プロジェクトアドベンチャージャパンでは、「アドベンチャー教育のファシリテーション」というものを対象化して理解を深めていくために登録ファシリテーターと共に勉強会を開いています。ファシリテーターとしての能力を高めるために必要なこと、大切なことは山ほどあり、さまざまな内容の勉強会を行っています。今回は“ダンス”を切り口に様々な対象に向けてプログラムを提供している菊地雄亮さんをお招きしました。菊地さんはノンバーバルコミュケーションの中から生まれる自分を表現する力を伸ばすプログラムを展開しています。
身体をほぐし、心をほぐす
ちょっと難しそうなこともみんなで超えていく。それも楽しみながら。菊地さんの人柄が全開のパワフルなスタート。まずはラッパーになりきってリズムに乗りながら自己紹介!人によってはかなりハードルが高そうです。でもみんなの笑いと応援でぐんぐんテンションが上ってきます。このハードルを超えたところには何が見えるのでしょうか。
次は言葉と音楽の瞬発力を高めるアクティビティ。
ペアになりお題から連想するものを出していきます。片方が「赤いもの!」といえば、もう片方は「りんご!」などと連想して答えていく。そして、流れてくる音のイメージで自分なりに一本道を歩いてみたりもしました。
言葉と音楽の瞬発力、そしてリズム感。表現をすることは人によってはハードルが高いものですが、少しずつ身体と心がほぐれていく瞬間があります。
菊地さんは言います。「リズム!ズレてもいい!楽しければいい!心を開放して楽しみましょう!」それは「頭で分かる」のではなく、「全身を開放して分かる」ことが大切なのでしょう。
心を身体で表現する
今日のメインのダンス。ウォームアップのあとは早速振り付けが始まりました。最初はなかなか思うように動けません。少しずつ振り付けを覚えていきます。
出来るようになるって嬉しい、出来るようになる感覚と共に気持ちも上がってきます。やっぱり踊るのは恥ずかしい!という人もいます。恥ずかしさも抱えながら、みんなでつくる楽しさ、出来るようになる嬉しさ、披露する充実感、さまざまな気持ちがグループのちからを高めていきます。
最後はお互いのチームの踊りを披露し合いました。発表し合うことで、練習の段階から、一段上に登っていくみんなの姿をみたような気がします。みんなにはその一段先にある何が見えたのでしょう。
「うまくやりたい、ちゃんとやれるを超えたところには何があるのか」「踊りの中での自分の変化は何なのか」「周りに合わせるのではなく、自分にとっての表現に向き合うとはどんなことなのか」「表現することの楽しさに触れた」
そんな感想が出てくる中で、最後は菊地さんの即興ダンスを見せてもらって勉強会の幕を閉じました。短い時間でしたが、ひとつの物語が始まり、そして閉じていきました。
その時間、その場で共有した感覚をそれぞれが持って、また次の物語へと進んでいきます。
BE A HERO
菊地さんは「自分の"好き!"という気持ちを堂々と表現できる場所を創出していくというミッションを持って活動しています。ノンバーバルコミュケーションの中から生まれる
自分を表現する力を伸ばすプログラムを展開しています。
ダンスの上手、下手ではなくて、一生懸命な気持ちが大切。そうやっていたら人に応援してもらえる可能性があるし、自分が今いるところで出来ることがあります。
今回のファシリテーター勉強会は、「どんな自分になりたいか」ということを身体を使いながら、自分を主張しながら、自分が自由になりながら、仲間に支えてもらいないながら、探っていく時間だったのではと思います。
(20180702)