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セルバの20年振り返りとこれから

2023年7月で、株式会社セルバは設立20周年を迎えました。
20年間の会社の生存率は0.4%(!)という統計がある中、継続できました。
関わっていただいた社員のみなさん、お客様、関係者の皆様あらためて感謝を申し上げます。

Webのシステム制作・開発は「株式会社セルバ」(大阪・東京)
セルバでは求人サイト、マッチングサイトのシステム・アプリの運営・制作・開発・プロモーションを得意としています。また人材系のサービスも複数提供。
https://www.selva-i.co.jp/

これを期に僕の自分史も含めた振り返りとセルバのこれからを書いていきます。

セルバのこれまで

2000~2002年 学生時代にプログラムを覚える

2000年といえば、Googleも創業2年目でインターネットはまだまだ黎明期。同志社大学に入学して、授業のクラスの隣の席にたまたまインターネットで大学の情報を発信をするサークルに入っているH君がいました。
H君からサークルのことを聞き、やっていることの面白さに引かれてサークルに入りました。
入ったサークルの先輩にプログラムが出来る人がいて、自分で仕事を受けているのを見て羨ましさを感じたのがプログラムを勉強したきっかけです。
当時の学生のアルバイトは時給900円。
特にこれといったスキルが身につく訳ではなく、それで1回アルバイトすると数時間も拘束されることに疑問を感じていました。
さらに旅行に行くのが好きで大学が休みの時には頻繁に行っていました。
そうなると継続したアルバイトが出来ません。
「拘束されることなく稼ぎたい」。プログラムを覚えたのはそのような不純な動機からでした。

頻繁に旅行に行っていて、継続的にバイトが出来なかったのがプログラムを始めたきっかけ

プログラムを覚えた動機は「インターネットの可能性に惹かれて」。
みたいなカッコいいことを言いたいところですが、
「時給のアルバイトをしたくなかった」というのが本音です。
今でこそFANGなどアメリカでも巨大なインターネット企業が誕生していますが、当時は僕も含めさほどインターネットの期待値は高くなかったように思います。

プログラムの勉強は性格に合っていて、楽しかったです。
なかなかプログラムが動かず徹夜でずっと原因突き止めていたこともありました。
1年ぐらいでプログラムがある程度出来るようになり、先輩から仕事を回してもらいつつ、自分でもサイト制作やプログラム開発の依頼をを受けるようになりました。

インターネットのメディアサークルは他の大学でもあり、立命館大学でサークルをやっていたのがセルバの共同創業者の井上さんです。
同じことをやっているサークル同士、定期的な交流、勉強会を行っていました。

2003年 学生ベンチャー「有限会社ほっときゃんぱす」参加

セルバの設立日は2003年7月17日なのですが、僕が代表になったのは2005年1月です。
もともとの会社名は「有限会社ほっときゃんぱす」。
インターネットメディア系のサークルをやっていた学生5人が集まって出来た「学生ベンチャー」でした。
この5人の中に共同創業者の井上さんも参加しています。
運営したサービスは「バイト.tv」という学生のアルバイト情報のサイトを運営。
僕はプログラムを担当しました。
ただ、2004年4月にNTTデータの就職は決まっていて、期限付きの参加となりました。

「バイト.tv」は月額の掲載課金型で月3万円。
まだサイト自体にアクセスがなく企業から契約も取れませんでした。
今だったら応募成果報酬型にするなど知恵がありますが、当時はビジネスモデルも分かっていませんでした。
結果、ほっときゃんぱすは思ったように売上が伸びず、1年あまりで活動停止することになります。

2004年 NTTデータに就職、起業を決意

大学卒業後2004年4月にNTTデータに入社します。

NTTデータに入って感じたことは3つ。

1.自分じゃなくても出来る。組織の替えのきくパーツ
当然といえば当然ですが、大企業になると人に替えが聞くように組織を組み立てています。
自分が替えのきくパーツということを意識せざる得ませんでした。

2.自分の働く場所、ライフバランスが上司のコントロール化にある
自分の原体験として、小学校のころに親の転勤で引っ越ししており、
子供心にコミュニティが突然変わるのは嫌だった思い出が残っています。

鬼滅の刃に出てくる名言「生殺与奪の件を他人に握られている」感覚でした。

3.制度がしっかり整っている分、これからの人生のレールが見える
40歳になったら課長になったこれくらいの仕事をして、これくらいの給与がもらえる。運が良ければ50歳で部長になって・・
みたいにレールが見える状態です。

「学生の時、自分で仕事を受けていた時、学生ベンチャーの時の方が楽しかったなあ」。
そう思っている中、会社の夏休みに井上さんと会いまして、井上さんもそのように思っていることを知り、会社を再度やろうということで意気投合しました。

とはいえ会社を維持する金がないので、生活費の掛からない実家の大阪で起業。
2004年は準備にあて、2005年1月から大阪で会社をはじめることにしました。
起業まで井上さんと月に数回、品川のルノアールで会議。
当時流行り始めていた、携帯サイト制作に注力することにしました。

当時は何もしらなかったのでいきなり仕事がない状態から起業しましたが、
今だったら、副業である程度仕事がある状態を作ってから起業します。

NTTデータは新卒から会社に貢献する時間もなく辞めており、不義理を働いたと思っているのでいつか恩返ししたいです。
小さいですが、けじめとして12月に出るボーナスの辞退と有給消化はしなかったです。
機会が出来ればNTTデータが僕に掛けた新卒採用・教育のコスト以上の利益を返したいと思っています。

2005年 起業1年目

新規で登記するのは当時、今より時間と金が掛かるので、休眠になっていた「有限会社ほっときゃんぱす」の株を譲渡してもらい、会社名を新たに「有限会社セルバ」に登記変更。
設立日が2003年7月17日になっているのはこれが理由です。
ほっときゃんぱすの事務所を貸してくれていたアークフォレストの八田さんの事務所を月5万円で間借り。
格安で貸してくれた八田さんには本当に感謝しています。ありがとうございました!

1年目は役員報酬として月5万円で設定。それまでの多少の貯金と実家だからこそ過ごせる金額です。

そうこうしている内に最初に取れた案件の金額は50万円。
住宅展示場の携帯サイト制作を請け負いました。感謝。

1年目の売上は700万円。

2006~2008年 大口の取引受注

2年目に大きな仕事を取れることになります。
サイトのリリースにデータ移行に手間取って、2徹したのも今となっては良い思い出です。

当時はドメインのDNSの切り替えの反映に1日以上掛かるのが鬼門でした。
1回設定間違えると1日待たないと反映されないため移行に手間取りました。

売上が月100万円越えた時に思ったことは割と信じられれない気持ちと「このまま会社続けられるな」でした。
この気持ちを忘れないようにしたいですね。

ここで大阪市の運営している「エル・おおさか」のインキュベーション施設に月8万円で入ります。
また社員採用も初めて行いました。

ただ1社だけで売上の70%を占める状態に。

2年目の売上は6000万円

起業当時の写真

2009年 大口取引先失注

2008年からのリーマンショックの影響が各社大きく、この年に大口の取引先を失うことになります。
売上の70%を占める危うさは感じていて、他でも売上を作る模索はしていましたが、間に合わず失注。
売上の多くを失うことになります。
この時に整理解雇で社員に辞めてもらった経験もしています。
またどこかで語る機会持ちたいですが、いまだに当時のことを思い出すと色々な感情があります。

システム投資は不況の時に真っ先に削減される項目です。

当時も今のSES会社みたいに大量にエンジニアを抱える会社はありましたが、多くが規模を縮小するか倒産しました。
正社員のエンジニアですら各社人員削減を行っており、その中で協力会社となったら真っ先に削減の対象となります。

幸いリーマンショック後はエンジニア不足が続き、エンジニアを採用すれば仕事がある状態が続いています。
ただ僕自身が大量のエンジニア採用に踏み切れないのはこの時の経験があるからです。
大量採用せず一人あたりの売上を大きくすることをこの時期から意識しています。

2010~2013年 ソーシャルゲーム挑戦

最悪期からは若干売上も持ち直す中、2010年以降ドリランドなどのソーシャルゲームが流行します。

ソーシャルゲーム制作の話も多く、ゲーム制作を請け負いながら、ノウハウが溜まった状態でした。
当時2000万円くらいでゲームを制作でき、当たれば大きかったので自社ブランドで参入することにします。
が、すでに同じように考えるWEB制作各社、ゲーム開発の乱立がはじまっていました。
開発に1年半近く掛けますが、リリースした時にはより乱立がひどい状態に。
結果売上が上がらずソーシャルゲーム開発から撤退します。

ヒットをあてた会社も、その後のソーシャルゲームの開発費の高騰に苦しんでいるのを見ると、仮にこの時ヒットしてソーシャルゲーム制作になっていても、その後は大変だっただろうなと思っています。

2014年~2018年 パッケージ開発と直取引を進める

ここから今の事業に繋がるものが出てきます。
当時考えていたことは下請けではなく、直接取り引きを行うこと。
下請け仕事は勝手にスケジュールや仕様が決まっていることがあり、案件をコントロールできず、利益率も低い状態でした。

この状態を脱するために取り組んだことはパッケージ開発と直取引を進めること。

1.「ビジネスマッチング系サイト」のパッケージ開発
当時からポータルサイト開発は得意としており、求人ポータルサイトや不動産ポータルサイトなど制作をこなしてきました。
共通で使わる機能をパッケージ化して、「サクット求人」をリリース

サービスの紹介サイトを作り広告出稿で直接問い合わせをもらう形で、直取引を増やしていきました。
1から開発ではなく、大まかな機能が固まっているので、大きく炎上することもなく利益率が高くなっていきました。
今はでは「サクット求人」をバージョンアップさせた「ハブリク」のパッケージをリリースしています。

今のセルバでも新規サービスを作ったら、それに合わせたLP(ランディングページ)を作り、広告出稿で問い合わせを獲得しています。
稼働中のLPの数だけで20個近くになっています。
LP制作、広告出稿のノウハウも溜まっていて得意な分野と思っています。
知り合いの方であればお声がけいただければ相談にのらせていただきます。

たまに下請けをやっている会社から相談をもらうのですが、最初のアドバイスは自社の得意分野をプロダクト(商品)として並べるところから。
そしてそのプロダクトに値段をつけること。
価格と仕様の決定権を相手に渡さないことが重要です。
自分がみんな知ってると思っていることも、自分のコミュニティ外では意外なほど知られていないです。
きちんと情報を見せれば問い合わせきます。

2.レベニューシェアモデルでの開発
もうひとつがレベニューシェアでの開発です。
セルバがシステム開発、WEB広告マーケ周りを担当し、営業周りを共同制作いただいた会社が担当いただく形で進めることが多いです。
今では売上が月2000万円を越える案件もあります。

レベニューシェア型サイト・アプリ開発
求人サイト、ビジネス系のマッチングサイト、販売サイトの開発・集客を得意としています。ビジネスモデルを理解し成果に繋がるサイト、新規事業を一緒になって進めます。
https://www.selva-i.co.jp/revenueshare/

2019年~2023年 HRテック事業に参入

求人サイトパッケージはすでに30社以上の制作実績に。
うまく売上が立っている会社がやっている集客のノウハウも溜まっていたので、求職者の送客支援のサービスもはじめました。

1.送客支援事業「ハブリク」
人材紹介・人材派遣企業から求人情報をお預かりし、求職者の集客を成果報酬にて実施しています。
初期、月額費用が掛からないので導入企業にほぼデメリット・リスクが無いサービスになっています。

【無料】求人ポータルサイト構築サービス『ハブリク』
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https://www.selva-i.co.jp/hubrec/

2.求人サイト運営
セルバ自ら求人サイト運営も行っています。

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3.経営支援事業
システム開発の際に補助金申請も絡めた相談をいただくことが多くノウハウも溜まっていたため、補助金を利用する形でのシステム開発支援も行っています。

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書いてて思いましたが今残っているサービスって相談を受けて何件かこなした後にサービス化したものが多いです。
良いものだけ紹介していますが、この数倍リリースした後、終了したサービスもあります。
アイデアが先行したサービスはニーズを掴みきれていないので残らなかったですね。

セルバのこれから

ここ10年は一人あたりの売上を大きくすることをずっと意識しています。
それを実現するには属人性の大きい労働集約型のビジネスをしていては駄目です。

今後は少子化、雇用の流動化が進み、さらに国内で企業の人手不足が進みます。
人口減少を成長に機会に私たちは企業・求職者の課題を解決するためにHRテクノロジーの分野から、この問題に取り組んで事業を行っています。

1.人口減少を成長の機会にする

2040年の医療従事者の需要予想は1070万人で就業人口の5人に1人になります。
まずこれは成り立ちません。
需要1070万人に対してそれだけの人数供給出来ません。

看護師不足、「20年後」にはさすがに解消...しないの?|看護roo!ニュース | 看護roo![カンゴルー]
深刻な看護師不足は20年後も解消しないかも...?2020年版厚生労働白書では看護師にとって気になる予測が示されました。看護師不足のポイントをまとめます。
https://www.kango-roo.com/work/7899/

テクノロジーの力でいかに1070万人分の医療ニーズを満たすか。
これを成長の機会と捉えテクノロジーの力で実現させていただきます。

2.世界を相手にHR産業の創出に挑む

アメリカではエンジニアの平均年収は簡単に1150万円を越え、カリフォルニアのファストフードの時給は最低3000円です。
日本の2倍どころか3倍近い差がついています。
世界比較で日本の賃金の低さが露骨に出ています。

特にアメリカのエンジニアが優秀というわけでもなく、個人レベルで比較した場合は日本のエンジニアの方が優秀です。
どこで給与の差がうまれるかというとマーケットの規模。
世界で展開出来るHRサービスを作り、日本に住みながらアメリカの給与水準を実現させていきたいです。

単純に僕がアメリカにあこがれているだけだったりもしますが、シリコンバレーにオフィス作りたいですね!

Google本社での広場。社員旅行でシリコンバレーにいきました

セルバではエンジニアを募集しています

やっていきたいことは多くありますが、それを実行するリソースが足りていません。
HRサービスを作るのに興味を持っていただいた方、ぜひ一度ご連絡ください。
一緒にHRテクノロジーで世界を狙っていきましょう!

セルバのことが分かる求職者向け採用スライド

採用スライドも掲載しておきます!

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