こんにちは。ポケラボクリエイティブ部です。
クリエイティブ部のメンバーがスキルアップに励む姿をお送りしているCreative Blog。
今回は、「Creative Blog #25 キーポーズを使ったモーション作成 その1」の続きをお送りします。
あの大ラフがどのように仕上がったかご覧ください!
今回も「キーポーズ方式(キャラクターの一枚絵をSpineに組み込み迫力あるモーションを実現する手法)」によるモーションのクオリティアップを引き続き検証していきます。
Spineに関してはこちらをご参照ください。
http://ja.esotericsoftware.com/
前回作成した大ラフから詳細ラフ(清書の一段階前の状態)を作成しました。
今回はあくまでキーポーズ方式の検証なので、清書まで行わず詳細ラフまでとしました。
大ラフでは「余裕があれば作成」と言っていましたが、4つ全て描いてもらいましたのでご覧ください!
◆ため
◆中割
◆パンチ
◆波動エフェクト
※パーツ毎に展開してる状態です。モーションを作る際に大ラフのように配置します。
前回の大ラフと並べて掲載します。
◆ため
◆中割
◆パンチ
◆波動エフェクト
このキーポーズがSpineに組み込まれ、動き出す光景を考えるとワクワクしますね。
キーポーズの作成者のコメントがコチラです。
良かった所は、「パンチ」で体や腰の捻りを上手く表現できた事です。
「待機」で腕をぐるぐる回している所をコマ送りで実現するというアイディアも、普段の作成方法と違うので面白いと思います。前職でアバター背景やUIパーツをコマ送りでアニメーションさせた経験があるので、それが活かされたのかもしれません。
反省点としては、「待機」の体部分の奥行き感が弱かったところです。
元のキャラクターデザインの整合性を考慮すると中々難しく、キーポーズ方式の強みを活かしきれませんでした。奥行き感があるポージングは一朝一夕で身に付くものではなく、経験を積む必要があると感じました。
先程も少し触れましたが、大ラフから詳細ラフに進むにつれてキャラクターデザインの整合性を考慮しつつキーポーズを描く難しさを顕著に感じました。その為、パーツの形状や手足の長さに気を付けつつ仕上げていきました。特に「待機」の腕をぐるぐる回す所は、腕の長さや肩の位置に気を付け、違和感が無いように注意しました。
色々大変ではありましたが、後工程のモーション制作の事は特に気にせず思い切って描きました!
そんな想いがこもったキーポーズをSpineに組み込んでいきます。
前回の記事でご紹介した通り、AスタンスでセットアップしたSpineに、「ため」「中割」「パンチ」のキーポーズを組み込みます。
Aスタンスのセットアップのみであれば、Rootの下には「Move」が1つしかありませんが、キーポーズを3つ組み込んだので「TM_Move(ため)」「MD_Move(中割)」「ST_Move(パンチ)」の3つが追加され、合計4つになっています。
また、コンストレイントも「ため」で2つ、「パンチ」で2つ、合計4つ追加しています。
「TM_Move(ため)」のセットアップはこのようになりました。
ボーンは43個、スロットは32個あります。
※全体(Aスタンス、ため、中割、パンチ)のボーンは147個、スロットは92個です。
パーツはこのように分けています。
当初は、Aスタンス以外のキーポーズのセットアップには左程工数がかからない想定でしたが…、
・静止画感を無くす
・ある程度動くことを想定してパーツを分ける
上記を意識しつつセットアップを行った結果、予想よりも工数がかかってしまいました。
セットアップが大変だっただけあって、こんな風に動くようになりました!
「TM_Move(ため)」の時点(まだ「中割」と「パンチ」のセットアップが残っている)で、予想以上にキーポーズのセットアップが大変という事が発覚したのですが…、覚悟を決めてこのまま進めます!
今回は初めてという事もあり予想より工数がかかってしまいましたが、回数を重ねる事でノウハウが蓄積され、適切なコスト(力の入れ具合、注力する箇所としない箇所)が分かってくると思います。何事も経験!
今回はここまでです!
次回は「中割」と「パンチ」のSpineセットアップをご紹介し、完成したモーションをお見せします!
いかがでしたでしょうか?
キーポーズの絵がとても良い感じに仕上がり、期待大ですね!
当初は、キーポーズのイラスト作成コストを気にしていましたが、実際にやってみるとセットアップの方がコストが大変な事になりそう…。
ですが、今回は検証なのでこのまま突き進みますよー!
次回でキーポーズ方式のモーション作成は完結です。
どんなモーションが出来上がるかお楽しみに!