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【事業開発/キャリア入社者インタビュー】“AI群戦略の最前線。入社2年目の私が感じる、未開の市場を切り拓くということ”

ソフトバンクはキャッシュレス決済の「PayPay」、タクシー配車プラットフォームの「DiDi」など、AIテクノロジーを活用した新事業を次々と展開中。この戦略の鍵は、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの出資先との連携です。これらの新規事業創出に特化した少数精鋭チームで活躍する小齊平が、事業開発の醍醐味、そして苦悩を聞きました。ぜひご覧ください。

「新しい価値を生み出したい」その一心で選んだ先が、ソフトバンクだった

私は新卒でコンサルティングファームに入社しました。日系、外資系コンサルのそれぞれでM&Aデューデリジェンスや、事業再生・経営統合などを数多く経験しました。

さまざまなプロジェクトのなかで、クライアントがマイナスの状態からプラスに改善され、大勢のチームメンバーと達成感を共有できるのが楽しくて仕方がなかったのを覚えています。

しかしそのなかで、クライアント企業の社員ではないのに喜んでいる自分に、少しだけ違和感がありました。次第に「事業の当事者になりたい」「自らが変革を仕かける側になりたい」と考えるようになったんです。

「ゼロベースから、新しくて大きなプラスの価値をつくり出したい」という想いから、衣服の概念を変えてきた実績を数多く持つファーストリテイリングに転職しました。

コンサルティングファームでの9年間で、会計や業務改善のフレームワークなど学術的な知識はひと通り学んだという自負がありましたが、意気揚々と入社して直面したのは、本社で考えた一見MECEなプランが現場ではヌケモレだらけとなる現実でした。

そこで経験した数々の反省は、「現場を見て、隅々までシミュレーションして考え抜く」という現在のスタンスにつながっていると感じます。また監査として膨大なデータ分析を重ねるうちに、「これらをAI技術によって自動化できれば、人が手がけるよりももっと高度なパフォーマンスを出せるのではないか?」という思いが、日に日に強くなっていきました。

そんななか、ソフトバンクでRPA活用の新部署を立ち上げるという話を聞き、迷わず飛び込んだのが2年前のことです。

ソフトバンクの持つアセットを活用し、出資先企業と新しい未来に挑戦する

ソフトバンク・ビジョン・ファンド出資先企業 /ソフトバンクグループ株式会社 2019年3月期 決算説明会資料より

入社後は法人向け商材を扱う部門で、RPAを扱う企業への出資や、ソフトバンクのRPAソリューションの発売準備プロジェクト、同商品の海外展開などを担当しました。そして事業が軌道に乗った1年半後、ソフトバンクの新規事業開発を担う事業開発統括に異動しました。

現在は主に、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの出資先企業の日本進出窓口を担っています。協業のスキームとして大切にしているのが、「JV(ジョイントベンチャー)」の設立です。

協業には、協力範囲を限定した提携や、出資のみという方法もあります。しかし私たちは、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの出資先企業が日本で事業展開するにあたって、彼らの成長にフルコミットしたいと考えています。

資金、人、ノウハウ、マーケティングチャネルなどのソフトバンクのアセットをフル活用して、同じゴールを目指したい。だからこそ、JVという形にこだわっています。

事業開発統括では、ここ1~2年の間に数多くのJVの設立を手がけてきました。代表的なものに、「100億円あげちゃうキャンペーン」でQRコード決済の認知度を一気に上げた「PayPay」や、コミュニティ型ワークスペースでワークスタイルを変革する「WeWork」、AIの需要予測を用いたタクシー配車プラットフォームの「DiDi」などがあります。

この春には新たに、ホテル事業などを手がける「OYO」の日本展開も発表しました。いずれもAIやテクノロジーを活用した今までにないビジネスモデルで、市場から大きな反響を得ています。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドの出資先は2019年3月末時点で69社。事業開発統括の各チームには、出資先企業と日本での事業展開を検討中の案件が複数あります。 たとえば、私のチームでは日本の根幹をなす産業の、産業構造が変わりうる事業の検討を進めています。

2019年現在の日本は残念ながら、テクノロジーの活用において、米中や一部のアジア諸国に後れをとっています。すでに日本が十分に快適で便利な社会であることが、その一因となっているのではないかと思うのです。

ただ、日本特有の細かく突き詰める開発力は、少子高齢化などの社会課題の解決も超越して、世界の新しいスタンダードにつながるのではないかと考えながら、日々まい進しています。

夢を語りながら、事業を軌道に乗せるために必要なのが“対話力”

私が今担当している案件は、日本のGDPを支える産業のひとつです。サプライチェーンの全体像を俯瞰して、どの流れを変えれば消費者に「おもしろい! 便利!」と思ってもらえるかを考えています。

プランニング段階では、リサーチ会社に依頼するとさまざまな統計数値や消費者動向調査の結果が手に入ります。しかし、それらがそのまま使えることはほぼありません。私たちが思い描く市場の、ごく一部分の情報しか出てこないからです。

また、複数の情報を足し合わせることがゴールとも限りません。統計作成団体の出自や集計目的によっても数値は影響されますし、「数値が合わないなぁ」と悩んでいたことが、関連事業の視察先店舗でのスタッフのひとことで解決したなんてこともありました。

こういった瞬間こそがおもしろいところなのですが、仮説だらけの模索期間が長いのも事実なので、コンサルの方に「苦しい」と言われたこともあります。しかし、ゼロから市場の模索やビジネスモデルを検討できることこそが、他社では絶対に味わえない醍醐味なのです。

もうひとつ、私自身にとって「チャレンジだな」と思っていることがあります。 それは、出資先企業といかにして“対話”を重ねるかということです。

JV設立プロセスの最初のステップを、私たちはEQ(Emotional Intelligence Quotient)フェーズと呼んでいます。そしてこの期間を、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの出資先企業との信頼関係を醸成するフェーズだと位置づけているのです。

海外のテクノロジーやビジネスモデルは、日本国内市場にそのまま適合するとは限りませんし、幾度もディスカッションを重ねないとイノベーションは生み出せません。 加えて、EQフェーズの先にはJVの契約交渉が待っています。

収益の按分比率といったお金の話のほか、出資比率や取締役数などの経営権に関わる話はとくにデリケートです。出資先企業との理解や信頼関係がなければ、建設的な議論にならないばかりか、破談となるケースすらあるのです。

それゆえにEQフェーズでは、出資先企業の技術・プロダクトを理解するだけでなく、根底にある彼らが目指す方向性やロードマップの理解をじっくりと進めます。これが私の大きなチャレンジとなっています。今までの対話スタイルでは、通用しなかったからです。

前職は小売とはいえ、圧倒的に交渉力が強い企業。コンサルティングファーム時代も企業破綻後の再生案件などが多く、クライアントとの対話スタンスが、いつの間にか「上から目線」「べき論」起点だったと気がついたんです。

売上が毎年倍々になるような成長スピードを誇り、出資打診企業も引く手あまたな企業に、私たちは何ができるのか? 彼らは何を目指したいのか? それを考える必要がありました。また日本市場をバラ色に語りすぎると、売上計画の段階でシビアなギャップに直面します。

イノベーションを語りつつも、数値的には現実的なビジネスプランを示すというバランス感覚が難しいのです。一緒に夢を語りながらも、現実では事業をつくりあげ、ともに歩んでいくというのが目下最大のチャレンジです。

挑戦を後押しする「加点主義」が、ソフトバンクの事業開発力の源泉

私がソフトバンクに転職してみて、社外の方に1番伝えたいことは、本当にチャレンジが評価される会社だということと、その機会は新卒/中途・性別・国籍・年齢の区別なく完全に公平だということです。

私が以前主導していたプロジェクトでは、当初目指していたJV設立を達成できませんでした。もちろん相手企業の意向や都合もありますが、私の進め方によるところも大きかったと感じています。

しかしそのことによる人事考課でのマイナスなどはなく、“失敗した人”というレッテルを貼られることもない。今はそのプロジェクトから離れて別のチャンスを得て、新しい案件へとつながっています。

減点主義のカルチャーだと、失敗したら次のチャンスがこないことから、「チャレンジしない」「責任をともなう意思決定をしたくない」などの悪いループに陥りがちですよね。その点ソフトバンクは本当に嘘偽りなく加点主義で、チャレンジが評価される会社なんだということを体感しています。

またソフトバンクという企業は、外から見ると一枚岩の大企業に見えるかもしれませんが、実はさまざまな大手企業がパッチワークのようにくっついて今の形になった経緯があります。

転職が今ほどメジャーではなかった時代を生きてきた40代以上の社員が、合併や異なる企業文化の融合などを経験していることが、新卒も中途も分け隔てなく共存していくカルチャーにつながっているのではないかと思います。

また、モチベーション高く働くにはチームのフィット感も大事です。私たち事業開発統括は150人ほどの規模ながら、統括役員から本部長、メンバーの国籍は10カ国以上にものぼります。

国際色豊かななかで生まれるコミュニケーションでは、考え方の多様さによる刺激や、違いを受け入れてゼロベースで考える姿勢が生まれ、仕事での成長につながっているのではないかと感じます。

私たちにとっての「新規事業開発」という仕事は、向き合うことのすべてが前例のない取り組みで、またその技術自体が、世のなかにまだサービスとして存在していないことがほとんどです。市場規模のデータなどももちろん存在せず、法律さえもそのサービスを想定していないことすらあります。

そんな手探りの状況でも、出資先企業のみなさんとともに、少しずつイメージを形にしていく。それがこの仕事の醍醐味でもあります。

出資先とのミーティングでは、“Our World”ではなく、“Our Planet”という言葉をよく耳にします。それは、私たちが見据えているものが、国をも越えた“地球規模”で未来を切り開いていくサービスだから。このチームで“地球で1番のサービス”を一緒につくる仲間が増えることを日々願っています。

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