注目のストーリー
All posts
日本のものづくりへの提言 ~感性と技術の融合で描く未来~
日本のものづくりがこれからも世界で評価され続けるためには、作り手の「感性」を最大限に活かす製品をつくること、そして所有者の「感性」に響く製品をつくること。この2つが極めて重要だと感じています。これらを追求することが、日本のものづくりの強みを最大限に引き出す鍵だと思うからです。作り手の「感性」を活かす製品づくり作り手の感性とは、経験を通じて培われる勘やコツ、微妙な違いを見抜く力のことです。日本人は、何かを使ったときに「どうもしっくりこない」「なんだか違和感がある」といった細やかな問題を敏感に感じ取る能力に長けています。この繊細な感性こそが、世界に誇る高品質な製品を数多く生み出してきました。...
年頭にあたり ~答えのない時代のはじまり~
昨年、印象的だった出来事のひとつは、兵庫県の知事選でした。ネットの影響力がオールドメディアを上回り、結果に大きな影響を与えました。このようなことは日本において初めてだったのではないでしょうか。私は今まで、メディアの報道に疑問を感じることがあっても、陰謀論者と思われるのが怖くて、あまり口に出せませんでした。でも、この知事選を見て、私と同じようにメディアの報道に疑問を持つ人が増えていることがわかり、疑問を口にしやすい空気が広がってきたと感じています。今年は、おそらくこうした「メディアが隠してきた事実」がいくつも明るみに出る年になるでしょう。トランプは当選後の最初の演説で、「就任後数時間以内に...
AI時代だからこそ大切な「その会社らしさ」の経営
経営指針手帳を製本しました。今まではファイルに綴じたものを使っていたのですが、こうして製本したほうが、ページめくりがしやすいせいか、読みやすいと感じます。この60ページにわたる経営指針手帳には、私なりの「哲学」がぎっしり詰まっています。私はずっと前から、経営には哲学が欠かせないと感じてきました。それがなければ、「その会社らしさ」を形作ることができないと思うからです。何らかの経営判断をするとき、外側の基準に従って判断しているだけでは「らしさ」は作られません。たとえば、常識がこうだからとか、法律がこう定めているからとか、多くの人がこうする傾向にあるからといった、外側の基準だけで判断していては...
世界がひっくり返る
先日の兵庫知事選、結果がとても気になっていたのですが、斎藤元彦さんが当選して嬉しかった。ただ、私は斎藤さん自身が知事としてどれほどの資質や能力を持っているのかはわかりません。なので、私が嬉しかったのは、斎藤さんの勝利そのものではなく、ネットの影響力がオールドメディアを上回ったことなのだと思います。日本では初めての出来事でしたしね。今、多くの人がオールドメディアに対して不信感を抱いているのを感じます。つい先日も、アメリカの大統領選において、テレビではハリスが優位だと報じられていましたが、実際にはトランプが圧勝しました。また、ウクライナ戦争ではプーチンが「悪」であり、イスラエルにおいてもハマ...
小さな行動が世界を変える
少し前、経営理念をつくるには、「なぜやるのか」に焦点を当てることが大切だと書きました。その「なぜ」を掘り下げていくと、自社の活動がどのようにして人類社会に貢献できるか、という問いに行き着きます。ただ、人類社会という言葉を聞くと、「そんな壮大なことまでは考えていない」という風におっしゃる方もいらっしゃいます。けれど、どんなに小さな行動でも、社会に何らかの影響は与えているものだと私は思っています。「バタフライエフェクト」という言葉をご存知でしょうか。その意味は、「ある場所で蝶が羽ばたくと、地球の反対側で竜巻が起こる」というものです。これは、ほんの小さな行動が、連鎖的に大きな影響を生むことを表...
スキルの先にあるもの
多くの人が「能力を高めたい」と考えるとき、まず思い浮かべるのが「スキル」を磨くことです。しかし、私はそれに加えて「センス」を養うことも大切だと感じています。どの職業においても、本当に優秀な人というのは、「センス」とか「直感」も優れている気がします。「スキル」が高いだけでは、限界を感じる場面があるでしょう。「スキル」というのは、誰でもその仕事ができるようにするために、センスが良い人の仕事ぶりを分析し、パターン化したもの。だから、まだパターンが存在しない新しい仕事や、想定外の状況には対応しにくいと思うのです。なのになぜ、「センスを磨こう」とは誰も言わないのでしょうか。それは、センスを身に着け...
「なぜ」を語る経営理念
私は昨年から、同友会というところで、「経営理念をつくる会」のメンター役を務めています。メンターを務めるほどの立派な経営者ではありませんが、それでも28年の経営経験があるので、少しでもお役に立てればと思っています。経営理念をつくる際に、私は参加者のみなさんに、特に大切にしてほしいと願っていることがあります。それは、「なにをやるのか」よりも、「なぜやるのか」に焦点を当ててほしいということです。「なにをやるのか」は、具体的にどのような仕事をするかを指し、「なぜやるのか」は、その仕事の根本的な社会的使命を指します。私は、この地球上に住むすべての人々の共通の目的は、人類社会全体への貢献だと思ってい...
ありがとうを伝えられたなら
20代のころ、私は小さな会社で働いていた。社員が少ない分、いつも社長のそばで仕事ができた。先日、その社長が2年ほど前に亡くなったことを知り、今日はご自宅を訪ねてお線香をあげさせていただいた。社長の写真を見ながら、奥様と当時の思い出話をたくさんした。社長には本当にいろんなことを教わったなあ。小さな会社だったからこそ、社長がどのように経営に向き合っていたかを間近で見ることができた。経営とはどうあるべきか、人とどう接すべきか。教わったことは数えきれない。それが今の自分にどんだけ役立っているか。改めて思い知る。この歳になると、若い頃にお世話になった人がご高齢になっていることが多い。そして、気がつ...
新製品の魅力とは
先日レストランで食事をしていたら、左斜め後ろの女性二人組の会話が耳に入ってきた。「格付けチェック観た?」「観てない。録画してあるけど」「放送してる時に見るから面白いのに」そういえば自分も、映画をいくつかPCに保存してあるけど、それよりも Amazon プライムとかで配信されてる映画ばかり観ている。保存してある映画の中にも良い映画はあるのに、それらは放置したままで、配信しているほうの映画ばかり観ている。それはたぶん、「ほかの誰かも観ている」ということに、何か魅力を感じているからだと思う。だから、女性が言っていた「放送してる時に見るから面白い」というのは何となく共感できる。そのあと家に帰って...
突き動かされている感覚
仕事をしているとき、「何かに突き動かされているような感覚」を味わうことがある。自分の意志で仕事をしているというよりは、何かに突き動かされているような感覚。この感覚は一体何なのか。改めて考えてみると、心の奥底に「共感」というものがあるような気がする。会社を始めてから26年以上が経つ。その中で利益を最優先に考えていた時期があった。社員を初めて採用した頃だ。もし事業がうまくいかなくなった場合、私一人の会社なら困るのは自分だけだが、社員を雇っていると他人に迷惑をかけてしまう。そのプレッシャーが私を利益重視にしていった。利益ばかりを追求していると、一時的にはうまくいっても長期的にはうまくいかない。...
女性性と日本
「女性性」とは何か。私がすぐに思い浮かぶのが、宮崎駿監督の映画。彼の映画は、主人公に女の子をもってくることが多い。その理由を考えたときに、女性性とは何かということが私の中で明確になる。もしあの映画の主人公が男の子だったらどうなるか。たぶん、スリリングでユーモアもあって、エキサイティングな内容になるとは思う。だが、「面白かったね」で終わる。ただそれだけの映画になってしまう。感動が持続せず、心の中に残るものも何もない。そういう映画になってしまう気がする。でも女の子を主人公に持ってくるとどうなるか。ぬくもりというか、人類全体を包み込むような愛というか、そういう大きな愛を感じさせる作品になる。ジ...
主観的価値が高まる時代
YouTube がなぜ成長できたのか。それは、ユーチューバーが自らの「主観」を語るからではないか。たとえばダイエットにしろ、筋トレにしろ、科学的かつ客観的に「正しい方法」があるとすれば、その解説動画は各ジャンルに一つだけあれば十分だ。でも、人々は正しさだけを求めているわけではない。「科学的にはこうしたほうがいいと言われているけど、あの人はどうやっているのだろう」というように、人それぞれのやり方や考え方が気になる。そういうニーズがあるから、一つのジャンルの中にたくさんのユーチューバーが生まれ、YouTube は成長していったのだ。こうした、一つのジャンルにたくさんのプレイヤーが共存する現象...
目に見えないものを大切にする生き方
私は高校生の頃から、宇宙を理性だけで説明することは不可能だと感じてきた。138億年もの長い年月をかけて創造されたこの壮大な宇宙を、人間の浅知恵だけで説明できると考えるなんて奢りが過ぎる。そう感じてきた。そのせいか、理性を万能とする考え方や、理性で説明のつかないものを軽視する考え方に触れると、どこか違和感を感じてしまう。たとえば今、過度なグローバリゼーションが各国の多様な伝統や文化を消し去って、画一化しようとする風潮を感じるが、理性で説明できないからといって、それを消し去ってしまってよいものだろうか。その国の人々にとっては何か大切な意味があるだろうから、これからも大切にしていくべきではない...
AIは人間にとって脅威か
「モノと心は表裏一体である。」この考えが記号接地問題を解決するヒントになるのではないかと先日書き込みました。これはどういうことかということを自分なりに説明してみます。前回同様、専門家ではない私が考えても意味はないけれど書いてみます。まず、大前提として私たちは仮想空間の中で生きているということです。これはコンピュータ上の仮想空間のことではなくて、いま現実と感じているこの世界が実は仮想空間だということです。私たちが見ている世界は、脳で処理した結果であって、真実そのものではありません。脳が処理する前の世界を「物理世界」とすると、脳が処理した後の世界は「意識世界」です。仮想空間は、その両方の世界...
ソニーの井深大さんの言葉と記号接地問題
先日、「ChatGPTがなぜバカになるのか」という書き込みをしたのですが、それを解決するにはどうしたらいいかを考えていたら(私が考えても意味はないけれど)、ソニーの井深さんの言葉を思い出しました。井深さんは下記のような気になる言葉を残しています。私の考えるパラダイムってのは一体何であるか。現在、モノを中心とした科学が万能になっているわけですね。これはデカルトとニュートンが築き上げた『科学的』という言葉にすべての世界の人が、それにまんまと騙されて進んできたわけなんです。それはどういうことかと言いますと、「デカルトがモノと心というのは二元的で両方独立するんだ」という表現をしている。これを話し...