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毎朝5時にセミの鳴き声で起床。
散歩がてら家を出ると、歩いて1分のところに海があるロケーション。
ゴミ出しついでに近所のおばあちゃん、おじいちゃんと談笑。
毎日のご飯は港で揚がった地魚と地場野菜。
僕は先月、神奈川県三浦市三崎に移住しました。
今現在も三崎の自宅でセミの声を聞きながら仕事をしています。
今回は、僕自身が三崎に移住して、感じたことや移住者側、受け入れ側双方に求められることについて自分の考えを書かせていただきます。
【そもそも三崎ってどこさ?】
関東圏に住んでいる人は馴染み深いかもしれませんが、知らない方のためにも改めて再確認をば。
三浦半島の最南端
神奈川県東部に存在する三浦半島。半島の最南端に三浦市という自治体があります。
その三浦市の中でもさらに最南端。一般的には"三崎下町"と呼ばれるエリア。ここに僕は住んでいます。
都心から1時間強で行けるリゾート地
え、めっちゃ遠いやん!東京まで行くの大変やん!と思われた方。ご安心あれ。
実は"大都会品川"まで最寄りの"三崎口駅"から1時間強ほどで到着してしまうのです。
しかも始発駅なので出社時はずっと座ってられるという楽ちんさも魅力だったりします。
また、三浦市は、別荘地である"油壺(あぶらつぼ)"や、水源地から河口までそのままの自然が体験できる
"小網代の森(こあじろのもり)"など、海や自然に関する素敵なスポットがいっぱいのリゾート地という側面もあります。
ちなみに、三崎を始め三浦市の魅力をもっと知りたい方はこの動画を見てください。
幸せな気分になれます。
まぐろで有名な港町
最近だと、京急電鉄のみさきまぐろきっぷなんかも有名です。
今は昔と比べて水揚げ量が減っているらしいですが、1日に1000本以上のまぐろが水揚げされるときもあるのだとか・・・!(近所のおじいちゃん談)
近所の地元民行きつけの魚屋さんでもまぐろを始め、地魚が非常にリーズナブルな値段で手に入ったりと、まぐろ好きにはたまらない街だったりします。(良型のアジが6尾500円というお値打ち価格だったり)
三浦市は"消滅可能性都市"に該当する自治体
とは言え、いいことばかりではありません。
三崎が属する三浦市は"消滅可能性都市"に該当する自治体でもあります。
消滅可能性都市とは
2010年から2040年にかけて、20 ~39歳の若年女性人口が 5 割以下に減少する市区町村のこと。日本創成会議によって指定された。(国土交通省HPより)
とのことで、文字通り、今後人がいなくなってしまう可能性のある自治体のことです。
マグロや自然を活かした観光資源によって、観光スポットとしては一定の地位を築いている一方で、仕事や交通など様々な要因により人口減少の一途をたどっている街でもあります。
【なんで移住しようと思ったの?】
都心にいる必要がなくなった
過去の記事でもお伝えしましたが、ナイトレイでは4月からリモートワークを実施しています。
当初は「本当にできるの?」と心配でしたが、今の所円滑に仕事が進んでいる様子。
そんな中で「わざわざ高い家賃を払って都心に住む必要ってなんだろう?」という気持ちが湧いてきました。
地方出身の僕にとって、東京は仕事や遊ぶところもありそんなに不満はありませんでしたが、新しい生活様式へと変化した今、東京で暮らすよりも自分がもっと好きなエリアで暮らしてみたいと思ったのが最初のきっかけです。
三崎が好き
何より三崎が好き。というのがあります。就職で上京して、友人達としょっちゅう遊びに行く中で、三崎の気候やレトロな町並みに魅力を感じていました。
釣りが好き
何を隠そう下村は釣りと魚が大好きな人間。日本の魚をテーマにした山手線ゲームなら、社内で絶対に負けない自信があります。
三崎は週末になると近隣他県から釣り人が集まるスポット。アジやイワシ、スズキやメバル、はたまたアオリイカなんかも釣れたりします。
そんな釣りスポットの近くに住んで毎日釣りができたらいいな…というささやかな夢がありました。
地方に住むことで当事者意識を持ちたい
僕は今、ナイトレイで地方創生に関わる仕事をしています。
具体的には、各自治体の観光戦略立案のための調査などを行っています。
地域に観光客が訪れるようになれば、観光収入が上がり、雇用が生まれ、その地域は住みよいものになる。
そうやって、地方がもっと魅力的なものになれば、どんな人でも生きづらさを抱えることなく、幸せに生きていけるようになるんじゃないか?
地方をもっと良くしていくためにも、当事者意識をもって、地方の課題や地方創生というテーマに対して自分の言葉で語れるようになりたい。
そんな思いがありました。
【いざ、移住】
地元の団体の支援を受けながら移住を実施
移住を思い立ったのは緊急事態宣言が明けた6月。
宣言明けとは言え、今現在でもコロナウィルスに対するクリティカルな治療法は見つかっていません。
正直なところ三崎の皆さんは東京から移住してくることに不安や心配を感じるんじゃないのかという懸念も、もちろん有りました。
移住するならばできるだけ、三崎の皆さんに心配や迷惑をかけないようにしたい。ということで以下のことに気をつけながら引っ越しを行いました。
・三崎の移住支援の団体や三浦市役所に相談して「本当に移住しても大丈夫か」を確認
・不動産の内見は移動制限明けのタイミングで実施
・引越し移動時は車など、公共交通機関を使用せず移動
・引っ越し後一定期間はマスクをつけて行動
これらが正解かどうかはわかりませんが、withコロナの時代に移住を行う際は、
移住支援の民間団体や行政に、果たして現地の皆さんは歓迎しているのかどうか聞くことは必須かと思います。
移住初日にオリエンテーションを受ける
上記のようにコロナウィルスに対して細心の注意を払った上で、7月に移住を実施しました。
僕の場合は移住支援の団体にも助けていただきながら移住をしたこともあり、当日不動産屋さんから
"三崎で住む上でのオリエンテーション"を受けました。
三崎で暮らす上でのローカルルール
まず、説明を受けたのは三崎で暮らす上での明文化されていないローカルルールの説明です。
例えば、「高齢者が多いから21時以降は静かにすること」「風が強く、木造の家が多い地域だから友達が来てもBBQや花火は厳禁」なんていうルールがありました。
隣組(回覧板を回すご近所さん)の顔つなぎ
次に、隣組(回覧板を回し合うご近所さん)への顔つなぎをしていただきました。
顔つなぎのおかげで、毎朝近所の方と雑談したり、作りすぎたおかずをシェアしたりできる仲にまでなりました。
三崎に住む上で期待する役割についての説明
そして、最後に不動産屋さんから僕に期待する役割について説明を受けました。
具体的には、近所に住んでいる高齢者の方の見守りをしてほしいとのことでした。
【実際に移住してよかったこと】
広い家に住める
まずいちばん嬉しかったのはココかもしれません。
23区内だと1Kのマンションで家賃が7~8万円くらい。というのが相場かと思いますが、三崎周辺では3LDKの一戸建でも家賃4~5万円で住むことができます。東京では考えられない家賃ですよね!
生活のコストが下がり、生活の質は上がるということで、僕にとっては本当に良かったです。
健康的な生活
都内に住んでいた頃は、ジャンクフードやコンビニ食が中心になっていましたが、三崎には新鮮な魚や野菜が安い値段で売っています。
家が広くなったことでキッチンも大きくなり、結果料理が楽しいから自炊にハマりました。
また、都心と比べて混雑することもないので、朝のお散歩が楽しくなりました。今では毎朝海沿いを歩くことが日課になっています。
結果、体重が減ったり、早寝早起きになったりと自分が健康になってきていることを実感しています。
【移住支援でありがたい!と思ったポイント】
今は三崎ライフをエンジョイし、仕事もメリハリを持ってさせてもらっているわけですが、移住支援でしていただいたことは本当にありがたいなと思ったので改めてポイントをまとめておきたいと思います。
①ご近所さんへの顔つなぎ
これは自分の中ではかなりありがたかったです。顔つなぎをしていただいたことで、その後のコミュニケーションがスムーズになりました。
②ローカルルールの説明
これも事前に教えていただいて助かりました。何を隠そう、「友人が遊びに来たら釣った魚でバーベキューしたり、海岸で花火したりしたい」なんて思っていたものですから。
ルールを知らずにやってしまって大顰蹙を買ってしまったり、最悪の場合大火事に、、、なんてことにならず本当に良かったです。
③ネットでは出てこないお役立ち情報の提供
これは観光地あるあるですが、「ネットではやや値段の高い観光客向けの飲食店の情報が多く、コスパの良い地元民向けの飲食店の情報が少ない」というものがあります。
こういったいわば「ネットでは出てこない情報」を取得することは非常に難易度が高いと思います。
そんな中で、地元民向けの飲食店といったローカル情報を提供してもらえるのは非常にありがたかったりします。
【移住者側の心構えについて】
最後に移住する側のマインドセットについてですが、僕が感じたことベースで書かせていただきます。
"もらう側の発想"ではなく"もたらす側の発想"へ
オリエンテーションで不動産屋さんから言われたことがあります。
「下村君の住む地域は年配の方が多い。一人で暮らしている方もたくさんいる。一緒の地域に住んでいる方が毎日元気に過ごしているか、体調を崩して倒れていないか、見守るのも下村君の役割だよ」
その言葉を聞いてハッとしました。
生活費の安さ、豊かな自然、週末のアクティビティ。
もちろんこれらを求めて移住することは悪いことではないと思います。
しかし、そういった、いいところだけを体験したいという、"もらう発想"になっていた自分の認識の甘さを痛感しました。
相互扶助とは文字通り、お互いが助け合うという意味です。
この三崎で生きていくためには"もらう発想"ではだめだ。
近所で暮らしているおじいちゃん、おばあちゃん、ひいてはこの三崎という地域に何をもたらすことができるか。
"もたらす側の発想"へとマインドセットを切り替えるべきだと感じました。
今の自分にできることをやる
地方を盛り上げるためにイベントをする。プロモーションをする。これらはとても素晴らしいことです。
ですが、その先にあるのはそこで暮らしている人が幸せになること。だと思います。
ゴミ出しのルールを守る。毎日ご近所さんの見守りをする。小さなことかもしれませんが、これらの行動も同じ目的を向いているのではないだろうかと思っています。
今の自分は大したことはできないかもしれない。でも求められた役割はきっちりやるということを積み上げていこう。
そしていつかは三崎を盛り上げるようなプロモーションをナイトレイとしてやれたら良いな。
コロナが落ち着いたら、インバウンドを三崎に呼べるようなこともやってみたいな。
そんな風に思っています。
地方創生について考えたい、何か実現したいことがあるという人は是非応募を!
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