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活字から溢れ出てしまう人柄

Tさんから送られるメールはいつも愛と笑いにあふれています。

明朝体で、何の装飾もないメールでこんなに個性を出せる人、他に見たことがありません。具体的な内容を披露できないことが残念ですが、最初の一行を読むだけで笑いがこみ上げてくる、そんな天才的なメールなのです。誰にもマネできない独特の感性を持った、まさに天才肌だと思っていました。

しかしながらTさん、時々「どうやったら設定を変更できるか分からない」と電話をかけてくるほど、本当はメールが苦手なのです。電話越しに「今から言うことをメールに書き起こしてもらいたい」と依頼されたことも何度かあります。

ある時「もっと柔らかい表現にしたい。」「出来るだけクスっと笑える要素を入れたい。」と言いながら文章を考えるTさんの声を聞いて、ハッとしました。

生まれ持った感性で面白い文章が浮かぶわけでも、自己満足のために面白い文章を考えているわけでもなかったのです。メールに溢れていたのは仲間への気遣いでした。

Tさんのアシスタントさんとも話をしたことがありますが「あの人はメールの作成に命をかけている。いかに面白くするか何度もしつこく確認している。」と言っていました。仲間を楽しませるためのメールの裏には、目に見えぬ努力があったのです。

ただ、お客さまにも同じようなノリでメールを送ってしまい、ついつい愉快なニックネームで署名欄を締めくくったところCcでメールを見た支社長に呼び出されたという逸話も持っています。「ベテランが何してるんですか(笑)」と大笑いしましたが、今でもTさんから届くメールの署名欄には不思議な名前が記載されています。

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