菊池 駿也
AIエンジニア・インターン
大学でデータサイエンスを専攻。AIを活用した実務経験を求め、プロパゲートへ参画。AIサイト制作を経験した後、サイトの仕上げや改善を担う「ポリッシュ」チームのリーダーに。現在は、顧客の業務に入り込み、課題の整理から開発・導入までを支援するFDEモデルのプロジェクトに、開発メンバーとして参加している。
インタビュー概要
AIでWebサイトを作り、顧客に届けられる品質まで仕上げる。菊池のインターンは、その実務から始まった。制作方法の改善やメンバーの育成を経験し、現在は、顧客の業務課題に向き合うFDEモデルのプロジェクトに開発メンバーとして参加している。任される仕事が広がる中で、何を考え、どんな力を身につけてきたのかをたどる。
「AIをめっちゃ使えるかどうか」。大学での学びを、実務につなげたかった
大学でデータサイエンスを専攻する菊池は、実務経験を積みたいと考え、長期インターンを探し始めた。
「お金も欲しいし、稼ぎながら実務経験を積みたかった」
会社選びで重視していたのは、AIを仕事で使える環境かどうかだった。機械学習エンジニアの職種などにも応募したが、選考では苦戦したという。
「結構、落ちてたんですよ。面接が、マジで苦手で」
プロパゲートの面接でも緊張していた。それでも、代表の松岡は菊池の意欲を見て、仕事を任せることを決めた。
入社後に担当したのは、AIを使ったWebサイト制作だった。制作方法を説明する動画を見て、実際に自分で作り始める。使用するのは、AIエージェントに指示を出しながら開発を進められるツール、Cursor。参考になるデザインを探し、AIに指示を出して、生成されたページを確認・修正する。当時は、一つのセクションを作るのに1時間かかることもあった。
菊池が求めていた、AIを日常的に使う仕事はすぐに始まった。同時に、AIで形を作ることと、顧客に届けられる品質に仕上げることの間には、まだ多くの作業があると分かっていった。
デザイナーの判断を言葉にし、AIサイト制作の品質を改善する
サイト制作で最も苦戦したのは、デザインの品質だった。
AIが作ったページを見て、どこを直せば良くなるのか。その判断には、デザインの知識や経験が必要になる。制作する人による仕上がりの差を小さくし、ディレクターの確認・修正の負担も減らしたい。菊池たちは、AIへの指示の出し方から改善を進めていた。
そこで協力を求めたのが、社内のデザイナーだった。
デザインをするときに何を考え、どこを見て良し悪しを判断しているのか。その考え方を言葉にしてもらい、菊池がAIへのプロンプトに落とし込んだ。サイトを作るたびに、専門家の知見を反映できるようにするためだ。
デザイナーの説明を聞き、指示を作り、AIの出力を確かめる。思ったような結果にならなければ、また調整する。菊池自身もデザインを学びながら、この作業を繰り返した。
ただし、サイトの品質が上がった理由を、すべて自分たちの工夫によるものだとは捉えていない。菊池は、AI自体の進化による影響も大きかったと振り返る。以前は時間をかけて指示していたことが、新しいAIでは簡単にできるようになる。
制作方法が変わっていく中でも、出力されたものを確認し、足りない部分を見つけて改善する仕事は残る。菊池は、その仕上がりに向き合う経験を積んでいった。
サイトを仕上げる「ポリッシュ」チームで、修正から育成までを担う
入社から約3ヶ月で、菊池は「ポリッシュ」と呼ばれる専門チームのリーダーを任された。
ポリッシュが担当するのは、AIで制作したサイトの最後の仕上げだ。生成した段階では整いきらない細かなレイアウトやデザインを、人が確認する。そのうえで、CursorのAIエージェントに指示を出し、修正・改善していく。
菊池は、こうした実務を通じて、Webサイトの構造への理解を深めてきた。どこの値を変えれば要素の幅が狭くなるのか。余白はどのように設定されているのか。修正の結果を見ながら、見た目とコードの関係を覚えていった。
その知識は、AIへの指示にも役立った。
「パディングとか、マージンとか、そういう用語を使うことで、適切に意図をAIに伝えられるようになった」
何となく「見た目を直してほしい」と伝える段階から、変更したい箇所を具体的に説明できるようになる。自分の理解が深まるほど、AIを使って進められる仕事も増えていった。
リーダーになると、そこにメンバーの育成が加わった。チームでは非エンジニアにも門戸を開き、約1ヶ月の研修を通じて実務に入れるようにしていた。菊池は、新しく入るメンバーに制作や修正の進め方を教える役割も担った。
「マネジメントなんてやったことがなかったので、大変でしたね」
技術に詳しい人同士なら通じる説明も、初めてサイト制作に触れる人には伝わらない。専門用語を減らし、手順を整理し、説明を受けた人が実際に作業できるようにする。研修やマニュアルでは、相手の理解に合わせて伝えることを意識するようになった。
自分の修正を進めながら、メンバーに教え、制作方法も改善する。限られた時間をどう使えば、チーム全体の仕事が進むのか。菊池が考える範囲は、一つのサイトから、制作を担うチームへと広がっていった。
FDEチームの一員として、顧客の業務を支えるシステムを開発する
現在、菊池はホテル清掃会社の業務をデジタル化するプロジェクトに、開発メンバーとして参加している。
このプロジェクトは、顧客の業務に入り込み、課題の整理からシステムの開発・導入までを支援する「プロパゲートAIデスク」における、FDEモデルの取り組みの一つだ。清掃の開始・終了時刻の記録や勤怠管理など、紙で行っていた業務をタブレットやパソコンで管理できるようにしていく。
チームで役割を分担する中で、菊池が担当しているのは、朝礼を分析するAI機能の開発だ。
清掃現場の朝礼では、前日までに出たフィードバックをリーダーが正しく伝えられているか、メンバーがその言葉に応答しているかを確認する必要がある。これまでは、管理者が録音を聞き直して、その様子を評価していた。
菊池が開発する機能は、発言の内容や声の大きさなどを手がかりに、この確認業務を支援するものだ。顧客へのヒアリングやプロジェクト全体の設計は、チームのほかのメンバーが中心となって進める。菊池は、その中で担当機能を開発し、システムに組み込んでいく。
まず取り組んだのは、社内で使う分析アプリの開発だった。エンジニアチームでも朝礼を行い、その録音を使って検証する。自分たちで使いながら精度を改善し、顧客向けのシステムへ移していく進め方だ。
その過程では、チーム開発ならではの手戻りも経験した。音声データの保存方法が、組み込み先のシステムと合っていないことが分かったのだ。元のプロジェクトを十分に確認せずに進めたため、修正が必要になった。
「複数人のプロジェクトだったら、設計が大事ですね、やっぱり」
サイト制作では、意図した結果を得るためにAIへどう指示するかを学んだ。顧客向けの開発では、それに加えて、システム全体の構成を理解し、ほかのメンバーと認識を合わせる必要がある。
自分の担当機能が動くだけでなく、チームで作るシステムの中で使える状態にする。菊池は、そのための確認や調整も経験しながら開発を進めてきた。現在、担当する朝礼分析AIは、顧客がこれから利用を開始する段階まで来ている。
任された仕事で力をつけ、自分から提案できることを増やしたい
「僕の場合は、市場価値を高めたいんですよ」
菊池が身につけたいのは、開発の技術に加え、デザインやマーケティングの知識、周囲と協力してプロジェクトを進める力だ。インターンとして複数の仕事に関わる中で、それぞれを実務で学んできた。
必要な知識を学び、その場で使ってみる。うまくいかなければ、足りなかったことを確かめ、また取り組む。学んだことが目の前の仕事に結びつくことを、菊池は楽しんでいる。
「学びもあるし。楽しいです」
次に挑戦したいのは、自分から提案して、新しい仕事を生み出すことだ。
「松岡さんを、あっと言わせるような提案をしたい。会社の飛躍につながることをしたいです」
AIを使える仕事を求めて入社し、サイトの仕上げやチームの育成を経験した菊池は、今、顧客の業務を支える開発に携わっている。任された仕事で得た知識と経験を、次は自分からの提案につなげようとしている。