GienTechでは、AI技術の業務活用を推進するため、社内でインテリジェント・エージェント・イノベーション大会を開催しています。
大会には、研究開発、グリーン・低炭素、サプライチェーン、運用高度化など、多様な業務領域から数十件のソリューションが集まりました。生成AIの活用は、モデルの規模や性能を競う段階から、実際の業務プロセスをどう変えるかという段階へ移りつつあります。
今回取り上げる「Excelインテリジェント・データマイニングアシスタント(Stats-AI)」は、大会で受賞したマルチエージェント型のデータ分析ツールです。Excel/WPSに組み込んで利用でき、データ分析を専門家だけの作業から、業務担当者が自然言語で扱える日常業務へ近づけます。
Excelは使えても、分析は難しい。データ活用が進まない本当の理由
Excel/WPSを日常的に使う営業、運営、財務、マーケティング、金融投資リサーチなどの部門が、表計算データの分析、月報作成、予測モデリング、データベース照会をより短時間で行う場面です。
Excelは多くの企業にとって、売上、在庫、財務、顧客情報を扱う最も身近な業務現場です。一方で、統計分析、機械学習、レポート自動生成に踏み込むと、複雑な関数、スクリプト、専門ツール、開発部門への依頼が必要になりがちです。
· 統計分析や機械学習を始めるまでに、環境構築や専門知識の壁がある
· ピボットテーブル、関数、グラフ作成、書式調整などの手作業に時間がかかる
· 分析依頼が開発部門やデータ専門家に集中し、業務担当者がその場で判断しにくい
· 複数ワークシート、複数データソース、データベースを横断した確認が煩雑になりやすい
Stats-AIは、この摩擦を減らすために、自然言語、表計算ソフト、AIエージェント、コード実行を1つの作業画面にまとめます。担当者は分析したい範囲を選択し、チャットのように依頼するだけで、分析、計算、グラフ生成、表への書き戻しまでを進められます。
データ活用を専門家だけのものにしない 、Excel内で完結する分析アシスタント
Stats-AIはOffice Add-inとしてExcel/WPSに組み込まれます。別のWebアプリへデータをコピーする必要はなく、サイドバーを開いて、分析したい範囲を選択し、自然言語で依頼するだけです。
内部では、Planner(計画エージェント)が依頼内容を理解してタスクを分解し、Executor(実行エージェント)がコードエンジンを呼び出して計算を実行します。結果はExcelの表へ直接書き戻され、SSEによるリアルタイム出力と非同期処理により、実行過程も追跡できます。
主な利用シーン
販売・運営月報
従来は、ピボットテーブル、関数、グラフ、書式調整を手作業で行う必要がありました。Stats-AIでは、データ範囲を選び、月報に必要な分析を自然言語で指示するだけで、グラフ付きの分析結果を生成できます。週次会議や月次報告にそのまま活用しやすい形で出力されます。
機械学習モデリング
顧客流失予測などの分析も、Python環境の構築やパラメータ調整なしで開始できます。AutoMLモードに加え、専門家が調整できるガイド付きカスタムモードも用意されており、業務担当者と分析専門家の双方に対応します。
データベースQA
注文、在庫、財務データの確認では、複雑なSQLを書く代わりに自然言語で質問できます。開発担当者へのデータ抽出依頼を減らし、質問から表への出力までを短時間で完了します。
Stats-AIの差別化ポイント
· Excel/WPS内で作業が完結し、既存の業務習慣を変えすぎない
· 自然言語入力、範囲選択、ファイル、画像、音声、データベース接続など、多様な入力に対応
· RAGナレッジベースを組み合わせ、Office.jsコード生成の精度向上を支援
· 複数ワークシート、複数データソースをまたぐ分析に対応
· 私有化導入、データ安全、信創環境への適応を視野に入れた企業向け設計
期待される効果
実際の試用では、データ分析タスクの1人当たり処理時間が約60%から70%短縮されました。これまで「依頼して数日待つ」必要があった分析を、担当者がその場で実行し、結果を表に戻せるようになります。
Stats-AIは、個人のExcelユーザーにも、企業全体の分析基盤にも適用できます。財務、運営、営業、マーケティング、金融投資リサーチなど、日常的に表データを扱う担当者にとって、専門分析への入口を大きく下げるツールです。
今後の展望
GienTechは、本大会への参加を通じて、AIエージェント技術を実際の業務課題と結びつける取り組みをさらに加速させています。今後も、各部門の業務知識とデータ活用の現場課題を取り込みながら、Stats-AIのような業務密着型ソリューションの検証、改善、実装を継続し、企業のインテリジェント化を支援していきます。本ソリューションの詳細、導入相談、デモのご希望については、ぜひお問い合わせください。