データとAIでカスタマーサポートを変革するRightTouch、シリーズAラウンドで8億円の資金調達を実施し累計調達額は14.2億円に |株式会社RightTouch
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https://righttouch.co.jp/news/FpF1waA5
※この記事は2025年6月に『RightTouch公式note』に掲載した記事を転載しています。
こんにちは、RightTouchでカスタマーサクセスをやっている後藤です。RightTouchは先日、プロダクト3周年を迎え、この度シリーズAの資金調達を行いました。
3周年記念と資金調達を記念して、RightTouchではリレー形式でのブログ投稿を行っています。
私は新卒でアクセンチュアに入社し、約7年間ほどコンサルティング業界で働き、その後、カスタマーサポート領域で複数プロダクトを提供するSaaSスタートアップのRightTouchに転職しました。転職理由は下記でインタビューされているため、気になった方はご覧ください。
今回のNoteでは、「カスタマーサクセスって実はコンサルよりも難しいかも?」と感じた自分の実体験をベースに、
を、これからキャリアを考える現役若手コンサルの方に向けて書いてみたいと思います。このnoteを通じて、ファームに残ったほうがいいのか、スタートアップに転職してもキャリアに自身の未来があるのか、少しでも解像度が上がれば幸いです。
はじめに
若手コンサルが抱えやすいモヤモヤ
目的と目標の違い
コンサルの話に戻って
RightTouchのカスタマーサクセスとは
RightTouchにおけるカスタマーサクセスの難しさ
ビジネス効果の創出を例に挙げると
RightTouchのカスタマーサクセスはコンサルと遜色なく難易度が高く、キャリアパスも広い
最後に
現役コンサルの方々には読み飛ばしてもらって良いのですが、他の方々のためにまずコンサルティング業務とはなんなのかを説明したいと思います。
戦略コンサルティング・総合コンサルティング・ITコンサルティング・・・さまざまな領域でのコンサルティングサービスがありますが、共通して言えるのが、「クライアントの目的達成をサポートする仕事」と言えます。
例えば、市場シェアを伸ばすための経営戦略、非連続な成長のための新規事業策定、データ・ドリブンな組織に変革するためのDX戦略策定、業務効率化のためのシステム導入支援など多種多様なプロジェクトが存在しますが、プロジェクトすべての裏側には、利益の最大化、という目的が存在します。
逆に目的が曖昧なプロジェクトや目的と手段が逆転している(目的がシステム導入になっている、など)プロジェクトはほぼ100%失敗するため、まずはプロジェクトの目的の整理から支援に入ることもしばしばです。
また、コンサルタントは「プロジェクト」という期間が定められた中で働き、成果物(アウトプット)を出すことが求められています。期間が決まっているため、利益最大化そのものをプロジェクトの目標に据えるのではなく、
などの中間目標をプロジェクト期間内に達成可能な目標として設定することが多いです。しかし、ここに多くのコンサルタントがもどかしく感じる罠があります。それは、
プロジェクトの目標達成=クライアントの目的達成 ではない
ということです。
ここで、少し細かいのですが、目的と目標の違いについて説明します。新入社員の頃は混同しがちのため、RPGゲームに例えて違いを教わった方も多いのではないかな、と思います。
勇者の旅の目的=世界平和を実現すること
勇者の旅の目標=魔王を討伐すること
注目すべきは、目的は変わりませんが、目標は常に変わる可能性があるということです。世界平和を実現するためには、実は魔王を討伐する必要はなく、魔王と不可侵条約を結んで人間世界の平和を確保する、ということも考えられるのです。
RPG的には旅の楽しさがなくなるので不可侵条約を結ぶことが目標になることはありませんが、ビジネスの世界では不可侵条約の方が合理的なのであれば目標を変えるべき、という判断にもなりえます。
(不可侵条約だといつかは終わってしまうため恒久的な対応としては魔王を討伐するべきでは?といった論点もありますが、本筋ではないため割愛させていただきます)
コンサルタントは、プロジェクトの目標を達成するためにゴリゴリ進めていくのですが、ここで重要なことは、
現時点でのプロジェクトの目標は、クライアントの最終的な目的達成=利益最大化のために設定された目標仮説の1つでしかないということです。
データや経験をもとに、新規事業やシステム導入を実行すると最終的に売上向上やコスト削減につながるよ、という説明資料をアウトプットとしてコンサルタントは作成するのですが、現時点でこのアウトプット通りに実行して本当に売上向上やコスト削減に結びつくのか、100%判断できる人は誰もいません。また、実際に新規事業やシステム導入を実行したとして、それが利益向上につながるのかどうかわかるのは早くて数年後の話となります。
つまり、コンサルタントは構造上、自分たちのアウトプットが本当にアウトカムを創出できたのかを知ることが難しいのです。ここでモヤモヤする若手コンサルが多いのかなと感じています。
次にRightTouchのカスタマーサクセスについて説明していきたいのですが、そもそもSaaS企業特有の職種であるカスタマーサクセスを知らないという人もいらっしゃると思うので、まずはそちらから説明します。
SaaSビジネスではサブスクリプション型の課金体系が主流のため、『売って終わり』ではなく、『継続的な活用と効果創出』が重要となり、これを数値で示す指標がNRR(Net Revenue Retention:売上維持率)となります。カスタマーサクセスもNRR最大化のためにクライアント支援を行います。
カスタマーサクセスのアプローチに関しては、SaaSのターゲット市場をどこにしているかで変わることが多く、
となります。RightTouchはエンタープライズ向けSaaSのため、自ずとハイタッチメインのサクセス支援となり、プロジェクトベースでクライアントのプロダクト活用を伴走支援することが多くなります。
実は、入社して改めて実感したのですが、コンサルティングとRightTouchのカスタマーサクセスはプロジェクト規模の違いはありますが、やっていることに大きな違いはありません。
例えば、下記のようなプロセスは共通していると言えます。
ただし、サクセスではアウトカムまで求められるのが、明確な違いとして存在します。コンサルはアウトプットが重要で、そもそも時間軸も異なるためアウトカムの創出までは求められませんでしたが、RightTouchのサクセスでは実際にどれくらいアウトカムの創出ができたのか、が求められます。
もちろんアウトカムの創出ができなければ解約につながりますし、アウトカムの創出ができれば、他プロダクトの導入に繋がったり、経営層へ認知され一部署での活用から部署横断での活用に広がったりします。アウトカム次第でさらなるビジネス拡大のチャンスがあることこそが、RightTouchにおけるカスタマーサクセスの大きな魅力である、といえます。
実際にどのようなアウトカムを実現して、社内における認知が広がったのかは、下記記事を見ていただけるとわかりやすいかと思います。
コンサルとサクセスの共通点や違いは前述した通りですが、それを踏まえてRightTouchサクセスの難しさは『アウトカムが求められる』ことに尽きます。
一口にアウトカムといっても多岐にわたり、下記のようなものが考えられますが、どれも一筋縄で実現できるものではありません。
しかも、クライアントごとに解くべき課題や対応策が異なるため、クライアント個別に課題を設定し、対応策を実行してPDCAを回すようなプロジェクトマネジメントをしていくしかアウトカムの創出はできません。
ビジネス効果を創出できないといっても、今サクセスチームでは課題を下記3つのいずれかに分類して対応策を検討しています。
課題の分類ができても、そのあとの対応策も状況に応じて異なります。
例えばクライアントとビジネス効果について期待値を再調整する必要がある場合、プロジェクトオーナーと繋がりがあればプロジェクトオーナーと話をすれば良いのですが、プロジェクトオーナーが不在のまま進んでしまっている場合、まずは期待値調整すべき相手は誰なのかを確認することから始める必要があります。
※コンサルティングファームのプロジェクトの場合は、金額が大きいためプロジェクトオーナーが不在ということはありませんが、SaaSの場合、月に数十万、年間数百万という金額で始まると、このようなプロジェクトオーナーが不在の状態で始まるプロジェクトも少なくありません。
このように、各企業の状況ごとに課題を分類して、それぞれ対応策を検討していく必要があります。そのため、型化が難しく、一定のプロジェクトマネジメントスキルが必須となります。
プロジェクトマネジメントスキルの他にも、
など幅広いスキルが求められます。
高い顧客の事業や組織の理解が必須となり、その上で泥臭く幅広いスキルも求められる、難易度の高い職種となりますが、アウトカムを創出することで、アップセル・クロスセル・チャーン抑止につながるため、NRR最大化を目指すSaaSビジネスの根幹職種でもあると言えます。
また、SaaS企業の中でもっともクライアントに近い職種となるため、サクセス業務から入り、クライアントと密にコミュニケーションを取りながらカスタマーサポートに対する理解を深め、プロダクト開発(BizDev)やセールス・マーケティングにキャリアチェンジしていくメンバーもおり、キャリアパスも幅広く選択肢が存在し、非常にやりがいのある職種なのです。
コンサルタントとしての経験は、課題設定やプロジェクトマネジメントにおいて大きな強みとなります。実際、RightTouchでのカスタマーサクセス業務でも、私自身がこれまで培ってきたコンサルティングのスキルは非常に役立っています。
一方で、スタートアップの現場では「自ら定義し、自ら手を動かし、結果に責任を持つ」ことが求められます。アウトカムまでやりきる責任と裁量は、大きなプレッシャーにもなりますが、それ以上に大きな成長機会とやりがいが待っています。
今の環境で「自分のアウトプットが本当に価値を生んでいるのか?」とモヤモヤを感じている方や、「もっと自分の手で事業を動かしてみたい」と思っている方には、スタートアップでの挑戦はとても面白い選択肢になると思います。
私の経験が、皆さまのキャリアを考える上で少しでも参考になれば幸いです!
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