「ありがとう」を大切にする社内文化

医療法人晴英会では、スタッフ一人ひとりの誕生日を祝います。
それは「ありがとう」を重んじる社内文化の一つです。
誕生日を祝う事と「ありがとう」がどう関係あるのか。

ありがとうは、英語でいうと「Thank you」、直訳すると「あなたに礼をいう」です。
一方、日本語でありがとうは、「有り難い（ありがたい・ありにくい）」です。
有り難いの反対は「当たり前」。

つまり日本語の「ありがとう」は「めったにないこと、奇跡的なこと」そんな意味が含まれています。
世界の感謝の文化と、日本人の感謝の文化的な背景は全然違う。

日々当たり前に日常を過ごし、当たり前に仕事をしていると「ありがとう」という気持ちを忘れがちです。日本に生まれ、日本の文化に敬意を払い、私たちは、働く皆の誕生日に「ありがとう」の気持ちを再確認します。この世に生を受け、ここに存在し、人の役に立てること、日々過ごしていると当たり前に感じてしまいますが、まさに有り難いことです。

私自身、先日第一子の出産に立ち会い、新たな命が宿り、命が誕生することの奇跡を目の当たりにしました。毎日診療できることの有り難さをスタッフ一人ひとりの誕生日を祝うことで改めて「ありがとう」という気持ちを思い出しています。看護師、柔道整復師、管理栄養士、理学療法士、日本中に数多いる中で、ご縁があって多職種が同じ価値観のもとに集い、診療が行えていること、奇跡的なことだと、働く皆の誕生日を通じて実感する日になっています。

何事も真心込めて全力で

スタッフ皆の誕生日を祝う社内文化の背景には「何事も真心込めて全力で」という取り組みの一環でもあります。クリニックは他のサービス業と違って、病気や怪我、痛みや苦しみなど、不安や苛立ちなどマイナスな感情を抱えて来院されます。

普通のことを普通にやっても「このクリニックに来てよかった！」とは感じてもらえません。
受付で忙しそうに真顔で対応するだけでも「感じが悪い」と思われてしまいます。

例えば、ホテルに客として宿泊したときのことを考えてみます。
部屋で蛇口を捻ってお湯が出て当たり前。お湯が出ることにイチイチ感動したりしません。
お湯が出なかったら、不満になり二度目はないでしょうし、悪い評判になります。

受付で診察券を受け取るときの対応、患者さんへのちょっとした声掛け、待ち時間の対応、次回の予約、こういう当たり前のサービスを当たり前に行うこと。

その大前提の上で、期待を大幅に上回ってプラスアルファの何かをしてもらった時。痛みや苛立ちなどマイナスな感情を抱えて来院される患者さんは「このクリニックに来てよかった！」となります。何事にも真心込めて全力で取り組む、そんな取り組みの中から、誕生日を心から全力で祝う、そんな社内文化が生まれています。

全力で取り組む社内イベント

一つだけ、全力で取り組んでいる社内イベントをご紹介します。
当法人の看護師、柔道整復師といった医療専門職の発案で、「スポーツイベント」を毎年行っています。
年に１回のスポーツイベントでは、国民皆が応援できるスポーツを、いつも院内で流れているＢＧＭに変えて中継で流します。それだけでなく、背番号に自分のニックネームの入った野球のユニフォームを作って、それを着て診療します。患者さんにも勝敗と得失点差を予想してもらい、予想に近い患者さんに粗品を贈呈します。

初めて来院される患者さんには驚かれるかもしれませんが、趣旨を説明し理解してもらえていると思います。病気のこと、痛みのことで頭が占拠されがちですが、年に１度のスポーツイベントを楽しんでいただけるよう、全力で取り組む事例の一つです。

第一子が誕生しました

10日ほど前に第一子が生まれ父親になりました。
医院の経営者としては８年目ですが、父親としては１年目の新米です。
妻の妊娠中のつわりなど経験し、出産に立ち会い、命の誕生の奇跡を実感し、これから子育てにも携わり、経営者としても新たなステージに立つことができます。
自分が目の当たりにする前は、産前産後の制度は充実したものを用意していますが、働くスタッフが妊娠した時に、本当の意味で仕事と出産の両立がどれほど大変なことなのか理解できなかったと思います。
本当の意味で理解できない時は、態度や言動に現れ、子供を宿した女性と一緒に診療が行えることに対する「ありがとう」の気持ちが薄っぺらいものだったでしょう。
これからは、育児にも携わり、妊娠中育児中に働くスタッフが家庭でどのような思いをして両立をしているのか、勤務時間、有休、家庭での悩み、などプライベートのことにも、今までよりも現実のものとして扱えるようになれると感じています。