こんにちは、oceanizeインターンの木内陽翔です。 ブログの更新をサボっていたことがたたり、記事内容と現在とのタイムラグができています。 今日も6週間ほど時間を巻き戻して断食の日々についてお伝えできたらと思います。
断食とはそもそも何たるか
断食とは、一定の期間、全ての食物あるいは特定の食物の摂取を絶つ宗教的行為である。一定の食物を(期間を定めず)恒常的に禁忌することは除かれる。断食は世界の諸宗教に広く見られる。断食では食事は断つものの水だけは飲む場合もある。(Wikipediaより)
こんなにストイックではないです。
断食のことfastっていうんですね、知ってました?"breakfast"が断食を破る最初の食事って意味だと知り感動。よく考えれば夕食が7時、朝食が8時だったら13時間空いてることになりますしね。朝飯前、"before breakfast"じゃ伝わらんわけです。お祈りでもしそうなニュアンスです。一つ賢くなりました。
イスラム教徒の多いこの国ではヒジュラ歴の9月にラマダーンと呼ばれる断食期間に入ります。 この期間イスラム教徒は日の出から日没まで何も飲まず、そして何も食べることができません。厳格な人だと唾も飲まないんだとか。 日の出から日没までというのがポイント。夜の間は食べてもOKです。
断食期間中、飲食だけでなく、喫煙や性行為、喧嘩などもしてはいけないことになっていて、これは夜の間も継続されます。善き人として振る舞わなければいけないのです。
ヒジュラ歴と西暦ではずれがあるので毎年2週間ずつ時期が早くなります。今年は6/7から始まり7/6まで。33年で1周するそう。今年は1年でも暑い季節なのでなかなかの過酷な年だそう。
それを説明してくれたHimelはえらく嬉しそう。辛くはあるけれど、その苦しみを共有しているという一体感を感じることができるから、割合断食はすきなんだ、とか。部活で辛い練習を乗り越えて結束が強くなるのと似ているかもしれません。
意外とやさしい…⁉︎ ルールあれこれ
断食が成り立つかどうかはその人の意思が大事なんだそう。例えば、断食をしているのを忘れてうっかり何か食べてしまってもそれによって断食が無効にはならないけれど、逆に食べ物を探したけど、結果として日没まで何も食べらなった、というのは断食にはならないんだとか。
思いのほかこのルールは柔軟で、例えば妊婦さんや重病者は免除されることになっているし、食べ物のありがたみや困窮者に対する理解を図ることが目的なので日没後はきっちり沢山食べる方が良いとされていたり。
ラマダン期間中は学校もオフィスも一般的に16時で閉まってしまいます。ラマダン明けの最初の食事、イフタルを家族みんなで食べられるようにこうなっているのだとか。またイフタルの後のお祈りも重要です。僕たちのオフィスも普段の9−18から8:30−16に勤務時間変更になりました。
異教徒には強制されないこの断食ですが、やってることで一体感を感じられるっていわれたらやるしかない。日本から帰った僕もオフィスのみんなに習って断食にトライします。
日没時間は大体19時前。ムスリムは日の出前に一度深夜食を食べ断食に挑むそうですが僕は4時前に起きれる気はしないのでとりあえず夕飯だけいっぱい食べようという作戦です。
ちょうどいい写真があったので貼っておきます。
断食期間中のある1日
朝 水を飲みそうになって思いとどまる。
8時20分 オフィスに着く。快調。
10時 ムスリムでないメンバーのために出る朝ごはんを横目に仕事を続ける。
14時 そろそろお腹がすいてくる。まだ平気。
16時 退勤時間。オフィスから自室へ移動。
17時 空腹の限界。食事のこと以外考えられなくなる。macすらだんだん美味しそうに見えてくる。
18時半 空腹のあまり起きる。最後の20分の絶望的な長さ。
18時54分 外から日没を告げる放送が聞こえ歓喜の瞬間を迎える。
夜 ナッツ類をつまみながらネットサーフィン
1時ごろ 就寝
最高気温40度近いこの季節。水を飲んではいけないというのはどれだけ過酷なことだろうと思っていたら、僕は日中の大半をオフィスで過ごすので関係なかったです。なんならクーラー効きすぎて寒い。脱水症状で困ることはなさそうです。
しかし最後の2時間は空腹地獄です。時計の進みの遅いこと遅いこと。パソコン開けば溢れる飯テロ、本を読もうにも集中できず、時計すら長針と短針がホールケーキを彷彿とさせる始末。はじめの3日ほどは若干狂いそうになりました。笑
ムニルコタ
そんな中行われたムニルコタ。
ムニルコタとは、月に一度オフィスで行うイベントで、oceanizeチームも含めwebhawksで働く全員が集まって胸の内をさらけ出していろんなことを話す、という会です。
ここで断食について聞かれ、毎日夕飯一食で過ごしてると話すとみんなびっくり。それと同時に怒られました。 通常は日没後に1回、夕飯、日の出前に1回の計3回の食事をとるんだそう。そんなに食べれないっす…
このムニルコタもラマダーン特別バージョン。2時間ほどみんなで談笑したあと夕飯食べて終了というのがいつもの流れなのですがこの食事がいつものビリヤニではなくイフタル。 ここでたっぷり食っといて後で夕飯も食べるんだから驚きです。
一人一皿に加えて各種大皿で出てくる豆やら砂糖菓子もいただきます。
映画館に行く。
さて休日も断食は継続です。 ある日僕はバングラ人の友達と映画館に行きました。 観たのは「Conjuring 2」 一時期アナベルというトラウマ級に怖いCMが日本でも流れていましたがその続編です。
ちなみにアナベルはこんな感じです
ホラー映画は普段あまり見ないこととバングラデシュの映画館ってどんなだろうという興味でワクワクしながら行ってきました。
入ると日本の映画館とほぼ同じ。座席数はおそらく400くらいのおおきなスクリーンでほとんどの席が埋まっていました。そして値段が300円くらい。安い。
しかし日本と同じだ!と思っていたのもここまで。日本ではみんな基本的に静かに座っていますがここではみんな元気。あっちで叫び声が聞こえればそれに対する大笑い、隣の人としゃべるしゃべる。さながら友達の家で見る深夜のホラー映画そのままという雰囲気。初め戸惑っていましたがまぁ楽しいからいいです笑
ちなみに英語の字幕はありません。さすがです。頑張って聞き取ろうとしていると不意打ちされてびっくり、という感じで楽しみました。まぁホラーなので最悪意味わからなくても十分楽しめるんですけどね笑
映画館を出ると周りはフードコート。いい匂いが立ち込めます。しかし断食中。我慢してぶらぶらすることに。いつものオフィスではなく炎天下のダッカ市内。汗がダラダラ。喉が渇きます。いつも外にいる人たちはこんな中で断食してるわけです。キツすぎる…
この直前まで死にそうな顔してました
イフタルにも混ぜてもらいました。ひと口目の幸せときたら…!!しかしもはや空腹の向こう側にいた僕は自分の意に反して序盤でお腹いっぱいに。ダイエットに良さそうですね、断食。かなりの苦痛を伴いますが…
イードデイズ
ラマダーンの終わりはイードと呼ばれ日本のGWのような大型連休に入ります。みんなそれぞれの故郷に帰りラマダーンを無事乗り切った事をお祝いし合うのです。
連休前oceanizeチームはみんなでパーティをしました。
オフィスの近くにあるシグリというインド料理のレストランへ。日本に帰っていた期間を除けば3週間、他の人より短い間ではありましたがやりきった達成感を感じます。いやー頑張った笑
ブッフェスタイルです。ひゃっほい。
ちなみにこのイードでの挨拶があります。それがこれ。
Eid Mubarak!(イード・ムバラク)
Merry Christmas!みたいなもんだ、と言われました。分かりやすい。
ここから1週間、それぞれの故郷でエネルギーをチャージしてリフレッシュして戻ってくるわけです。Eid Mubarak!
IQとMunirがいないので撮り直すも…
Chitraが先に帰るという…ちなみにたかひろは腹痛で留守番です。南無。
メンバー紹介
ここで今更感はありますがメンバー紹介を…
まずチームリーダーのTahsin。
大柄のPHPデベロッパーです。何かと僕のことも気にかけてくれ、毎晩9時頃にskypeしてきてくれます笑
iOSのTwaha
2人いるiOSデベロッパーの1人。たまに遅刻してくるのが玉に瑕ですがそれも含めてどこか大物感があります。 5つある自社アプリのうち3つのアプリを担当しています。
AndroidのMunir
こちらも2人いるAndroidデベロッパーの1人。ポケモンGo・アメリカのリリースの二日後にはインストールするという早さを見せるもバングラではポケモンが出なかった様子。Twahaと同じく3つのアプリを担当しています。
フロントエンドのSahid
平日は働きながら休日は学校に通うなかなかストイックなSahid。バングラデシュは日~木が平日のため学校があるSahidとHimelのみ金曜日が休みで日曜日に出社します。
デザイナーのHimel
Sahidと同じく休日は学校に通うHimel。日曜日は彼ら二人しかいないので彼ら二人と話す時間の方が必然的に多くなります。歳が近いこともありSahidとHimelとは休日もたまに遊びに出かけます。
iOSのChitra
もう一人のiOSデベロッパーChitra。5つのアプリのうち残りの2つのアプリを担当しています。ブログのアップがもたついてる間に先日結婚しました。おめでたい。
AndroidのSabbir
Chitraと同じく2つのアプリを担当するAndroidデベロッパー。一時2週間ほど入院するアクシデントに見舞われましたが戻ってきてから驚異の追い上げを見せています。フリクションボールペンなど僕の持ち物に興味を抱いていじり出すのは彼です。
テスターのTahmina
チーム全員のあらゆるタスクが最終的にTahminaの元に集まります。毎日相当な量のタスクがありますが基本的にニコニコしています。
バックエンドのUB
陽気者です。彼が口を開くときは冗談かIQへのフリです。基本的にフロントでもバックエンドでもどちらでもやってくれますが最近はバックエンドのタスクが多いです。話しながらタスクの目的を察していい方法を提案してくれることが多く頼りになります。
エンターテイナーIQ
PHPのデベロッパーですが、彼のチーム内での立ち位置はエンターテイナーです。歌い踊ります。彼の一挙手一投足に笑いが起きます。セルフィー大好きです。
そしてoceanizeインターンの僕とたかひろです。こんなメンバーで頑張ってます。
写真はMunirが新しく買ったカメラでの撮影会のものです。笑
バンドなんかのライブならここで一人一人ソロ演奏したりして盛り上がりそうです。
………
次回はイード休みでの話を書こうと思います。現実世界とのギャップを埋めるべくペースを上げていきたいと思います。
それでは!
Eid Mubarak!