こんにちは。Orange Moon株式会社 代表の増山です。
私たちは、AIを活用したマニュアル自動作成・共有サービス「ManualForce」を開発・提供しています。
営業と開発を合わせて10人前後の、まだまだ小さな会社です。
そんな私たちですが、日々お話ししているお客様の中には、日本を代表するような大企業もあります。
今日は、Orange Moonの営業の仕事について、少し違う角度から書いてみたいと思います。
一人のお客様の「これ、使ってみたいですね」が、実際に企業での導入につながるまで。
その間に、どんなことが起こるのか。
実は、BtoB SaaSの営業には、ここに大きな面白さがあると思っています。
最初は、たった一人の「ちょっと気になる」から始まる
例えば、展示会でManualForceをご紹介したとします。
PCの操作を記録するだけで、スクリーンショットや説明文を含むマニュアルが自動で作れる。
そんなデモをご覧いただくと、興味を持ってくださる方がいます。
「これ、便利ですね」
「うちの部署でも使えそうです」
「一度詳しく聞いてみたいです」
こうした反応は、私たちにとって嬉しいものです。
ただ、ここで一つ重要なことがあります。
その方が「使ってみたい」と思ったことと、企業として導入を決めることは、まったく別の話だということです。
個人で利用するサービスなら、自分が便利だと思えば、その場で購入することもできます。
でも、企業が新しいサービスを導入する場合は、そうはいきません。
本当に業務で使えるのか。
他のメンバーも使えるのか。
費用に見合う効果があるのか。
情報セキュリティは問題ないのか。
誰が予算を持っているのか。
社内の誰に説明する必要があるのか。
さまざまなことを確認しなければなりません。
つまり、目の前の一人のお客様に興味を持っていただいたところが、企業への導入に向けたスタート地点なんです。
お客様自身も、社内で新しいことを始めるのは大変
私は、ここを営業として理解しておくことが大切だと思っています。
例えば、ある企業の担当者の方が、ManualForceを便利だと感じてくださったとします。
その方は、日々の業務でマニュアル作成に時間がかかっている。
もっと効率よく進めたいと考えている。
だからManualForceに興味を持ってくださった。
でも、いざ会社で導入しようとすると、自分以外の人にも説明しなければなりません。
上司に相談する。
関係部署に確認する。
費用について説明する。
場合によっては、情報システム部門やセキュリティ担当部門にも確認していただく必要があります。
しかも、その方が普段担当している仕事がなくなるわけではありません。
日常業務を進めながら、新しいサービスの導入も検討する。
これって、結構大変なことだと思うんです。
だから私は、営業が単に、
「ManualForceは便利なので、ぜひ導入してください」
とお願いするだけでは不十分だと思っています。
お客様自身が、社内で新しい取り組みを進められるようにすること。
そこまで考えて初めて、本当にお客様に向き合った営業になるのではないでしょうか。
商談では、機能を説明するより先に知りたいことがある
Orange Moonでは、最初の接点をインサイドセールス(IS)がつくり、フィールドセールス(FS)が商談を進めることが多いです。
ISは、お客様の関心を引き出し、課題を伺いながら商談につなげます。
そしてFSは、商談の中でさらに詳しくお客様の状況を理解していきます。
例えば、マニュアル作成を効率化したいというお客様がいたとします。
そこで、ManualForceの機能を一通り紹介することもできます。
でも、私はその前に知りたいことがあります。
なぜ、マニュアル作成を効率化したいのか。
今は誰が作っているのか。
どれくらい時間がかかっているのか。
作成したマニュアルは、誰が使っているのか。
その負担が減ることで、どんな仕事に時間を使えるようになるのか。
こうしたことです。
例えば、同じ「マニュアル作成が大変」という課題でも、その背景はさまざまです。
システム刷新に伴って、大量のマニュアルを作り直さなければならない。
人事異動が多く、引き継ぎに時間がかかっている。
拠点ごとに仕事の進め方が異なっている。
新人教育のたびに、同じことを教えている。
課題の背景が違えば、ManualForceを導入して実現したいことも違います。
だからこそ、まずはお客様の仕事を理解する。
私は、ここが営業の出発点だと思っています。
「一度使ってみましょう」から、話が具体的になる
ManualForceのFSは、基本的に次の流れでお客様の導入検討を支援しています。
商談 → トライアル説明会 → トライアル → 振り返り → 受注
商談で興味を持っていただいたら、実際にManualForceを使っていただくトライアルへ進みます。
私は、このトライアルがとても重要だと思っています。
なぜなら、お客様が本当に知りたいのは、単に機能が便利かどうかではないからです。
自分たちの会社で、本当に使えるのか。
ここを確認したいんです。
例えば、実際の社内システムの操作を記録してみる。
これまで使っていた方法と比較してみる。
作成されたマニュアルを、他のメンバーにも見てもらう。
実際の業務で使ったときに、どんな効果がありそうかを確認する。
こうしたことを通じて、最初は漠然としていた期待が、少しずつ具体的になっていきます。
「便利そうですね」
から、
「この業務で使えそうですね」
へ。
そして、
「この部署で導入したら、こういう効果が期待できそうですね」
へ。
この変化が大切です。
もちろん、試してみた結果、想定していた使い方が難しいと分かることもあります。
だからこそ、トライアルで確認する意味があります。
営業としては、良いところだけを見せるのではなく、実際の業務で何ができて、何が難しいのかを一緒に整理していく必要があります。
導入を決めるのは、一人ではないことが多い
トライアルで効果を感じていただけたとしても、そこで必ず受注になるわけではありません。
ここから、企業としての導入判断が始まる場合もあります。
例えば、実際に使った担当者の方は、
「ぜひ導入したいです」
と思ってくださっている。
でも、上司の方は、
「費用に対して、どのくらい効果があるの?」
と考えているかもしれません。
情報システム部門は、
「安全に利用できるの?」
という点を確認したいかもしれません。
他の部署では、
「私たちの業務でも使えるの?」
という疑問があるかもしれません。
それぞれ、気になることが違うんです。
私は、ここが大企業向けの営業の奥深いところだと思っています。
同じサービスをご提案していても、関係する方々によって知りたい情報が違います。
現場の担当者には、実際の使いやすさ。
管理職の方には、期待できる業務改善の効果。
情報システム部門には、セキュリティや運用面。
それぞれに必要な情報を、分かりやすく伝えていく。
そして、最初にManualForceを見つけてくださった担当者の方が、社内でも説明しやすい状態をつくっていく。
営業が一方的に説得するのではなく、お客様が社内で納得して導入を進められるようにする。
私は、そういう営業でありたいと思っています。
一つの部署から、会社全体の話に広がることもある
もう一つ、ManualForceの営業で面白いところがあります。
それは、最初の導入目的と、その後に見えてくる可能性が必ずしも同じではないことです。
例えば、最初はある部署のマニュアル作成を効率化するために、ManualForceを検討していたとします。
でも、話を進めるうちに、
「他の部署でも同じような課題があるのでは?」
「拠点ごとの仕事の進め方も整理できるのでは?」
「新人教育や業務引き継ぎにも活用できるのでは?」
という話になることがあります。
最初は一つの業務の改善だったものが、少しずつ広い範囲の話になっていく。
私は、ここに大きな可能性を感じています。
大企業には、多くの部署や拠点があります。
その中で、一つの部署だけが使っている便利な仕組みを、他の部署にも広げられたらどうでしょうか。
マニュアル作成の効率化だけでなく、業務の標準化や、引き継ぎの仕組みを見直すきっかけになるかもしれません。
もちろん、実際に組織を変えていくのはお客様自身です。
外部の営業が、簡単に大企業の仕事の進め方を変えられるわけではありません。
でも、最初の一人の「使ってみたい」から、企業全体の仕事のあり方を考える話にまで広がっていく。
そんな可能性がある仕事だと思っています。
約10人の会社が、大企業の挑戦を一緒に進めている
Orange Moonは、営業と開発を合わせて10人前後の会社です。
一方、お客様の中には、何千人、何万人という従業員が働く企業もあります。
会社の規模だけを見れば、大きな違いがあります。
でも、私たちが提供しているManualForceは、そうした大企業の業務課題に向き合うためのサービスです。
実際に、システム操作のマニュアル刷新や、業務引き継ぎの改善、複数部署での活用など、さまざまな取り組みが進んでいます。
私は、小さな会社が大企業と仕事をすること自体を、特別なことだとは思っていません。
大切なのは、会社の人数ではなく、どれだけお客様の課題を理解し、価値を届けられるかです。
ただ、少人数だからこそ、一人ひとりの仕事の影響は大きいと思っています。
ISがつくった一件の商談。
FSが進めた一つのトライアル。
お客様からいただいたフィードバック。
その積み重ねが、実際の導入につながっていく。
そして、その先では、ManualForceがお客様の日常業務の中で使われていく。
私は、こうした仕事のつながりが見えることに、今のOrange Moonで働く面白さがあると思っています。
「売る力」だけではなく、「物事を前に進める力」が身につく
ここまで書いてきたように、BtoB SaaSの営業では、単にサービスの説明が上手ければいいわけではありません。
お客様の話を聞く。
課題を理解する。
どんな効果が期待できるかを考える。
トライアルを通じて検証する。
関係する方々が気にしていることを整理する。
必要な情報を届けながら、導入に向けて一つずつ前に進めていく。
こうした経験を重ねることになります。
私は、これは営業だけに限らず、さまざまな仕事で役立つ力だと思っています。
相手によって考え方が違う。
それぞれに事情がある。
自分が良いと思うものが、必ずしもそのまま受け入れられるわけではない。
そんな中で、共通の目的を見つけ、一つの取り組みを前に進めていく。
簡単なことではありません。
でも、だからこそ面白い。
特にOrange Moonのような会社では、早い段階からこうした仕事の一部を経験する機会があります。
もちろん、最初からすべて一人で進められる必要はありません。
まずはお客様と話せるようになる。
課題を聞けるようになる。
商談を進められるようになる。
そして、少しずつ大きな案件にも関われるようになる。
その積み重ねが、営業としての力になっていくと思っています。
最後に
一人のお客様の「使ってみたい」が、大企業の導入につながるまで。
その間には、たくさんの仕事があります。
最初の接点をつくること。
お客様の課題を理解すること。
実際に試していただくこと。
導入に向けた疑問や不安を解消すること。
そして、企業として納得して使い始めていただくこと。
私は、BtoB SaaSの営業には、こうした一連の仕事を進めていく面白さがあると思っています。
最初は、展示会での数分の会話だったかもしれません。
一本の電話だったかもしれません。
でも、そこから商談が生まれ、トライアルを進め、実際の導入につながっていく。
そして、その先では、ManualForceによってお客様の仕事の進め方が変わる可能性がある。
一人の「使ってみたい」を、組織としての「使っていこう」に変えていく。
私は、これが大企業向けSaaS営業の面白いところだと思っています。
Orange Moonは、まだ10人前後の会社です。
でも、その小さなチームで、大企業のお客様が新しい取り組みを始めるお手伝いをしています。
サービスを売るだけではなく、お客様の中で新しい仕事の進め方が生まれる、その過程に関わる。
そんな仕事を面白いと思っていただける方と、一緒に働けたら嬉しいです。
ぜひ一度、お話しできればと思っています。