提供しています。アウトドアレジャーを生業にしている以上、業界の現状や課題、成り立ちなど、最低限の知識は持ち合わせていなくてはいけない。社員のアウトドアリテラシーを向上し、サービス運営に役立てたいという想いから、アウトドアカフェをスタートしました。カフェに立ち寄るように、気軽に参加して欲しいという意味も込めて、「カフェ」というワードを採用しています。


話してくれた方

加藤 文人氏

新卒で、三井不動産販売株式会社(現 三井不動産リアルティ株式会社)に入社。財務部にて資金の運用・調達から事業計画、上場審査、株価算定など多くの業務を経験。社内ベンチャー制度により、1995年にPICAを設立。(https://www.pica-resort.jp/)『人と人、人と自然のインターフェースになる』を企業理念に、アウトドア・飲食物販・アミューズメントを核とした事業を展開。現在は自身を「オルタナティブリゾートプロデューサー」と称し、日本各地の地域創生・リノベーションに携わる。


三浦 務氏

大手百貨店、外資アウトドアリテーラーを経て、2001年に株式会社ゴールドウィン入社。ザ・ノース・フェイスの販売・プロモーションに携わる。好きが講じて、数々のトレイルラン大会のプロデュースも手掛ける。2012年には山梨県・静岡県をまたいだ「ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)」を、実行委員長である鏑木毅氏と共に開催。現在に至るまで、大会の調整・運営に全力を注ぐ。現在は、コンサベーション・アライアンス・ジャパン(CAJ)にも所属し、各地の環境保護活動支援に携わる。


講義内容

#1 “アウトドア業界のレガシー”をHACKせよ

#2 PICA誕生・・・ゼロから始めるということ

#3 起爆剤はあるのか?過去のブームから考える人口増加

#4 地域振興とアウトドア

#5 アウトドアで地域振興は可能か?

#6 儲かるエコ ~サーキュラーエコノミーの観点から~

#7 この状況は知っておいた方がいい ~ブランドの動き・フィールドの現状~

#8 考え方アドバイス【課題と対策編 】~リープフロッグ・三井不動産販売PICA撤退・必要な観点~

#9 考え方アドバイス【課題と対策編 】~過去の課題とその時の対策、今後どうなる?~

#10 総括Q&A


全10回を通して、お二人に質問しました

Q.アウトドアレジャーに普段触れていない人に対して、ハマらせるのに最も効果的な方法は?

三浦氏:「これをやったらハマる!」というものがあれば、日本人はみんなハマってますよね(笑)。万人に効く特効薬はありませんが、ハマらせるには最初の感動が重要だと思います。私自身も、日本での登山の最初は、槍・穂高縦走でした。槍ヶ岳の山頂はその形から「穂先」と呼ばれているのですが、その穂先に夜明け前に登り、段々としらみ始めた空のはるかかなたの雲海からご来光を見たとき、一瞬でハマりました。すごいつらかったんですが、今まで生きてきた中で見たことのない感動をしたのを、今でもはっきりと覚えています。

アウトドアって、ロジックではハマらないものだと思います。それをさせるのは、大きな感動。それを一発目に与えてしまうのは最も効果的ではないでしょうか。もちろん個人の体力差などもあるので、全員が最初から槍・穂高縦走は難しいですが…。アルペンルートなどをうまく使いながら、見たことのない景色を味あわせてしまうのがよいと考えます。


加藤氏:私自身がアウトドアにハマっていないので難しいですが(笑)。ただ、PICAでもそうだったのですが、大事なのは「きっかけとボリューム」。たくさん呼んで体験してもらうことが大事だと考えます。

誰が何にハマるかなんて、誰にもわからない。だからたくさんのきっかけを提供すればいい。何でもいいんです。ご飯でもビールでも、野外フェスなんかまさにそうですね。それを、できるだけたくさんの人を呼んで、外に出てきてもらう。その中の1人でもアウトドアに興味を持ってもらえれば、それでいいのではないでしょうか。ハマるかどうかは、その人次第。多くの人が外に出て体験する機会が増えれば、おのずとアウトドア人口は増えていくのではと考えます。


Q.スペースキーに期待している点はありますか?

加藤氏:アウトドア業界は、昔ながらの業界です。そこに、先入観なく異業種から「アウトドアを変えていく」というところに期待しています。アウトドア業界をまっさらにし、ベースになれる可能性がある。


三浦氏:若い会社であることです。事業もそうだし、働いている人も若い。意欲ある若い皆さんが、これからの時代を作っていく。そこが魅力だと思うし、期待もしています。

異業種という話が出ましたが、かつて異業種が参入した時代もありました。ただ、彼らはブームが去ると同時にいなくなってしまった。スペースキーは異業種でありながら、本気を感じます。本質を掴んで、業界を変えようとしている。今までにない会社だなと感じましたね。


Q.逆に、「ここが課題」「ここが不足している」と思う点はありますか?

加藤氏:ある一定の会社のサイズ感、速度感を迎え事業がスケールしてくると、そこから先は急激に人が増えていきます。そうなると、薄まっていくんです。今までのような濃いやり方はできなくなる。フェーズが変わる。今、スペースキーはこの真っ只中にいます。フェーズの変え方を、平たく言えばあまり保守的になりすぎず、薄まるのを最小限に抑えるようなやり方がいいのでは。とてもハンドリングが難しい時期であるというのが、ある意味課題ですかね。


三浦氏:急拡大しているので、当然薄まる部分もある。どんな会社でもブランドでもあることです。別の点として気をつけてほしいのは、情報の扱い方ですかね。IT企業な訳だから当然ご存知だと思うのですが、何かを検索すると、膨大な情報が出てきますよね。それにはしっかりしたものもあれば、いいかげんなものもある。現在のネット上での情報の氾濫ぶりを見ると、情報を取ろうと思うが故に、変なところにはまってしまう危険性もあるのが気がかりです。

私見ですが、情報への判断力を鍛えるには「古典を読む」ことをおすすめします。古典を読むと、自分のものさし(指標)をもつことができる。古典には長年積み重ねられてきた本質が詰まっています。そういうものに触れながら、たくさんの情報に対して自分のものさしで判断していってほしいと思います。


Q.これまでの人生や仕事をする上で大切にしてきた考え方、根幹の部分について教えてください。

加藤氏:PICAは、アウトドアが好きではない私でも行きたくなるキャンプ場として作りました。キャンプ場を作ったら、行きつけのベルギービールを入れて、外でビールを飲みたい。そして「自然っていいね~」と言ってみたい。そんな空間が実現できたら、普段都会で飲んでいる人も外に来てくれるんじゃないか。ですが、PICAを作った当初は「こんなのキャンプじゃない」と猛批判に遭いました。業界内外から「PICAはキャンプじゃない」の大合唱。でも、自分が行きたい空間を作っただけ。PICAにはキャンプをやったことがない人が来てくれました。その内の何%かは、自然体験も楽しんでくれました。

中でも私が嬉しかったのは、ある知り合いのベテランキャンパーさんが、普段は仲間内でキャンプに行くのですが、奥様を連れてPICAに来てくれました。朝、いつもならバーナーで沸かしたお湯でコーヒーを淹れているのを、併設のカフェでコーヒーを楽しんでいました。そして、コーヒーを飲みながら言ったんです。「こういうのもありだな」と。「でしょ!!」と思いましたよ。

この結果は、マーケティングでは絶対に出てこない結果です。キャンプをする人にとっては、「こんなのはキャンプじゃない」。しない人には、そもそも思い付かない。でも、結果としてPICAにはキャンプをする人もしない人にも来てもらえる空間になりました。そして気づいたんです。自分で「面白い!」と思ったものを作って、その楽しさをみんなに気づかせてあげるのが楽しいんだと。

そのために大事にしていることがあります。「先入観を持たないこと。学び続けること。想像して話すこと。」ポイントは、最後は自分で決めるということ。「こういうの面白いだろうな」と妄想して人に話してみる。「そんなのないよ」と言われても、また妄想して話す。どんなに非難・批判されても、決めるのは自分です。自分が面白いと思うのなら、周りがどう言おうとやってみればいいだけのこと。ただ、やると決めるには、たくさんの学びも必要です。この一連のサイクルをできるだけ早く回して動かすことが大事です。プラスとして、瞬発力(フットワークの軽さ)も失わないように、気をつけています。


三浦氏:私は26年前からアウトドアの仕事を始めました。ザ・ノース・フェイスというブランドの接客販売です。そのとき感動したのは、この仕事はお客様に喜ばれる仕事だということ。「登山に誘われたんだけど、何から揃えればいいの?」と来店されるお客様に対して、必要最低限の装備をご提案しました。行って楽しかったらまた店に来てください、と付け加えて。そうすると大概の方がまた来店してくれました。「薦めてくれた物、すごく良かったよ。ありがとう!」と。買ってくれたのだからこちらが感謝するべきなのに、「ありがとう」と言って戻ってきてくれる。中にはお土産も持ってきてくれるお客様もいました。それまでの仕事では全くなかった経験で、嬉しかったし感動しましたね。

一方で、時はまさにバブル崩壊。浮かれた業種や業態が一瞬にしてなくなっていきました。私の友人にもバブルの煽りを受けた者がいましたが、彼が言っていたのは「お客をだまして商売するようなことをしていたのがいけなかったんだよな」と。彼の発言と自分の商売を比べて、すごくギャップを感じました。自分の仕事は、わずか数万円の商売かもしれないけど、幸せを売っているんだ。莫大な利益は出ないけど、売った自分も幸せになれるし、お客様も幸せになる。きっと、一生やっていく仕事なんだと思いました。UTMFを作ったときもそうです。感動して走ってくる人たち、それによって幸せになる人がいるであろうと思って大会を運営しています。その想いはずっと持ち続けています。


最後に、皆勤賞を表彰!

今シーズン全10回を全て出席したのが、事業推進本部の井上くんでした。井上くんよりコメントです。

「参加してよかったことは2つあって、ひとつは、最前線で活躍されるおふたりのお話を直に聞く機会があったこと。最前線で活躍されている方の、普段考えていることや思うことを聞けて参考になりました。もうひとつは、アウトドアのアクティブユーザーはこれらの話を聞いてどう思うかを見たかったこと。アウトドアのアクティブユーザーは現在6%ほどと言われています。僕は普段、アウトドアはあまりやれていないので、ここには属していないかと。逆にスペースキーのメンバーは、アクティブユーザーがほとんどです。実際にアウトドアを楽しむ人たちがこの問題を聞くことで、どんな反応をするのか見たかったので、この2点から参加してよかったと思っています!」

スペースキーでは、今後もリテラシー向上のための活動を行っていきます。シーズン2もすでに始動!来シーズンは、より多くの学びを得るため、様々な業種の方に講師をお願いしています。1人でも多くのメンバーが、自分の言葉でアウトドアを語れるように。アウトドア業界を本気で考えるスペースキーにご期待ください!

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