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#69.1月1日。人事制度を改定したってよ!その1
目次
人事制度
等級制度
報酬制度
評価制度
結局のところ、人事とは?
ここまで、本記事をご覧いただきありがとうございました!
人事制度
さて、いよいよ本題人事制度についてです。前回のお話のとおり、広義の意味では「入社〜退職までの一連の仕組み」を指しますが、全体像を踏まえながら今回は、その中の一部である人材開発・組織開発を意図し等級・評価・報酬という狭義の意味での人事制度を策定・改定いたしました。繰り返しお伝えしたのは、実はこれが重要でして、人事や組織はある程度の一貫性が大切で、全体像を見据えながら狭義の人事制度を策定しないと、採用・組織開発・労務などなどが部分最適で策定してしまうと、どういう人になって欲しいのか? どういう組織にしたいのか? がバラバラと仕組みだけができてしまって、辻褄の合わない歪みが起きがちだからです。組織を人の体に例えるならば、腕や足などがバラバラに違う動きをすると、スムースに歩くこともできなくなってしまう体=組織を作ってしまっては、自身や組織の目的に適う結果を生み出す仕事を通じて、経済性・社会性・個人性を満たすことを「働く」過程をより効果的・効率的に後押しする仕組みにはならないのです。
で、今回策定した狭義の人事制度の範囲です。人材開発・組織開発の一部を担う「配置」「評価」「報酬」の仕組みを、「等級制度」「評価制度」「報酬制度」としてそれぞれ制度化し、狭義の人事制度においても、それぞれが連関し相互作用を生むように一貫性を意識して策定・改定しました。ソーラーパートナーズでは、評価を行うことで能力開発(成長)を促進・支援し、フェアに金銭的報酬としても報いる・讃えることを大切に、より機能的に評価制度を誠実なものにすることを意識しました。
等級制度
まず等級制度についてです。一般的な等級制度同様に社員を区分し、それぞれの区分に対して定義を設けたものが等級です。区分されることや階層的に考えることに抵抗感がある方もいらっしゃるかと思いますが、その等級ごとに評価を分け、報酬を分け、さらには教育のあり方もこの等級ごとに分けて考えやすいように、当社では等級制度を設けました。ある意味合理的な産物ではあるものの、大切なのは区分して考えることによって、その等級ごとにより適切な処遇や教育機会の提供を適切に講じやすくする為のものであるということだと思っています。
ソーラーパートナーズならではの特徴としては、職能(職務能力)を表す等級記号Levelと職位(職務責任)を表す等級記号Gradeの2つの等級制度を併用している点にあります。多くの会社は職能や職位の一つの等級制度を運用しているかもしれませんが、分けることによって様々な可能性を許容でき、社員個々人にとっては働き方・キャリアの描き方に選択肢を増やすことができると考えたからです。
例えばですが、職能を伸ばすことには意欲が高いものの、マネジメントなど権限に関心が薄い人もいるでしょう。一方ですが、職能はまだまだ伸び代があるもののチャレンジングに管理職を担いたい・挑戦させたい人もいます。まだまだ会社規模も大きくはないので、事業の都合によって組織を改廃することにも柔軟に適応する為にも、会社の都合でポストがなく報酬が上がらないといったことも避けたいとも思っています。2つの等級を持つことで、制度としての複雑性は増すものの、一方で個々人の心情の変化や会社の状況による組織の変化にも柔軟に適応することを重視し、この等級制度を設計いたしました。
報酬制度
次に報酬制度で意識をしたのは、以下の2点です。
・ 給与や賞与など各報酬がそれぞれ何に対しての対価なのかを明確にする。
・ 報酬の水準をマーケット水準に合わせる。
給与がどのように設定・決定するのかを明らかにすることで、会社は個々人の活躍に対して誠実に報いることになりますし、社員個々人からすると納得度や透明性の高い制度になります。納得度が高いと、人はそれに向かって頑張れる・頑張りがいがあると考えるからです。
ソーラーパートナーズにおいては、基本給にて勤続年数の長さを考慮するものの、職務能力や職位責任の難易度・重さで、ミッションへの貢献度を計り、報酬においては職能手当や職位手当の比重を高め、年齢や勤続年数に応じたものではなく、価値貢献によって報酬の水準を定めています。
報酬水準については、統計的な情報も参考にしながら、極力マーケット=社会全体の水準を意識して設計しました。例えば、売上高や利益を意識して報酬水準の設計をしてしまうと、良いも悪いもですが、マーケットの報酬水準感とは外れ、新たな仲間を採用にて迎え入れる際にも、今いる社員が報われず金銭が理由で退職を検討する可能性が出てくると考えたからです。一般的な水準に近づいてしまい特徴がないとも言えてしまうのですが、僕らは能力や責任に対して、マーケットに照らした報酬水準を設定することで、能力価値の搾取にはならないように、水準感を定めています。
テレワーク・リモートワークを推奨・併用している当社には、本社のある東京近郊だけでなく、地方都市に住み仕事をしてくれている社員も多数いるのですが、地域により給与差をつける会社と異なって、どこで住み働いても、一律東京水準での支払いにしているのも、特徴の一つなのかもしれません。それは、地域に関係なく、能力・責任に応じて一律的に報酬を定めているので当社としては至極当然なことなのですが、この考え方はソーラーパートナーズならではだとも思います。
評価制度
最後は評価制度です。評価制度は、結論どういう仕組みにすれば、決められた定義通りに正しく評価できるかという点が大切になります。いくら、納得度の高い等級制度、報酬制度ができたとしても、正しく適正に評価が為されなければ、結局のところあまり意味を為さない絵に描いた餅となってしまいます。ここで重要となるのは、評価者である管理職のマネジメントの在り方が本丸となります。なので、適正に評価することは被評価者本人の為ではありますが、仕組みとしての評価制度は評価者が適正に評価できる補助にならなければならないという思いで策定しました。
まずは、どういう目標に対して、何を評価し、何に反映されるのかを明らかにし、その定義や水準をクリアに言語化しています。当然、定義や水準など事前にテキストで記すものの、全ての事象を言語化することは難しく、どうしても限界はあります。もちろん、明確に言語化される情報は、都度定義や水準に追加していくものの、どこまで行ってもやはり限界はあるでしょう。大切なのは、評価者である上司が、定めた定義や水準に照らしながら、被評価者である部下とともに対話ができること。対話ができる仕組みであることが、評価制度が有効に機能するかが肝になると考えています。
ストレートに言うと、上司と部下の対話は評価だけではなく、マネジメントそのものだとも考えます。いくら優秀な経営者であっても管理職であっても、いくら経験を重ねた経営者であっても管理職であっても、部下の全ての言動を把握することはできないですし、部下の全ての心情を把握することはできません。限られた時間、限られた接点の中で、どのようにマネジメントやリーダーシップを発揮し、部下の成長にコミットし、そして部下の行動を適正に理解できるかが、評価においてもマネジメントにおいても起点になるんだと思います。
その意味で、評価制度は目標設定や期末評価で、評価者と被評価者が対話をする機会を能動的に設けていくことを主眼に設計しました。目標設定では、被評価者本人のやりたいこと・やれることを聞きながら、評価者は組織として期待したやるべきことを提示し、この対話の納得度によって、評価そのものの良し悪しが決まってしまうとも思います。同様に期末評価では、行動事実やその行動により価値発揮した成果、そして成長した能力を対話し、互いに納得度の高い適正な評価にしなければなりません。加えて、期末だけ対話しても改善の期間が後ろ倒しになってしまいます。中間評価を設けることによって、上司部下の対話の機会を設け、進捗など認識を合わせるとともに、軌道修正があるならばその機会になれば良いと思っています。
もちろん、何も期初から3ヶ月後の中間評価を待つ必要もありません。定期的に行われる1on1や都度発生した事象についての助言や軌道修正も重要です。起きた事象・助言などを履歴として残し、互いに振り返ることも大切です。ソーラーパートナーズでは、評価シートを期末だけではなく、期初目標設定をきちんと言語化し、かつ期末に評価をするだけではなく、その期中に評価者・被評価者がともにメモを残せるように評価シートを活用していきます。こうすることによって、何が評価されて、何が不足していたかをお互い同じ認識で合わせていくことを助長していきます。
目標設定、中間評価、期末評価においては、お互いが認知していることをストレートに伝えることも重要です。前述の通り、いくら優秀な評価者であっても、部下の全ての行動を把握できるわけではありません。互いに知っていることを伝え、そして相手が知らないこと・気づいていないことを伝え合うのが、評価を目的とした対話で意識していくと良いと思います。被評価者は評価者が見切れていないであろうことを主張することで適正な評価に近づきますし、評価者は被評価者が気づいていない点を伝えてあげることが、部下の気づきや成長に繋がります。事によっては耳の痛いこともあるかもしれません。ですが、それこそが部下の伸び代であり、部下もその理解に立てば成長の機会となります。
加えて、評価者同士の対話も大切です。人間ですので、管理職と言えども物事の捉え方・考え方は多様です。評価においては、甘い辛いといった差も当然出てくるでしょう。甘いが悪い、辛いが悪いということではなく、差が出ることは当然のこととして、大切なのはその差をどのように埋めるかです。この差を埋めないと、適正な評価にはならないですし、結果納得度も高まらないでしょう。要は、人が行動をするとか変えるとかには、その前工程に納得がないと事は上手く進まない。成長の動機を損なってしまうわけです。
ソーラーパートナーズでは、2025年度期初1月に人事制度を導入するとともに、「People会議」という会議体を開始しました。月に2回、隔週で、人事や組織について役員・管理職が集い、共有や協議を行う会議体です。より具体的には、社員のエンゲージメント、能力や成果の向上(=つまりは評価)、人事施策の協議・共有、組織課題についての対話などなど、要は社員について徹底的に管理職が向き合う場です。
ここまでやって評価制度と思っています。評価制度は、評価内容や評価基準を決めることだけではなく、どのようにその運用が正しく為されていくかまでのプロセスも含めてを指します。それは、評価を通じて、管理職のリーダーシップやマネジメントの品質を高めていくプロセスでもあると思います。
結局のところ、人事とは?
長々と人事制度について書いてしまいました。書いてみると、人事の思惑というか、拘りみたいなことに映ってしまっているかもしれません。ごめんなさい…。この記事をご覧いただいている皆さんには、何も人事制度の教科書的な考えを伝えたいわけではありません。特に、ソーラーパートナーズへの入社を検討いただいている新卒学生の方々には、未経験の話かとも思いますので、なかなかイメージが付きづらいかもしれません。
僕がこの記事で伝えたかったのは、ソーラーパートナーズがどこまで社員に向き合い、社員の成長に向き合い、管理職の成長に向き合っているかということです。人事制度は、けして等級を決めたり報酬を決めたりする為のものではありません。もちろん評価を行う事によって等級は報酬を定め、その能力や責任だけではなく、それを満たす為の努力や工夫といった行動を讃えるものではありますが、本質的には人事制度という手段を使って、社員に向き合い、社員の成長に向き合う仕組みだと思います。さらには、ミッション・ビジョン・バリューなど企業理念を適える為に必要な成果や行動を社員全員が理解し、個人も成長しながら迷いなく進んでいく手段です。
結局のところ、人事制度だけでなく人事とは、様々な手段を講じて、企業理念を適える行動を促す役割です。一番お伝えしたいことは、ソーラーパートナーズは、理念を大切にし、社員の成長を大切にし、様々な人事的な手段を講じることに、お金も時間も労力も投じ、向き合っている・向き合っていくということをお伝えしたいです。なかなか、どんな制度が正しいかどうかは誰も予測し難いところかと思いますが、ソーラーパートナーズが、理念を大切にし、社員の成長に向き合い、そして色々考えているということが伝われば嬉しく思います。
ここまで、本記事をご覧いただきありがとうございました!
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