■ ラクビル株式会社 取締役CTO 塩塚啓倫 略歴
1996年岐阜県生まれ。東京大学理学部生物情報科学科卒業。
2019年より株式会社東京に入社。アートディレクター/バックエンドエンジニアとしてプロダクト開発を担当。三菱地所DX推進部への出向を経て、2021年より三菱地所と東京の合弁会社であるspacemotion株式会社のCTOに就任。その後、現職に就任。
なぜ起業?
ざっくり言うと、社会にインパクトを与えるような大きな仕事をするには起業するのが最短経路だと思ったからです。僕は哲学のうちで実在論という分野が好きなのですが、自分の存在というのは自分自身だけではなくて自分がやった仕事によっても構成されるという思想を持っています。そう考えると、自分が社会を大きく変えれば、自分の存在は寿命より遥かに長く続いていくと言えると思いませんか?
スタートアップを立ち上げた理由は、もちろん既存企業と違ってダイレクトに自分がやりたい仕事をできるからというのもあるのですが、「自分一人でやるよりもチームの方がより遠くへいける」という部分が大きいです。
自分は中学・高校と灘という学校に通っていたのですが、同期がとてつもないメンバーばかりで、もはや先生よりも先のレベルみたいなスペシャリストがゴロゴロいる環境でした。そんな中で生き残るためにはジェネラリストとして生きるしかないと気づいたのですが、負けず嫌いだった僕は無謀にも「広く浅く」ではなく「広く深く」を目指し、なんとか友人たちの専門的な会話にも食らいつこうと必死に勉強しました。
そうしているうちに色々な界隈の人たちと話すことが増え、自然とグループのまとめ役になっていることが多かったんです。高校では生徒会副会長、大学のサークルではデザイン班のチーフを務めたりしたのですが、そのうちに先ほどの「自分一人でやるよりもチームの方がより遠くへいける」ということに辿り着きました。今は個別のタスクに関しては周りのメンバーの方が優秀なのでそこに任せて、自分はリーダーと雑務に徹するという動き方をやろうとしています。とは言ってもまだまだ理想論で、まだ全然プレイングマネージャーですし、実情はカオスなのですが...(笑)
ビジネス的な側面で言うと、前職の東京やspacemotionでの経験も大きかったですね。少人数のエンジニアチームの一員としてプロダクトの根幹部分を作りつつ、一方で経営層と長期的なビジョンや資金計画などを揉んでいると、「たくさんのプロフェッショナルが密に連携すれば、こんなに大きな仕事ができてしまうんだ」という全体感も見えつつ、自分自身がその一部を担っているのを肌で感じていました。
そんなこんなで、自分の存在が残り続けるような大きな仕事をしたいなと思っていたところ、タフだけれどもやりがいのあるビジネスアイデアといいメンバーに巡り会えたというのが起業のきっかけです。
なぜラクビル?
前職の東京もそうですが、不動産テックという分野自体にかなり興味がありました。
まず不動産についてですが、不動産というものは「あらゆる経済活動の場」であると思っていて、故にそのレベルが底上げされると世界の経済にレバレッジが効いてくるほど重要なインフラだと考えています。また、それぞれの土地や建物は「生き物」的であって、一つ一つ、型にはまらない個性やドラマを持っています。
不動産テックという分野自体は割と昔からあるのですが、一つ一つの企業を見ていくと意外と個別の課題を解決しているものが多く、業界全体を根本からDXするようなプロダクトは無いと言っても過言ではありません。そこには先ほどの基幹性と個別具体性が大きく関わっています。また、業界全体のビジネスモデルやITリテラシー、人員の不足などによって、そのような変革に踏み切れないという背景もあります。
そんなジャイアントに対してテックの力でどこまで立ち向かえるかというのが、自分の大きなモチベーションです。複雑で個別的なドメインに立ち向かうモデリング、インフラとしての安定性・堅牢性、誰も取り残さないUI、業務に革新をもたらすUX...。エンジニアリング的な部分だけでなく、デザインやカスタマーサクセスなども渾然一体となって初めて戦える相手だと思っています。
...と思っていたところで、共同創業者の大内と出会いました。最初にアイデアを相談された時、事業用不動産の管理という領域は不動産業界全体のDXに向けたこの上ない一手だなと感じたのを覚えています。大内は不動産領域に関してはもちろん信頼していますし、走り始めてからはシステムの設計の部分でも大きく関わってくれて頼もしいパートナーです。彼の熱量を目の当たりにして、これは何かしらで成功するだろうなと確信したので起業に踏み切りました。
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でっかいこと、やりましょう。