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【スキルアップ】第4回「NVSのCCNP講座」9日目~ENCOR Day4~無線LAN、デシベル計算、EIRP、RSSI、SNR

こんにちは!
NVS(ネットビジョンシステムズ) 広報部です。

2021年12月4日より、第4回CCNP研修がスタートしました。
今回もCCNP研修のレポートをお届け致します。

前回に引き続き、スクール講師メンバーよりお届けいたします!
今回も演習問題をご用意いたしましたので、ぜひチャレンジしてみて下さい。

■以前の研修内容についてはこちらをご覧ください。
ネットビジョンシステムズ株式会社 ブログ一覧(CCNP研修)


CCNPを学習するのがおススメの人は?

現在のCCNPですが、問題傾向として割と設定や図をみて答える問題が多いです。

なので、「実務のトラブルシューティング」でも役に立つような内容が学べると言えます。
CCNAで基礎を学び、現場で使えるスキルを身に着けたい方にはおススメです。

上位資格ということもあり、基礎を前提として、「Cisco機器の設定・確認」「トラブルシューティング」などに特化した内容となっています。
ベンダー色は強めですが、Cisco機器を業務で使っているNWエンジニアであれば取得することで
大きく視野が広がるかと思います。

特に、要件提案、(0からの)基本・詳細設計などに関わる方は、
・プロトコルの動作は前提として、Cisco機器のどの表示を見れば状態がわかるのか?
・どのコマンドを打てば設定を変更できるのか?
などが求められていきます。

CCNAではざっくりでしたが、CCNPではより詳しく学ぶことができます。

結論として、「Cisco機器の操作をさらに極めたい」「Cisco機器を使った設計・構築に携わりたい」と言う方には、必須レベルで必要になる資格です。
上記の目的がある方はチャレンジしてみると良いでしょう。


Day9 講義内容

本日は無線LANに関する内容をお届けします。
CCNPのENCOR試験ではインフラストラクチャ分野(出題率が全体の30%)から無線LANに関する問題が出題されます。

無線LANは我々の生活に欠かせない反面、その仕組みを完全に理解している人は多くはないでしょう。 CCNP ENCOR試験では、アクセスポイントから電波を出す際の電力の強さを算出する為に、アンテナの電波の増幅・空気中で電波の減少を加味して計算したりと、高校物理のような事を問われたりします。深堀して勉強するとなると、かなりの時間がかかってしまいます。出題率が高いが学習せず落としてしまう方が多い印象です。

そこで今回はCCNP ENCOR試験の中で押さえてほしい内容をピックアップしてご紹介します。

・無線LANの規格
・アンテナ
・デシベル計算
・EIRP
・RSSI
・SNR

<無線LANの規格>
無線LANの規格問題についてはCCNAでも出題されておりますがCCNPでも出題されますので覚えておきましょう。
ネットワークスペシャリストなどの試験でも問われるので覚えておいて損はないはずです。


ポイントとしてはどの規格がどんな周波数帯に対応しているのか、最大伝送速度はどれくらいあるのかを押さえておきましょう。


<アンテナ>
CCNPの無線LAN問題ではアンテナに関しても多く出題されます。
アンテナについて簡単に紹介します。
世の中には多くの種類のアンテナが存在します。
アンテナの役割は電磁波を受信して電気信号に変換したり、その逆に電気信号を受信して電磁波として発信します。

アンテナの種類によって指向性などの違いがあります。指向性とは、電波や音などの強さが方向によって異なることをいいます。また指向性の方向は水平だけでなく、垂直にも向きます。指向性アンテナの代表的なアンテナとしてパラボラアンテナ、八木・宇田アンテナなどがあります。

アンテナには他に無指向性というものがあり指向性がない、つまり360度どの方向から電波が来ても受信できる特徴があります。トランシーバーなどで使われるホイップアンテナなどがあります。


参考:https://www.cisco.com/c/ja_jp/products/collateral/wireless/aironet-antennas-accessories/prod_white_paper0900aecd806a1a3e.html

<デシベル計算>
CCNPでは無線の電波の力などを計算するため、デシベル(dB)を使った計算問題が出題されます。

dB(デシベル)とは、信号の電力比を対数(log)で表す単位です。
デシ(d)は1/10の単位です。ベルは電話機の発明者グラハム・ベル(Graham Bell)の名から取った単位ですが、デシ(deci)は1/10を意味する接頭語です。
身近な言葉として、例えば1dl(デシリットル)がありますが、100mlや0.1lを意味します。
音の強さや電気回路の増幅度、減衰量などの表現に用いられる無次元の単位です。

【計算式】
電力比(dB) = 10×log(倍率)
dBは数値の常用対数logを取ることで換算できます。
※常用対数…底が10の対数。log10()

また計算式は説明を簡単にするために倍率としていますが、本来はもう少し複雑ですので気になる方は調べてみてください。

参考:https://macasakr.sakura.ne.jp/decibel.html

計算式が難しい方は下記の図を参照してください。
ここで問題の例としてこちらを考えてみてください。

「2つの電力値を比較する際に計算結果が3dBとなった場合、対象となる電力レベルは基準値の何倍でしょうか。」


表の倍率との関係を見てみてください。
3.01dB ≒ 3dBとして、倍率が2倍であることが分かります。

つまり対象となる電力は比較(基準値)の2倍であることが分かります。

このように問題では2倍、4倍、8倍、10倍などのデシベル値が出題されるため難しいと思われる方は有名な値だけ暗記するのも策です。
dBときたら「基準値の何倍か」で覚えましょう。

次に「dBm」についてですが、「dB」と「dBm」の違いを押さえておく必要があります。

「dBm」は電力、電波の強さの単位などで用いられます。

dB:倍(相対値)
dBm:量(絶対値)

電力の単位はW[ワット]ですが[dBm]でも表記することができます。

例えば無線装置では扱う電力の範囲が0.00000001~100000000Wと範囲の差が広くなる可能性があります。その際にはdBmで電力の値を表記することでよりコンパクトに表現することができます。

例えば上の扱う数字の範囲が大きい例だと[dBm]に単位変換すると-50[dBm]~50[dBm]と「W」で記載するよりコンパクトに表記できます。
ワットで考えるよりdBmの表記の方がすっきりして分かりやすいですね。そのため無線を仕事にしている現場では「dBm」表記が多いです。

下の図の例を見てみましょう。


Transmitter(送信器)から出力された電力が1mWとします。
1mWを基底とするためdBmで表記すると0dBmです。(1mWは1mWの「0」倍ですね)
Antennaを経由して電力を強くすると100mWとなります。
アンテナによる増強(何倍)がdBで表され、電力自体の絶対値がdBmとして表されます。

少し難しいと思いますがイメージだけでもつかめればOKです。

アンテナ利得についてもここでご説明します。
アンテナ利得(アンテナゲイン)とはアンテナに入力された電力を何倍にして出力するかを表した数値です。

アンテナ利得の単位は[dBi]になります。dBは上記で学習したように「何倍か」を示します。
dBiの「i」ですが、isotropic antennaのことで「等方向性アンテナ」の意味)と表します。
全方位に無指向性(球面)の理想的なアンテナを基準とする場合には、アンテナゲイン「xxdBi」 と表記します。

<EIRP>
EIRP(Equivalent Isotropic Radiation Power:等価等方放射電力)とは、アンテナからある方向に放射されるエネルギーを「等方性アンテナ」(理想アンテナ)での送信電力に置き換えたものです。簡単にまとめると送信電波の強さです。単位は「dBm」となります。上記で学習したようにdBmは「1ミリワット(W)に対するデシベル」の略で電波の強さを指します。

EIRP = Tx(電力) [dBm] – ケーブル損失[dBm] + アンテナ利得[dBi]


図の例のようにこの場合のEIRPはTransmitterの電力からcodeで打ち消されるケーブル損失を引き、アンテナゲインで増幅した値を足しています。答えは25[dBm]となります。ワットで見ると316[mW]となります。

<RSSI>
RSSIは受信信号強度とも呼ばれ、受信した受信信号の強弱を表現するものです。
RSSI値が大きいほど受け取れるシグナルが強く小さければ弱いです。
RSSIはdBmで測定され、負の値となります。

<SNR>
SNR(信号対雑音比)は受信電力信号強度(RSSI)とノイズフロア電力レベルの比率です。
単位は[dB]で表現されます。高いSNR値が推奨されます。
SNRが0より大きい場合、RSSIはノイズフロアより上で動作します。0より小さい場合、RSSIはノイズフロアより下で動作します。※ノイズフロアは受信機が受信するノイズの平均信号強度です。

いかがだったでしょうか?無線かなり難易度が高いですね。
一回で理解は難しいので仕組みやイメージをつかみながら学習することをおすすめします。


◤演習問題にチャレンジ!◢

Q1.無線LAN規格で述べられている設問のうち正しいものを選択せよ。
A.IEEE802.11aでは、周波数帯として2.4GHzを使用することが規定されている。
B.IEEE802.11bでは最大伝送速度が54Mbpsである。
C.IEEE802.11gでは、アンテナ技術としてMIMOが規定されている。
D.IEEE802.11nでは、2.4GHzと5GHz帯2つの周波数帯を併用することができる。


Q2.学校のように1000人以上を収容する講義室の高精度無線ネットワークを設計したい、推奨されるのはどれか。
A.パラボラアンテナ
B.八木アンテナ
C.無指向性アンテナ
D.アンテナではなく有線でHUBを設けて設計する。

Q3.送信機の電力レベル、ケーブル損失、アンテナ利得の数値を使用して何が計算できるか。
A.SNR
B.EIRP
C.dBi
D.RSSI
E.ESSID

Q4.AP電力が25mWから100mWに増加したときのdBmの違いは何か。
A.6dBm
B.125dBm
C.75dBm
D.150dBm


◤演習問題 解答・解説はこちら◢

Q1.解答
答え D
11nでは2.4GHz帯と5GHz帯両方の周波数帯が使えます。
またMIMO対応は11nからとなります。表を見直してみて特徴を押さえておきましょう。

Q2.解答
答え C
1000人以収容するとなる広い会議室では多方向から電波を送受できたほうが
よさそうですね。そのため無指向性のアンテナを導入するのが正となります。

Q3.解答
答え B
EIRP(Equivalent Isotropic Radiation Power)はアンテナからある方向に放射されるエネルギーを「等方性アンテナ」(理想アンテナ)での送信電力に置き換えたものです。
式としては EIRP = Tx(電力) [dBm] – ケーブル損失[dBm] + アンテナ利得[dBi] となります。

Q4.解答
答え A
mWからdBmに変換する場合
25mW ⇒ 10log25 = 13.98 dBm
100mW ⇒ 10log 100 = 20 dBm ※常用対数
20 - 13.98 = 6.02
よって約6dBmと分かる。

10log25は非常に計算が複雑になるので
おすすめ解法は10log100 - 10log25として対数の商の法則より
10log(100/25)
10log4
常用対数log4は有名値なので暗記していたらベターです。
10*0.602
=6.02とも計算できます。


以上、【スキルアップ】第4回「NVSのCCNP講座」でした!
最後まで拝見いただきありがとうございました!


最後までありがとうございました!

■当スクールを詳しく知りたいという方は、こちらの記事もよければご覧ください。
NVS自慢の『自社サービス』 ITスクールのご紹介

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【第5期CCNP講座の開催が決定いたしました!】

6月から第5期となるCCNP講習を開催します。
第1~4期でも、多くの合格者を輩出しました!

■講座名:CCNP Enterprise取得支援講座【第5期】
■受講期間:2022/6/4(土)~2022/8/6(土)の毎週土曜日(計10日間)
■受講時間:10:30-18:00(うち休憩1時間)
■受講場所:ネットビジョンシステムズ株式会社

講師は、現場経験のある社員が担当しているため、現場での小話やアドバイスなども共有しています。
また、多くの実績から得たノウハウから、躓きやすいポイントや受験にあたっての注意などもお伝えしているので、自信をもって受験できると思います!

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NVS QUEST | ネットビジョンシステムズ株式会社
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この記事を読んでくださった 皆様に
NVSやネットワークエンジニアへの興味をもっていただければ、幸いです。

今後もNVSのことや、業界のことを色々発信していく予定ですので、
引き続きよろしくお願いいたします。

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