Vo.2
支援側のチームにおいても求められたもの。
それは「事業コンセプト」の共有。
地域振興の為には地域の底上げが必要であることを重視した同市では
「売れてる商品を流通させる」「売り切る力のある企業を支援する」といった発想でなく
まだ商品化や販路開拓が未整備の事業者を主に募り育成しながら、地域振興と連動させることで
地域の底上げとうるま市全体への波及を狙いプロジェクトをスタートさせたのです。
トライ&エラーを繰り返しながら成果を生み出してきた、その取り組み。
「時間をかけて粘り強く取り組むこと」はあらゆる関係者の努力だけでは果たすことはできません。
そこには我慢が必要でした。
事業の1年目は、商品開発とプロモーションの2つの事業が並行してスタート。
商品開発においてはワークショップを開催しながら、流通や商品開発における基礎知識の習得に努め、
プロモーションにおいては、うるま市の地域資源を発信しながら、その地域資源の認知度を調べ、
地域資源をPRする際に課題となっている要素をとりまとめることに徹しました。
このような事業は通常「企画コンペ」形式がとられます。
しかし、実際に事業を推進し成果を上げる為には、企画力だけではなく参画する地元企業や協力者、行政関係者をまとめ上げる力が必要となります。
その際に求められたこと。
それは「ステークホルダー(利害関係者)をまとめ上げる」「事業のコンセプトを明確にし浸透させる」ことでした。
例えコンセプトを立案できたとしても、浸透を果たすことはなかなか容易ではありません。
そこには時間をかけて各事業者と関係を築きあげることで必ず必要となります。
しかし、公的事業の場合、時間的制約の中で結果を求められる為(ほとんどの事業が単年度での成果を求められる現実があります)、
どうしても関係者間の意思疎通や理解が得られないまま、事業を進ませることが度々起こります。
その為、ノイズ・バリュー社では「企画」「実行」「継続」のバランスを踏まえ、そこに対応できるチーム編成にまずは着手しました。
そのチーム内で共有したキーワードの1つが「我慢」だったのです。
例え委託側からの強い要望であっても、無理に短期間で成果を求めることで、参画した事業者に不利益が生じると判断された場合、
その弊害をしっかりと関係者に説明し、中長期に渡ってじっくりと事業に取り組んでいくことを理解していただいたのです。
これには委託側には我慢をしていただき、受託側である我々には勇気が求められました。
主張した内容が外れれば、委託側と受託側の信頼関係がなくなり、事業そのものが回らなくなる可能性もある。
幸いにもうるま市の担当者には我々の考え方に理解をいただくことができ、あらゆる方向から事業者のサポートを検証していき、
支援に取り組んでいくことができたのです。
そして最終的にはうるま市のこの英断が大きく結果に繋がっていったのでした。