こんにちは。ロボケン社員のNTです。本日の池袋は、雨が降ったり止んだりしています。西口公園の桜はまさに満開。カメラを手にした人々が春の風景を楽しんでいました。さて、今日は「宇宙の始まりと終わり」と題し、宇宙をテーマにするのは、一旦終わりにしようと思います。
宇宙の起源
宇宙は約138億年前、「ビッグバン」と呼ばれる高温高密度の状態から始まりました。ビッグバンは「爆発」ではなく、空間そのものが膨張を始めた瞬間です。宇宙背景放射、銀河の赤方偏移、元素比率などがその証拠となっています。
しかし、ビッグバンの“前”はあったのでしょうか。ここでは3つの仮説を取り上げます。
■ インフレーション仮説
- ビッグバン直前に宇宙が急激に膨張したとされる理論。
- 空間の量子ゆらぎから「泡宇宙」が生まれたという説。
■ マルチバース論
- 私たちの宇宙は無数にある宇宙の一つで、他にも異なる法則の宇宙が存在するという説。
■ 時間の始まり仮説
- ビッグバンが「時間」の起点であり、それ以前は定義できないという説。
これらの問いに、いまAIと量子コンピュータが挑もうとしています。
宇宙の終焉
現在の観測では、宇宙は加速的に膨張しており、その未来にはいくつかの可能性が考えられています。ここでは3つの可能性を書きます。
■ ヒートデス(熱的死)
- 宇宙は冷えきり、すべてのエネルギーが均一に拡散。
- 星もブラックホールも消え、「何も起こらない」永遠の静寂が訪れる。
■ ビッグリップ(大破裂)
- ダークエネルギーが増大し、銀河、星、原子までも引き裂く。
■ ビッグクランチ
- 宇宙が膨張を止めて収縮し、再び一点に潰れて「逆ビッグバン」に。
そのどれが現実となるのか──それを解き明かす鍵もまた、AIと量子計算が握っています。例えば下記のような分析ができます。
- 宇宙進化シミュレーター: ビッグバン直後の極初期から銀河の形成、現在の宇宙構造に至るまで、重力・ダークマター・ダークエネルギーの相互作用をAIでモデル化し、宇宙全体の歴史を再現する。
- 多宇宙探索AI: 物理定数(重力定数、光速、電子質量など)を変化させた仮想宇宙を大量に生成し、それぞれにおける星・銀河・生命の発生条件を網羅的に分析。生命適合性宇宙の条件を探る。
- 終末予測モデル: 観測データに基づいてダークエネルギーの時間変化を推定し、将来の宇宙膨張シナリオ(ビッグリップ、ヒートデス、ビッグクランチ)をAIで予測・比較。
満開の桜がひらひらと舞う池袋。咲いては散る花のように、宇宙にも始まりと終わりがあるのかもしれません。ここまでお読みいただきありがとうございました。次回からは新しいテーマで書こうと思います。