患者さんを家族の様に思えた、自分たちの提供できる医療はどこまでできるのだろうか。
もし、患者さんが本当に家族だったら、予約の来院に来ていなかったらどうするか、
痛みがあるならどうしていくか、なにか相談されたときにどうするか。
患者さんお一人お一人に家族なような関わりで私たち医療従事者が医療に携われたらどうなるか。
確かに限界はあるかもしれません。
でも、少しでもそんな関わりが出来たら少し可能性は広がります。
ここ5年のお一人の患者さんとの話を少しさせていただきます。
現在、88歳女性、出会った頃は83歳でした。
出会いを鮮明に覚えているのですが、
フレイル手前でご家族の方に連れられ当院に受診。最近では、コミュニケーションもなく、足もフラフラ。デイサービスはヤダ。皆と同じにされたくない。声は小さく、目線も合わせてくれない。
さてどうしようと思ったと同時に
私も駆け出しの頃で、「フィットネスを地域のコニュニティのハブにする!」「外来に来た方はすべてこの手で治す!」など、大声で叫んでいた記憶もあります。
この方に言ったのは、「当院に週3回来れますか?」※ご自宅も近かったので、私たちと少しでも顔を合わせることでまず、コミュニティづくり、当院の治療よりは人と合うことをしようと考えました。
フィットネスにも入会していただき、週3回その方とお会いする中で、徐々に、打ち解けていき、同時進行で、悩みであった脚のふらつき等、筋力強化に成功していきました。
88歳の今、70代とまちがわれるほど、また、もともと関西の人なので、おしゃべり大好き、当院のマスコットキャラクターになりつつあります。
この5年を振り返って行くと色々な思い出があります。
スタッフの誕生日には、全員の誕生日を覚えていて、手紙をくれたり。
イベントごとには、いやいやだけど参加してくれたり、
高尾山いったり。
個人の携帯番号教えて、電話し合ったり、
お孫さんがアメリカに住んでいて、アメリカいったり、
アメリカ行って帰ってきた際には、空港で真っ先に電話してきてくれたり。
ご自宅に伺った際には、当院でプレゼントしたグッツがたくさん部屋に飾ってあったり、
僕とのツーショット写真が無造作ながら、おいてくれていたり。
逆に孫のように扱われているのかもしれません。
はじめの頃私は、なんでココに来院したのだっけと言うほど、
私達、医療従事者の安心の元、安心・安全・信頼を提供出来ている気がします。
ほんと、医療の枠にとらわれずに人と人とのコミニュケーションって大切だなと感じています。
私が特殊だからとかではありません。
これ仕組みというとなんだか硬いですが、スタッフ皆、やってます(^^)
また、来月にお孫さんに会いに一人でアメリカ行くそうです。(これなに?自宅訪問時に発見、アメリカ荷物)
元気で楽しんできてくださいね!!
どんどんこんな取り組みを増やして、第二の家族をたくさん増やしていきたいですね。
※このお写真はご本人の許可を得て投稿しています。