Engineering
当社CEO林がランチタイムに、ロボットAI関連ニュースを読んで語ります
株式会社キビテク
キビテクでは、CEOの「林まりか」がお昼休みの時間帯(12:10-13:00)に「昼活:ロボット」の部屋名で clubhouse をやってます。
→ https://twitter.com/mrk_h
日々のロボット関連のニュースを話題に、ゆる〜く語っておりますので、気が向いたら覗いてみてください。
業界の話題を真面目に論議していることが多いですが、アニメやマンガ・小説などを引き合いに虚実とりまぜた話題もちょくちょく飛び出します。
「キビテク社の代表ってどんな人なんだろう?」と気になったら、ぜひ登壇してお喋りしていってくださいね。
さて、今回のテーマは「物語に出てくるロボット」についてです。
古くからの人類の夢であるところのロボットに関する物語を拾ってみようと思います。
「ロボット」という言葉が定義された、最初に使用されたのはいつなのか?
ロボットに興味持っている人には常識ともなっているトリビアですね。
それは、1920 年にチェコスロバキアのカレル・チャペックによって書かれた戯曲「R.U.R.(ロッサム万能ロボット会社)」でした。
汎用人型召使人造人間たる「ロボット」を発明してしまったがために没落する人類社会を描いた話で、文明批判、人間批判の風刺が利いた話だと思います。
同じ作者の「山椒魚戦争」も、ロボットが知能化山椒魚に置き換わったような話で、最終的にみんな不幸になる系の話になっています。面白いです。
チャペックが生み出したロボットは、「人類への反逆」のイメージを持たされてしまいました。
人の手により生み出され、人に仇なす存在というテーマは西洋文明に広く普及しているテーマではないかと思います。
神が人を創ったように、人がロボット様のモノを創りだすというのは至極当然の発想ですし、
原罪を負った人の手によって創られしモノが人に背くという考えは必然と言えるでしょう。
このテーマで有名なのが、R.U.R.より100年くらい前に書かれた「フランケンシュタイン」です。
イギリス人のメアリー・シェリーが1818年に出版しました。
創作に際して詩人のバイロン卿が関わっていて、丁度その頃生まれた娘が後に世界初のソフトウェア・プログラマーとなるエイダ・ラブレスです。
ロボット開発しているプログラマーとしては大変ご縁のある作品だと思っています。
「19世紀にプログラマーだって?」と妙に思う人も多いと思います。
ソフトウェアを入れ替えることで、どんな計算もこなしてみせる汎用計算機が、この時代にも有りました。
蒸気エンジンで駆動し、自動織機のメカニズムでプログラムを記述する、歯車仕掛けで演算を行う設計でした。
「解析機関(Analytical Engine)」と名付けられたこの装置は、残念ながら完成に至りませんでしたが。
余談ついでに、サイバーパンク小説家のウィリアム・ギブスンとブルース・スターリングは共著で、解析機関の基となった「階差機関(Difference Engine)」というタイトルの本を書いています。
蒸気機関で駆動する機械式計算機が実用化されてしまった仮想世界を描く改変歴史物の作品です。異世界を楽しめる人は読んでおいて損のない作品です。
そもそもロボットの類って、神話の頃から有りました。
ギリシア神話には青銅の人型装置「タロス」が登場します。
クレタ島に配備されて、毎日3回島を走り回り見張りをし、敵船には石を投げて沈め、敵兵には灼熱化した躰で抱きついて焼き殺すことができたそうです。
私はタロスは「青銅の巨人」のイメージで覚えていたのですが、これは 1963 年に公開された映画「アルゴ探検隊の大冒険」に登場したもののようです。
ロードスの巨像とクレタの青銅人形が合体してできたらしいです。
神話系だと避けて通れないのがシュメール神話です。
どこまで本気なのかよくわからないのですが、シュメール研究家のゼカリア・シッチンによれば、
現在の人類は、太陽系の他の惑星からやってきた神々(アヌンナキ)の手による人造人間なのだとか。
主に金採掘の為に、猿を素体として知能化品種改良して作り出した新種の生命体とのことです。
また、ユダヤ教系(+キリスト教+イスラム教)の人たちの間には「ゴーレム」の伝承があります。
ラビが秘術を駆使して土くれで拵えた人形をロボット化します。
複雑な手順をきちんと守らないと、運用中に暴走して凶暴化するそうな。
神話じゃなくて演義物になりますが、中国の「封神演義」に出てくる「黄巾力士」がロボットそのものです。
黄巾力士は仙人によって造られた、首に黄色い布を巻いた人型の装置です。魂魄を持たず、与えられた命令を着実にこなす自動人形です。
同じ物語に登場する那託は魂魄を持った人造人間で、こちらは自意識を持ち我儘です。
中国の話題が出たので、死体を操る系にも触れておきます。
中国ではキョンシーが有名ですね。死体をロボット化する系です。
導師が死体に術を施すと、起き上がって自分の故郷に帰るのだとか。
同じく死体をロボット化する系では、ハイチやアフリカ各地で進行されるブードゥー教のゾンビも有名ですね。
また、日本にも骨を集めて秘術を施し死人を蘇らせる「反魂の術」があります。
邪悪な魔法使い(死人使い:ネクロマンサー)が昔死んだ人間の骨などを素材に作り出す「骸骨戦士」などは、ファンタジー系ゲームや小説のおかげですっかり一般化してしまった感がありますね。
このテの話は掘り下げると際限ないので今回はこの辺にしておきます。
こうして振り返ってみると、ロボットというのは大昔から人類普遍の夢なのではないかと思います。
21世紀の我々はどのようなロボットを創り出して行こうか行くべきか・・・
在るべき技術の心は那辺に置かれるべきか・・・
などなど妄想は止まりませんね。
キビテクでの私は、日々こんなこと考えながらロボット開発に勤しんでおります。
それでは、また。