Playceで働く15名のスタッフのうち、半数以上が中途入社の社員です。中には全くの異業種から転職してきて、未経験からライターになったスタッフも。全員が編集・ライターとして活躍しています。今回は、チーフとしてスタッフをサポートする瀬戸川彩が、仲間の成長を見守る上で大切している想いや工夫について語ります。
インタビューからライティングまで、スキルに合わせた研修を実施
中途入社の場合、経歴やスキルがバラバラなので、統一した研修制度は用意していません。経験に応じて、それぞれに必要な研修を受けてもらいます。かといって、スキルを見るテストがあるわけではなく、実務を通して確認する形です。
まずは1000文字程度の短い原稿を書く案件を担当してもらい、ライティングスキルや得意なジャンルなどを把握します。その上で、必要に応じて社長の秋山をはじめ、私やベテランスタッフによる社内研修を実施します。
未経験や新卒で入社した場合は、文章の基礎的な書き方を学ぶ社内研修から始めてもらうことがほとんどです。事前準備から構成の手順、執筆時の注意事項まで、ライティングの基礎を丁寧にレクチャーしていきます。他に、取材のイロハを学ぶ「インタビュー講座」も実施。取材時の留意点や、よいコメントを引き出すためのテクニック、執筆のコツなどをこと細かにお教えします。また、一人ひとりの読書力や読書体験に合わせて選書を行い、指定図書に関するレポートを書く「読書課題」を出すこともあります。ライターにとって必要不可欠な、語彙、教養のインプットや理解力の醸成を兼ねて、楽しみながら取り組んでもらっています。
ライター経験者の場合は、本人のスキル、希望を考慮して、適宜研修を行っています。ある程度の経験を積むと、他の人の取材方法やライティングで意識していることなどを知る機会ってあまりないと思うんです。その点、研修では「秋山はこうやって執筆作業をしているんだ」「インタビューをこういう手順で進めているんだ」といったことを知ることができるので、経験者にとっても勉強になると思います。改めて気付かされることがあったり、自分のやり方を見直す良い機会になったりするようなので、とても好評です。「また参加したい」「こういう講座もやってほしい」とオーダーがくることもしばしば。ガチガチに決めたルールがないからこそ、一人ひとりに合わせた柔軟な対応ができるのだと思います。
原動力はスタッフの成長! 上長として必要な努力は惜しまない
上長として欠かせない仕事は、スタッフが書いた原稿の確認です。そこで工夫しているのは、「相手に合わせた赤字を入れる」ということです。人によって、性格や特性は違います。褒めて伸びるタイプがいれば、ビシッと言った方が響くタイプもいます。1を伝えれば10まで書ける人もいれば、5まで伝えたほうが精度の高い10を書ける人もいます。どこまでを伝えるべきかを常に考えながらていねいに赤字を入れるよう心掛けています。
そのためには、スタッフ一人ひとりをきちんと理解することが必要です。必要な講座を受けたり本を読んだり、見守る側としての努力は決して怠らないよう意識しています。約1年前に読んだのは、アメリカのシリコンバレーで取り入れられている「1on1ミーティング」についての本でした。1on1は、上長とスタッフによるこまめな対話のことを指しますが、本では、単なる進捗確認や様子うかがいではなく、スタッフ自身が自分の課題を見つけられるように上長が導いていく方法が書かれていました。簡単ではないとわかりつつも「とりあえずやってみよう」と思い、すぐに始めました。
「みんなノート」と称した、スタッフの様子を書き留めておくメモも続けています。このノートには、スタッフの行動や成果、得意なところ、つまずいた点などを細かく残しています。そして、それらの気づきに対して、自分がどんなアドバイスしたのか、その後、スタッフにどういう変化が見られたのかなども追記していきます。スタッフの変化や成長を見える化することで、自分のアドバイスがどう活きたのか、なにを改善するべきなのかがわかってくるのです。また、体調やメンタルの状態などについても書いておくことで、ちょっとした変化に気付くキッカケにもなります。その上で、もし「落ち込んでいるな」「つまずいているな」と感じたら、素早く声をかけるようにしています。少しでもスタッフが働きやすくなるように、よりよい環境を作ることを目指して努力しているところです。みんなが成長していく姿や、楽しそうに仕事をしている姿を見るのが、今は何より嬉しなと感じます。
もう1つ、意識していることは話しやすさです。歳が離れたスタッフですと、多少なりとも壁を感じると思います。だからこそ、話しかけやすいようにオープンにしておくことを常に心がけています。これは他のマネジメントメンバーにも共通して言えることです。会社のカラーや雰囲気は、社長によって決まると感じています。その点、秋山は常に前向きで、ネガティブなことでさえもポジティブに変えてしまうような陽気な人。Playceのマネジメント層がみんな揃ってオープンなのは、秋山の影響も大きいと思います。
実際に使っている「みんなノート」。スタッフの些細な変化も書き留めておくことで、何気ない会話の糸口になっています。
誠実さが何より大切! Playce独自の評価制度とは?
Playceでは年に2回、評価シートをもとに人事考課を行っています。半年前に立てた目標と既定の評価項目に対し、SからDの5段階で自己評価と上長評価を記入します。評価項目の内容は「身の回りの整理整頓はできているか」「報告・連絡・相談は適切に行えているか」「ライティングスキルを高める努力は意欲的に行えていたか」など、基礎的なマナーからクリエイティブに関することまで約30個。成長が見られたところは大いに評価し、達成できなかった項目に関しても、どんどんコメントを入れていきます。よいところも改善点もしっかり評価・確認して、成長につなげてもらいたいなと考えています。
また、年1回、等級の見直しをしています。大体のスタッフが1~2年かけて1つ上の等級へと上がっていますが、能力に応じて2つ上、3つ上へステップアップすることもあります。一方で、稀に等級が下がるスタッフもいます。スタッフ一人ひとり現状をしっかりと見極めて、忖度なく、誠実に評価する。こうした姿勢や目を常に持ち、スタッフのスキルアップを促すようにしています。
相談しやすい社内の雰囲気が、スタッフ同士の助け合いを後押し。人事考課では「他のスタッフやお客様に配慮した仕事ができているか」も確認します。
キーワードは柔軟性! どんな案件や状況も楽しんでほしい
Playceでは、フットワークが軽く、どんなことにも意欲的な人を求めています。中途入社の場合、これまでの経験を活かしながら「どこにでも取材にいきます」「もっと色んなものを書いてみたいです」という人と一緒に働けると嬉しいですね。
マインドとして持っていてほしいのは、前向きに物事を捉える姿勢。さまざまな案件を担当する中で、とにかく大量の赤字をもらうこともあり、社内からはもちろん、クライアントからも厳しい指摘が入ることも少なくありません。その時に「上手く書けなかった」と落ち込むのではなく、「成長する機会をもらった」と前向きに転換できる人が良いですね。
あとは素直さもとても大切。上長やクライアントからの自分に対する指摘はもちろん、他の人に対するアドバイスまで自分ごと化して考えられると良いですね。凝り固まらず、周りの意見を柔軟に取り入れられる人は、成長も早いと思います。
一人ひとりに合わせた柔軟なサポート体制と、何事も前向きかつ柔軟に捉えるスタッフの対応力。Playceのものづくりは、この2つが支え合うことで成り立っています。今後も「柔軟性」をキーワードに、スタッフ一丸となってものづくりを行っていきたいと思います。
クライアントワークから執筆まで! オールマイティな編集・ライターを目指して
最後に、これからPlayceに応募しようと考えてくださっている方には、案件の幅広さだけではなく、携わる業務の幅が広いことについても理解していただけると嬉しいです。クライアントとのやり取り、見積もり作成、デザインディレクション、印刷の手配……。編集やライティングだけでなくその周辺にある全ての工程をスタッフ全員にお任せしています。それ故に、原稿だけを書きたい、編集だけをしたいと考えている人にとっては、Playceはマッチしないかもしれません。どんなことでも興味をもって楽しめる方、制作にまつわる幅広い業務に携わりたいと考えている方、そして、自分で道を切り拓く気概を持った方と、のびのびと前向きにものづくりをして行けると嬉しいです。