はじめに
AIコーディングの環境紹介記事を読むと、herdr や cmux といった AIエージェント向けのターミナルマルチプレクサを使用している方をよく見かけます。かっこいいと思う反面、キーボード操作を覚えて使いこなす前提のツールは自分にはハードルが高いと感じていました。
この記事は、そういった最初に覚えることが多いツールを使わずに、めんどくさがりの自分にちょうどいいものを探して組んだ、AIコーディング環境の紹介です。
対象読者は以下のような方です。
- AIコーディング環境を整えたいけど、がんばりたくない人
- VS Code を使っていて、並行タスクが増えてしんどくなってきた人
VS Code がしんどくなった
もともと私は VS Code 派で、これまで特に不自由なく気に入って使っていました。
状況が変わったのはチームの体制変更です。以前からいたメンバーが抜けて新しいメンバーが入り、設計や PR レビューを担当することが増え、それに伴い並行して進めるタスクも増えていきました。
体制が変わる前は並列で作業するタスクはせいぜい 2, 3 個程度で、この規模なら VSCode のターミナルで Claude Code を起動する形の運用で問題ありませんでした。
しかしタスクが増えてくると話が変わってきます。git worktree でブランチごとに作業ディレクトリを分けても、VS Code だと worktree の数だけウィンドウが開きます。そしてウィンドウを行き来しているうちに、どのウィンドウがどのブランチに対応するものかわからない、どこで何をやっていたかわからない、といったような混乱状況が続きました。
めんどくさがりの自分でもさすがに堪えられなくなり、解決策を模索し始めました。
ここでマルチプレクサを採用する道もあったのですが、めんどくさがりの私は覚えなくても使えるものを探すことにし、その結果採用したのが Orca です。
この記事ではまず Orca を紹介したあと、合わせて導入して特に良かったものとして、 caveman と音声通知についても紹介します。
Orca
Orca( https://www.onorca.dev/ )は ADE と呼ばれる、git worktree とAIエージェントの管理を GUI でしてくれるデスクトップアプリです。他に ADE として有名なものに Cursor や Superset が存在します。
私の Orca の使い方はごくシンプルで、
- GUI でタスクごとに worktree を作成する
- worktree ごとに Claude Code のセッションが自動で開始
- サイドバーで worktree の一覧と状態を眺める
これだけです。
VSCode の「ウィンドウがどのブランチか分からない」問題は、worktree が一覧で見えるだけで解決しました。各 worktree にエージェントの状態が表示されるので、どれが動いていてどれが手を止めているのか一目で分かります。
また、VS Code のようにほとんどクリック操作で完結しますし、よく使うショートカット(ファイル検索の Cmd + P, キーワード検索の Cmd + Shift + P や Cmd + F)はデフォルトで VSCode と同じ設定です。
Orca でもうひとつ気に入っているのがモバイル連携です。スマホに Orca のモバイルアプリをインストールすると、スマホから PC の Orca に接続して、エージェントの様子を見たり指示を出したりできます。
といっても、リモートで PC に接続して本格的に作業する、みたいな使い方はしていません。席を外している間にスマホから進捗を眺めたり、業務後にふと思いついたときに PC を開かずスマホから指示だけ投げておく、程度のゆるい使い方しかしていませんが、地味に便利です。
なお、Orca にはエージェント同士を連携させるオーケストレーション機能などもありますが、これらは使っていません。一人で新規開発をがっつり進める体制ではないので、現状は worktree 管理だけで十分満足しています。
他に導入してよかったもの
Orca で並行タスクの管理は解決しましたが、AIコーディングを続けるうちに追加で入れたものの中で特に気に入っているものが 2 つあります。どちらも導入したら覚えることのない簡単なものなので、合わせてご紹介します。
caveman
caveman( https://caveman.so/ )は AIのレスポンスを圧縮する Claude Code のプラグインで、インストールするだけで以降のセッションに常時適用されます。
元々長文を読むのが苦手ということもあり、AIのレスポンスの文章量に圧倒され、ほとんど読み飛ばしたり、結局似たような質問をもう一度する、といったことが多いです。
好みもあるかと思いますが、個人的には caveman を導入したことによって読む文章量が減り、満足しています。
簡素な例ではありますが、「Cloud SQL と AlloyDB の違い」で caveman あり・なしの結果を以下に掲載します。
…
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