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スペースエージェントの開発組織が抱えていた問題をスクラムで改善した話② 〜実装編〜

はじめまして!フロントエンドエンジニアの松田です。
スペースエージェントではこの下期からリードエンジニアを担っています!メインはフロントエンドですがバックエンドなどなんか色々やっています。


さて今回は、前回大好評頂いた、「スペースエージェントの開発が抱えていた問題をスクラムで改善した話①〜導入編〜」に続いて、実際に導入したスクラム運用について、導入した結果どうなったのか。を具体的にお伝えしていこうと思います!

スプリントのスケジュール

実際のスケジュール感はこのような感じにしています!
本来スクラムガイドなどで定義されているイベントに加えて、スペースエージェントではセールスグループとの連携を強化していく為にいくつかイベントを追加しています。

  • (水)スプリント開始
  • (木)セールスグループとの打ち合わせ、新機能についての仕様・デザインの方向性決め
  • (金)ウィークデイ
  • (月)ウィークデイ
  • (火)中間レビュー
  • (水)ウィークデイ
  • (木)セールスグループとの打ち合わせ、新機能についての仕様・デザインの方向性決め
  • (金)ウィークデイ
  • (月)ウィークデイ
  • (火)スプリントレビュー、スプリント振り返り、スプリント計画

実際のGoogleカレンダーはこのようになっています。(上記で記載していない勉強会等も含んでいます)

水曜日始まりのスプリント

上記の通りスクラムの始まりが水曜日からですが、その理由はスクラムイベントと祝日の重複をなるべく減らすためです。
金曜日もしくは月曜日に国民の休日が集中しているため、そこでスクラムイベントを行わないように調整しました。今回開発メンバーみんなが「スクラムブートキャンプ」を読んで勉強しましたが、そこにも書かれていますね!

続いて各スクラムイベントについて詳細を説明していきます!
もし細かい事はいいからどうなったか知りたいという方は一番下まですっ飛ばしてください!

①各スクラムイベントについて

【デイリースクラム】

日時のデイリースクラムは17:45 - 18:00に実施しています。
本来朝一番で行うのが一般的だと思いますが、スペースエージェントではフレックスタイム制を導入しており、コアタイムを12:00 - 18:00としています!
スクラムを導入する前にこの時間にデイリーMTGをやっていた事もあり、デイリースクラムはフレックスタイム制度を使いやすいように時間を調整しました。

デイリースクラムのファシリテートは現在、各開発メンバーで持ち回り制です!(エンジニアもやるよ)
当初はスクラムマスターがファシリをしていましたが、スクラムマスターへの報告会のような感じになってしまったため、開発メンバーの持ち回り制にすることでOwnershipを持つことを意識しています。


【スプリントレビュー、スプリント振り返り】

スプリントレビューとスプリント振り返りは、最終日の朝10:30 - 12:30の時間帯を使って一度に実施しています。
一般的?なスクラムだと、2週間のスプリントであれば4時間(再度確認)程の時間を確保する事が多いと思いますが、現在僕たちが開発中のプロダクトはローンチしたばかりで、まだまだ足りていない部分も多く迅速なリリースが求められます。
その為、レビューごとに機能をリリースするのではなく実装が完了した段階で随時リリースする体制を取っています。(リリース時にはPOレビューを実施)なので体系的なレビュー時間はそれほど確保していません。

また、この時点で今回のスプリントで達成したストーリーポイントがわかるので、その数字を元に次回のスプリントで実施予定とするストーリーポイントのあたりをつけていきます!


振り返りの方はKPTを使って実施しています。
最初の振り返りの時は、Problemがたくさん出ました笑 もちろんKeepもたくさん出ましたよ!

Problemで挙げられた問題点に対しては、すぐに解決したい重要なテーマをピックアップし、Tryを洗い出しています。 実装が必要なTryは次のスプリントから実装していきます。その他のTry(意識的な部分)については、デイリースクラムなどの場を通して、日々振り返りを行い早いPDCAを回しています!

スクラム開発だからこそ会議にも時間をかけチームの事を議論できた結果、よかったことや、課題点などメンバーそれぞれで問題意識を共有することができました!

今まで会議などもなかった為、全員が「見て見ぬふり」「人任せ」になっていた課題部分を改善できる第一歩を踏み出したなーと強く感じました!


【スプリント計画】

次回のスプリントの計画はスプリント最終日に行っています!
午後の時間を全て使って計画をしていきますが、とても疲れるので、2時間ぐらいでコーヒーブレイクを挟んでいます!

スペースエージェントではバックログの他に、「Ready Sprint」を作って、その中に入っているタスクを上から順番に次スプリントで実施する内容に含めるようにしています。当初はバックログだけで管理していましたが、優先順位が高くてもまだ着手可能な状態ではないタスクが発生してしまいました。そのため、バックログにはまだ着手可能ではないタスク、Ready Sprintには着手可能なタスクのみを入れるようにしました!

これとても分かりやすくスプリントがスムーズに回るようになるので悩まれてる方は是非やってみたください!

あらかじめ、画像のようにReady Sprintという場所を作っておき、そこに次のスプリントでやるべきことを優先度順に入れておきます。
この時点では、仕様・デザインともに確定しており、着手ができる状態まで内容が落とし込まれていますが。担当者とストーリーポイントは決まっていません。

ストーリーポイントはプランニングポーカーを使って決めていきますが、スペースエージェントではスーパエンジニアの大和さんが、自社プランニングポーカーツールを開発してくれました!笑


とても使いやすくみんな愛用しています!(大和さんありがとう!)
※一般的にはスマフォのアプリなどあります。

スプリントレビューで決めた、実施予定のストーリーポイント数になるまでプランニングポーカーを繰り返し行なっていき、計画完了です!

②スクラムイベント以外の打ち合わせ

セールスグループとの打ち合わせ

上記のスクラムイベントとは別で、週に1度セールスグループと合同で「今こんな機能を開発しているよ!」「この機能をリリースしました!」「これってどんなバグですか?」などの認識共有・状況確認のMTGを行っています!

もちろんSlackでやりとりをしても良いのですが、どうしても会話を見落としてしまうこともありますし、開発とセールスはどうしても意識の向き方が異なるので文章ベースのコミュニケーションだと次第にずれていってしまうなーと感じるのです。

なので時間をかけてちゃんと行っています!

新機能についての仕様・デザインの方向性決め

チーム開発を大事にしているスペースでは、仕様決めのMTGを公開で行っており、スクラムイベントではありませんが、次回以降のスプリントで実施したい内容を決める打ち合わせをするため、スプリントには大きく影響しています。
プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発チーム全員、セールスグループで任意参加、という形にしています!

各タスクに4つの状態「仕様・デザイン未確定」「仕様未確定」「デザイン未確定」「ready」を持たせ、
「仕様・デザイン未確定」「仕様未確定」について、この場で決めていきます。

ここまでは具体的に、スペースエージェントで実践しているスクラムの具体的なスケジュールと内容をご紹介しました!
ここからは、約2か月程度、スクラムを運用した上での良かったこと、改善できることをご紹介します!

導入したことによる効果

MTGを活用する事で足並みの揃った開発が可能になった

1つ1つのタスクについて、全員で仕様・デザインの方向性を検討し、開発を進める体制になったことで、開発内容に対しての各人での認識の齟齬がなくなりました。また、入社時期によってプロダクトの知識が違う、というのも徐々に解消されつつあります。

上記のような効果はありますが、スクラムを導入するとどうしてもMTG時間が長くなります。なので一方では開発をする為のまとまった時間を為のどれくらい確保できるか。という点が非常に重要だと考えています!

その為、MTGの時間は隔週の火曜日と、木曜日に集中するように配置しました。
毎日少しずつ打ち合わせがある場合を試していないので比較はできませんが、これはうまく行っていると考えています。

打ち合わせをする日は打ち合わせ、開発をする日は開発とコンテキストスイッチを減らすことができるため、開発チームでもMTGは特定の曜日に集中する形で継続してほしいという意見が出ています。

「振り返りサイクル」がジワジワ効いてくる。

スプリント振り返りを実施した事によって、開発プロセスの課題を早期に発見でき解決につなげる事ができるようになりました!

これまでは定期的な振り返りは行っていなかったので、開発プロセスなどを見直す事がなく課題があっても見て見ぬふりをして開発を進める。といった形になっていましたが、時間をとって振り返りをすることにより、当たり前ですがPDCAが回るようになってスプリント毎に開発体制をアップデートしていく事ができるようになりました!

全員で行うことによりみんなが当事者意識をもって改善するようになったのも大きな効果だと思います!

改善できそうなこと

一方で、改善できそうなことも数多くあります。

・スキルセットの属人化によるタスクの偏り
・ポテンシャル人材の育成について
・開発時間の確保
・会議体での主体性

など

スクラム体制が万能薬で全ての課題が解決するわけではないので、もちろん課題もたくさんありますが、試行錯誤しながらアップデートしてきたいと思ってます。

まとめ

スクラム開発を導入したばかりのスペースエージェントですが、早くもたくさんの恩恵を感じながら開発を進められるようになりました。
改善点もまだまだあるものの、プロダクトオーナー・スクラムマスター・開発チームが協力して、プロダクト開発を進めていっています。

以前海馬沢が記事にしていましたが、当初課題として上がっていた

  • 残作業が管理されておらず、ゴールが見えない
  • 打合せは皆無で、現状や目指すべきものの共有がなく、不信感や不安感がある
  • 企画サイドの人間が知らぬ間にがっつりとデザインを変更し、戸惑いやフロントコーディングに不備が起こる
  • 意思決定が曖昧で、言った言わない戦争が勃発している

の辺りの課題感についてはかなり解消方向に向かってるのでは?と感じています。

スペースではエンジニア全員でこういった課題に取り組みつつ、不動産領域へのイノベーションにチャレンジしたいエンジニアを大募集しています!
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これからも引き続きスペースの開発についてや技術情報などを発信していきますので、次回作にもご期待ください!

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