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これからの医療には家族のような関わりが大切

先日、担当患者さんのお宅にお伺いさせていただきました。
当院の医院理念でもある「100年の甲斐をともにつくろう」から行動指針として、始まったものです。人生100年時代に必要な医療として、私達は、患者さんに外来として来ていただくだけではなく、家族のような関わりを持って、その方の一生をサポートしていこう!と思い行動しています。

今回は、88歳女性、サービス付き高齢者住宅でお一人暮らしをされている方のご自宅に訪問させていただきました。

この方は、当院に併設するフィットネスジムにも通われている方で、お友達と笑顔で楽しそうに話しているのを見て、私が声を掛けたのがこの方との始まりでした。
出身地が同じ長野県で、どこか気が合うところがあり、自然と仲良くなっていきました。いつも明るい笑顔で接してくれるので、私も会う度に元気をもらっています。

サービス付き高齢者住宅では、外部からの介入もあり、様々なサービスが受けられます。この方は、週3回の体操教室と歌の教室にも参加しています。最初は、運動することも、歌うことも大嫌いで、自分は何も出来ないと思っていたそうです。しかし、ちょっとしたきっかけで、今ではほどんど休むことなく参加し続けています。この歳になって、出来ないと思っていたことが、実はやってみたら出来るということを知れて良かったと嬉しそうに話してくれました。

部屋の壁には、長野県の素敵な写真が飾られていました。この写真は、長野県に住んでいらっしゃる弟さんが撮った写真です。弟さんとは、喧嘩をしたことが無いほど仲良しだと、嬉しそうに話してくれました。写真を眺めながら、長野県に行きたいけど、もう行けないかも…と少し淋しげな表情で話してくれました。



今回の訪問で、1番印象的だったのが、死んだ後のことを考え始めたと話してくれたことです。死んだ後の片付けをどうしようかと思っている…と話してくれた時、私はかける言葉が見つかりませんでした。私がこの方にしてあげられること…私はこの方が自分らしく、明るく笑顔で過ごしていけるようにサポートしていきたいと強く想いました。何かあった時、頼ってもらえる、寄り添える存在になりたいと思いました。そして、もう一度長野の素敵な風景を、その方自身の目で見ていただけるように、サポートしたいと思いました。

自分のことはあまり人に話したくないと言っていた方が、今回家に伺い、たくさんのことを自分から話してくれました。今まで、外来に来ていただいて何をしてあげられるだろうと考えて来ましたが、その方のご自宅での生活や背景を知ることによって、さらにその方の気持ちに寄り添った一生のサポートを考えることができます。人生100年と言われる時代において、さらに「家族」のような関わりが医療には必要になってくると感じました。

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