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イタリアのような日本、山形県河北町。移住スタッフが語る地域の魅力とは?

山形県河北町ーー。
イタリアと同緯度に位置しており、寒暖差のある気候環境を活かして、イタリア野菜の栽培が盛んに行われています。河北町は、山形県のど真ん中にある地域で、住民の方は穏やかで温かく、暮らしている方全てが共同体のような地域です。そんな地域に移り住んだからこそわかる魅力を実際に移住した方にお話しをお伺いしました。

菊地 航平 さん

宮城県名取市出身。山形大学 人文社会科学部を卒業後、新卒で株式会社かほくらし社へ入社。現在はかほくらし社のラボ事業部でツアー企画・アテンド、ワイン用ぶどうや国産ナッツといった高付加価値農業の推進などを担当しており、公私ともに河北町の魅力を町外へ発信している。

河北町との出会いは、何気ない一本の電話から。


ーー河北町を知ったきっかけは何でしたか?

大学在学中のさとゆめへの電話中、嶋田から紹介されたのがきっかけでした。
当時、山形大学の人文社会科学部で経済を学んでいました。生まれてから東北を出たことがなかったので、就職活動は東京で行なっていました。まちづくりや地域おこしに関わりたかったので空き家改修を手掛けてる不動産やITベンチャーなどで地域で活かせるスキルを学び、地元へUターンしようと考えていました。
そんな就活中に、たまたまさとゆめの記事に出会いまして。仕事内容に興味を持ち、お話ししたいとお電話したところ、出てくれたのがたまたま代表の嶋田で。一度オンラインでお話しした際に「山形県の河北町行ったことある?河北町すごいおすすめだから遊びに行ってみなよ。」と紹介していただいたんです。山形大学に通っていたものの河北町は知らなかったので、数日滞在させていただいたのがすべての始まりです。

ーーもともとまちづくりに興味があったんですね。

そうですね。大学1年生の時からまちづくりや地域おこしを行うサークルに所属していて、代表も務めていました。山形県にある最上地域の町おこしでPR動画の撮影やイベント企画、農作業のお手伝いをしたりと月に数回活動していました。その活動から身近だったけど、地域ってめちゃくちゃ豊かなんだな。と実感しまして。そこに携わるような仕事をしてみたいと思うようになりました。調べてみると、東京に出てからUターンして活躍している人たちがいることを知りまして、まずは東京でその地域にないようなスキルを学んできた方がいいのかと思い、卒業後は東京に行こうと思っていたんです。

はじめて河北町を訪れたのは、ちょうどさくらんぼシーズンの6月で大学4年生でした。その時に今一緒に働いているメンバーや上司に地域を案内してもらったんです。さくらんぼを食べさせてもらったり、生産者さんを紹介してもらったり、ご飯も食べさせてもらいながら基幹産業である農畜産のところを色々案内してもらったんですね。その日の夜に、当時はまだ名前も決まっていなかった、今のかほくらしとなる地域商社を立ち上げる構想を聞きまして。「もし、まちづくりや地域おこしに興味があるなら、一緒に頑張ってみないか」とお誘いをいただきました。その情熱に押されて東京に行ってみたい気持ちもあったものの、河北の方が魅力的に感じて新卒で河北町で働いてみようと思い、かほくらし社に入社しました。

ーー河北町に住んでみて"ならではだな。"と思ったことはありますか?

第一印象は、ロケーションの綺麗さです。盆地なので360度パノラマで山間が見れるんです。春に河川敷で咲く桜や季節を感じる雪山もすごく綺麗ですね。また職場近くにも田んぼが広がっていて、長閑な田園風景に癒されます。
また、河北には変態がいて(笑)生産者さんたちが作るものに対して本当に熱心で、皆さんすごく語るんですよ。1質問すると10ぐらい返ってくるぐらい。その人たちの一生懸命さと価値に河北町らしさを感じています。美味しさの理由やこだわりを聞いてから食べるお肉は格別に美味しいです。その情熱や一生懸命さをいろんな人が持っていて、その熱い心がすごい河北町らしさだなと感じます。
さらに言うと、皆さんすごく酒飲みで(笑)宴会の時には一人一升瓶飲むぐらい(笑)
お祭り好きや宴会好きの人も多くてどれだけ忙しくても宴会は来る、みたいな。愉快な人が多いですね。

人も商品も、愛と応援にあふれた6次産業。


河北町はちっちゃい町で端から端まで10分ぐらいで通り抜けられるぐらいなので、みんな知り合いで、お互いのことを心配し合ったり、応援している気持ちがあります。例えば和田酒造さんっていう酒蔵さんは、自分のところに注文が入った際、ときどき近くの今田製麺所さんのお蕎麦を入れて送付することもあるそうです。理由は、お蕎麦が美味しくて応援したいから。採算ベースには合わないけど自分が応援したいと思ってるところを応援する、っていう気持ちが随所にあって、そういうところがいいなって思いますね。

また、河北町は町全体で6次産業を実践しているのもつながりが強い理由の一つです。和田酒造さんの酒粕や斎藤畜産さんの牛糞はイタリア野菜の生産で肥料として使われていて、農家さんで採れた稲藁は斎藤畜産さんの餌になる。河北町全体で盛り上げ盛り上がって行こうという町のために奮闘する人や、自分が好きだから応援したいっていう人もいて、皆さんが温かいですね。

ーー生活のしやすさや、過ごしやすさはいかがですか?

気候は、盆地なので夏は蒸し暑くて冬は寒い。積雪は山形県の中では積もらないほうですが、それでも1〜2mは積もるので雪かきが大変です。山形で生きていけたらだいたい日本中どこでも生きていけると言われるぐらい寒暖差はすごいです。この寒暖差のおかげで野菜や果物はどんどん甘みが増すので農作物にとっては良い環境ですが、人には厳しいです。(笑)
お休みの日は、農家さんのところで畑仕事を手伝ったりしています。今年もさくらんぼの収穫を手伝いました!それと、山形県には良い温泉がたくさんあります!車があるといける観光地や温泉がたくさんあるので、温泉とサウナ好きの僕としてはドライブがてらする温泉巡りが楽しいです。

実は仙台が下道を使うと山形市よりも近くて、高速道路を使わなくても1時間半くらいで行けます。また、新幹線の駅や空港も近いので、東京や福島へのアクセスも便利です。友人もよく遊びに来ますよ。東京からは朝イチの飛行機に乗れば8時半出社に間に合いますから、東京から直行してくるスタッフもいるぐらいです。(笑)

ーーここは覚悟してほしいというポイントはありますか?

さくらんぼの時期ですね。山形県の公務員はさくらんぼの収穫だけ副業解禁されているほど全員総出で収穫作業にあたります。人材不足は深刻な地域課題で、取りきれずに旬が過ぎてしまうことも少なくありません。
2〜3週間の収穫時期をみんなで乗り切って、山形の一大産業を残したいという想いもありますね。
この時期だけは、朝5時から7時半まで収穫作業をしてから出勤する毎日になります。収穫中は水分補給の代わりに食べながら取ってねと推奨されるぐらい食べ放題なので、毎年楽しみな部分でもありつつ、耐えどきですね。
あとは、知り合いばかりになって色々なところに呼ばれることですね。地域の人たちとの交流が多くなりますし、街や温泉でも多くの人が声をかけてくれます。僕自身は交流もできて話すのは苦じゃないので嬉しい部分なのですが、完全に公私を分けたい、という人は少ししんどいかもしれません。
最後に、河北には駅がないので、どこに行くにも車があった方が便利です。近くにショッピングモールもあるし、河北で必要なインフラは整っているので不便はないですが、車の運転はできる方が行動範囲が広がって楽しいですよ!

ーーこんな人におすすめという推しポイントはありますか?

・日本の原風景が好きな人。それを守ろうと奮闘する仲間がいて一緒に何かしたい人。
・田舎暮らしと都会暮らし、いいとこ取りのような過ごし方をしたい人。
・地域での事業創出、社会課題の「担い手問題」「仕事創り」に興味がある人。
・観光資源の開発、事業創出に興味がある人。
・地域の人たちとのコミュニケーションを楽しめる人。

神奈川から河北町に移住して10数年の農家さんは、いまだに朝の田園風景には感動するとおっしゃってました。そして、ご飯!本当に何を食べても美味しい。草食べても美味しいですからね。土と水がいいんです。雪解け水を引いて農業に使っていますし、何より変態が気持ちを込めて作っているので相まって美味しいです。(笑)
また、感覚的なお話しですが、旅行などで河北町を訪れた人たちからは「肌感覚が合う」「落ち着く」と言っていただけます。何が要因かはわからないのですが、ぜひ一度町に来ていただいて体験していただきたいですね。最近では移住者も増えていて、ますます地場産業が盛り上がっています。町外の人から見た新しい視点が加わることでイノベーションが起きたり、プラスアルファの何かが生まれることが楽しみです。町内だけで話していると、どうしても固定概念が出てしまいますから共に持続可能なまちづくりを行っていきたいですね。興味がある方は、まずは僕のように一泊二日の滞在からでも来ていただけたら嬉しいです。河北町で美味しく熱い変態と、多くの自然と共にお待ちしています!

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