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「マネタイズを理由にユーザーの居場所を無くしたくない」ーー“経営もわかるデザイナー”を志す理由。

nana musicで働く多彩な人たちの素顔に迫るシリーズ「nanaな人々」。

今回登場するのは「nana」のUIやUXデザイン全般を担う“にっしー”です。

入社前から「nana」が大好きだったという彼に、入社のきっかけからデザイナーとして成し遂げたい目標まで、たっぷり聞いてきました。

「顔出しは恥ずかしい…」とのことで、今回はイラストでの登場となります(笑)

「nana」の“なんでもいい”世界観が好きだった

ーーにっしーはずっとデザインの仕事をしてきたんですか?

そうですね。元々は地元で、DTPのデザインをしていました。

仕事は楽しかったんですが、ちょうどスマホが出てきた頃だったので、「これからはウェブやアプリかもな…」って考えるようになったんです。今後もデザイナーとして食べていくなら、仕事の幅を広げていく必要がある。そう思って、上京して、UIデザインに強みをもつ制作会社に転職しました。

ーー紙から未経験のウェブに転向するのは大変だったのでは...!

めちゃくちゃ大変でした(笑)しかも、僕が転職した会社は、デザイナーが2人しかいなくて...。自分のリソースやスキル的に難易度が高い案件でも、何とか食らいついてやるしかない環境でした。

2年間くらいガツガツ働いた結果、UIデザイン周りのスキルにはある程度自信が持てるようになりましたね。

ーー自信がついて楽しくなってくるタイミングで、どうして転職しようと思ったんですか?

いろんな案件に携わる受託の仕事も楽しかったんですが、1つのサービスに腰を据えてしっかり携わってみたかったんです。

そう思ってWantedlyを眺めていたときに、偶然nana musicのページを見つけました。もともと音楽好きで「nana」ユーザーだったので、とりあえず会ってみようかなって。

軽いノリで面談に行って、「nana」が好きだっていう話をして、すっかり社長と意気投合しました。その場で「入っちゃえば?」と言われて、そのまま転職を決めました。

ーー急展開ですね...!なんでその場ですぐ決断できたんですか?

面談をする前から、「nana」の「なんでもいい」世界観には、強く共感していたんです。もちろん驚くほどクオリティの高い投稿もあります。でも、そのレベルに至っていない人がいても、バカにされる空気は全然なくて。一人ひとりが自分なりの「表現」を自由に楽しんでいるんです。

僕自身、音楽は好きですが、楽器も弾けないし、バンドをしていたわけでもない。それでも「nana」があれば、自宅で録音した歌をアップして、誰かから反応してもらえる。肩肘張らなくても、ちょっとした「表現」ができるんですよね。それだけで人生が楽しくなる人って、自分を含め沢山いると思うんです。

社長ともよく話していますが、「なんでもいい」って、とてもインターネット的ですよね。自分はインターネット育ちの人間で、現実社会とは違う「なんでもいい」世界がひとつの居場所でした。だから、「nana」というたくさんの人の居場所を守り、育てるために全力を尽くしている社長の姿勢に、惹かれたんだと思います。

役割の変化とデザイナーとしての視野の広がり

ーー入社してから担当している業務について教えてください。

「nana」のUIやUXデザイン全般を担当してます。前職では、「こういうデザインをつくりたい」というクライアントの要望に応える仕事が主でしたが、今は会社の戦略やサービスの方向性を踏まえ、どのような体験をユーザーに届けるかも考えます。最近ではプロダクトマネージャーと共に施策をゼロから設計していく仕事も増えましたね。

ーーどんどん業務の幅が広がっているんですね!仕事をする上で意識することも変わりましたか?

ユーザーに満足してもらえるかだけでなく、事業全体への影響も考えるようになりましたね。他のサービスに対しても、以前はデザインしか気になりませんでしたが、今は「こういう戦略があるのかな」と、UIやデザイン変更の背景にあるビジネス的な意図も色々想像しちゃう(笑)

あと、ユーザーに対する責任感も増しましたね。「nana」は600万人以上のユーザーを抱えるサービスなので、アップデートの度にめちゃくちゃ沢山反応が届くんです。プレッシャーでもありますが、その反響があるからこそ、
UIデザインから、サービスを通してどのような体験を届けるのかといったUXまで考え抜ける。ユーザーのために中途半端な仕事は絶対にしたくないと思いますね。

ーーこれまでの仕事で、にっしー的にユーザーから良い反応が得られたものってありますか?

録音したサウンドを加工するエフェクト(リバーブ)のかかり具合を調整できる機能を、エンジニアと一緒に実装したことですかね。ユーザーとして使っている頃から、「リバーブかかりすぎてるなー」と思っていたので、そこに手を入れて、好評を得られたのは嬉しかったですね。

ーーユーザーとしての感覚が活きたんですね。

ただ、この“ユーザー目線”もなかなか厄介なんですよね。完全な主観の場合もあるので、しっかりデータとも照らし合わせて検証するようにしています。とはいえ、ユーザー感覚も大切にしたいので、どこで折り合いをつけるべきか、いつも開発マネージャーのりんさんやCOOの細野さんと議論してます。

ーー細野さんもりん君もこだわりが強そうですね...!

そうですね(笑)みんな「nana」の世界観が好きだから自分なりに譲れないポイントもある。でも、それで本当にユーザーが喜ぶとは限らないんですよね。

それにユーザーがどれだけ喜んでくれたとしても、一切マネタイズができなければ「nana」自体を存続させられなくなってしまいます。そんな理由でユーザーの居場所がなくなってしまうのは、絶対に避けたい。

だからこそ、妥協せず意見を出し合って、ときにはぶつかり合う必要もある。そのプロセスを共有するのは、苦しいけれど、やっぱり楽しいんですよね。

ーーなぜ“楽しい”と思えるのでしょうか...?

「nana」への愛ゆえのぶつかり合い...だからですかね。仲間とのやりとりを通して、常に新しい学びがあります。

例えば、僕は細野さんに対して、「『nana』をマネタイズするために入った人で、サービスへの愛とかないんだろうな」って正直思ってたんです(笑) 実際ミーティングでも細野さんの意見がどうしても納得できなくて...。一度じっくり話をするために二人で飲みに行きました。

そこで、細野さんから「サービスが終了して、ユーザーの居場所を奪う理由が『マネタイズ』だなんて許せない。だからマネタイズに取り組むんだ」という話を聞いて...。すごく納得できましたし、自分自身「マネタイズ」をハッキリと自分ごとにできたように思います。そこから経営面も考えられるデザイナーになりたいと、強く感じるようになったんです。

ーーやはり今後もそういう“愛”のある人と働きたいですか?

そうですね。もちろん誰もが僕や細野さんみたいなヘビーユーザーである必要はないと思っています。ただ、「nana」がつくっている世界観や、ユーザーに届けられている価値に対して、愛とか誇りを持てていないと、与えられた範囲以上の仕事をするのって難しいと思うんです。

決して「与えられた仕事以外もやれ」っていうブラックな話ではなく、「これで本当にユーザーが喜ぶんだっけ?」と常に疑問を持てる人じゃないと、良いものは生み出せないと思う。それくらい本気で「nana」というサービスに向き合える人と、働いていきたいですね。

にっしーの「絶対に『nana』を無くしたくない」という真っ直ぐな言葉、デザイン以外の領域も貪欲に学ぼうとする姿勢に、身が引き締まる想いがしました。

今日も全力で議論を交わしながら「nana」を進化させ続けてくれるにっしーに、今後も期待です!!

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